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「っ! 百子! 風呂沸いたから入るぞ!」
散々百子によって荒い息を吐かされた陽翔は、百子の手が胸の頂から逸れたタイミングでシャワーのお湯を彼女にかける。自分の体についたソープも一緒に洗い流し、彼女に湯船に浸かるよう促す。百子がそろそろと入ったタイミングで陽翔も入ると、お湯があふれる音がした。
「なんでそんな端っこにいるんだよ」
湯船の隅で小さくなっている百子を、陽翔は後ろから抱き寄せて自分の足の間に収め、彼女の首筋に顔を埋めた。
「大丈夫? 狭くない?」
百子はもぞもぞと動こうとしたが、がっちりと陽翔の逞しい腕が回ってしまい、思わず彼の方を振り向く。
「いや、俺は百子とくっつけるから俺はいいけど」
陽翔の声が降り落ち、額に、頬に、唇にキスも落とされる。百子は背中に彼の心地良い熱を感じながら、彼の舌を追いかけ自分の舌を絡ませる。彼の舌と触れ合う感覚が心地よく、それに身を任せた百子はうっとりとして目を閉じた。しばしお互いがお互いの舌を求め合い、リップ音と小さな水音が反響し、それが二人の情欲を掻き立てていった。
「んっ……」
彼の唇が離れると、銀糸が束の間二人の間を繋いで消える。お風呂のお湯と陽翔の体温とキスですっかり蕩けきった百子の顔を見て、陽翔は自身の熱杭をさらに滾らせた。
「風呂にいる方がエロいな」
陽翔は再び百子の唇を奪い、彼女の胸の蕾を指でそっと摘む。百子がジタバタとするのでお湯が跳ねて湯船から溢れてしまい、咎める声が彼女の口から思わず滑りでる。
「ちょっと! お湯、もったいない、じゃない……んんっ!」
陽翔がやや強めに蕾を摘むので、百子は高い声を響かせた。
「あったまるから別にいいだろ。それに百子のそんな姿を見たらもう我慢できねえし」
そして陽翔は手を伸ばし、百子の茂みをかき分けて泥濘んでいる秘花にそっと触れた。
「ぬるぬるだな。俺の指がそんなに良かったのか?」
百子が首を横に振って声を抑えようとするので、陽翔は三度百子の唇を奪って口腔にくまなく舌を這わせ、甘い声を自分の口に閉じ込める。その間に秘花にするりと指を飲み込ませ、小刻みに動かしながら百子の体が跳ねる場所を探り当て、さらにもう片方の手で秘花の上にある花芽をそっと撫でた。
「んんーっ!」
甘い疼きを与えられて百子の体が跳ね、その動きに合わせて湯船からお湯が外にぱしゃりと逃げていく。それを気にしていた彼女だったが、甘く白い奔流がすぐそばに迫ってきてしまい、一際ピクンと腰が跳ねて陽翔の腕を思わず掴む。
「陽翔、お湯が……」
奔流が引き、陽翔の唇が離れて荒く息を吐いた百子は不満げな声でつぶやく。
「百子が気持ちよさそうにしてるからだろ。お風呂でする方が好きか? 体温まった方が感度が上がるって本当なんだな」
「それはっ! 陽翔が触るから……ひゃっ!」
そう言って陽翔は再び花芽に触れて、指を二本から三本に増やし、彼女の弱点を執拗に攻め立てた。
「百子が可愛いのが悪い」
「そんな……んあああっ!」
百子は白い稲妻に打たれたように、体を先程よりも跳ねさせて、陽翔に体を押さえつけられていた。彼は百子がどんな状態かを知っている筈なのに、なおも花芽と秘花を掻き回しにかかり、百子はここが浴室だということを頭から放逐してしまったと思うほど、陽翔に啼かされていた。
「待っ、て! イッた、ばっか! なのに!」
もう何度甘い疼きが白い奔流や稲妻となって百子を振り回したのかも分からない。陽翔は百子が顔どころか首まで赤くなっているのを見て流石にまずいと思ったのか、彼女の唇にキスを落とし、百子の手を掴み一緒に湯船から上がる。
「のぼせても良くないな。大丈夫か?」
百子は気だるいながらもわずかに頷く。陽翔はぐったりと自分に体を預ける百子をバスタオルで包み込んで、彼女の頭や体を優しく拭いていく。
「自分でできるわ。ありがとう」
「それじゃあ俺も拭いてくれるか?」
髪から雫を振り撒きながら陽翔が柔らかく笑う。陽翔が眼鏡を掛けていないだけでどきりとするのに、汗が彼の胸筋や腹筋を滑っていくその様子が合わさると、くらくらとしない方がどうかしている。陽翔に何度も絶頂まで導かれた百子は足がまだ震えているものの、頷いて彼のバスタオルを受取り、少しかがんだ彼の髪を、体を拭いた。
「ありがとう。続きは夜にするか。まだ荷解き終わってないし」
髪を乾かした後に台所で水を飲んでいると、陽翔の声が振り落ちる。
「そうだった……ダンボール回収って明日だったもんね。今日中に何とかしなきゃ」
彼の一言で甘い気分が吹っ飛んだ百子は、目に見えて肩を落とす。陽翔はそんな彼女を見てクスリと笑い、その肩に手をおいた。
「俺も手伝うから心配すんな」
「……ありがとう、陽翔」
百子は陽翔に口づけして感謝の意を伝える。荷解きをするだけならともかく、ダンボールを纏めるまで終わらせるには一人では困難だからだ。百子は陽翔が手を貸してくれるのに感謝しながら、日が傾くまで荷解きを行っていた。
そしてその夜、二人は何度も唇を合わせて、互いの体を隅々まで愛撫し、汗ばんだ体を繋いで深夜を迎えていたのだった。