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又、
この小説は作者の妄想・フィクションです。
ご本人様(キャラクター等)には一切の関係・関連はありません。ご迷惑がかからぬよう皆で自衛をしていきましょう!
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🏺『』その他「」無線「”○○○”」
「ン、ン…、っは、へは(笑)、つぼうらぁ、可愛いね、もっかいしよ。もう一回…、」
そう言って深く口づけをねだる彼に、何度キスをされたのかも分からない。
頭はふわふわとしているのに現実だけはしっかりと見えていて、まるで一枚窓を隔てて眺めているかのような感覚だった。
嬉しいはずなのに素直に喜べない自分が居て、好きだと言われたのにどこかふわりとその言葉が宙に浮いて届かない。
『っは、はぁ、はぁ、ッ、アオセン、待ってくれ、っ、一回、一回俺と話し合わないか、』
「ん?、話し合う?、なにを?」
青い瞳はキョトンとしていて、それでもまぁつぼ浦が話したいのならと少しだけ顔を上げてつぼ浦を見下ろす。
『はぁ、はぁ、っ、スゥ…、はぁ…、…、アオセン、第一に…アンタは最低だ』
「うん。そうだね」
『第二に、アンタは本当に俺の事が好きなのか?』
「うん。好きだよ」
『、それは、…狩猟本能みたいな、逃げるものを追いかけたくなる習性的な…、そういう一時的な感情に過ぎたものじゃなくて、、本当に、好きで居続ける自信がアンタにはあるのか?』
「……俺の愛を疑ってるの?」
『そうじゃなくて、…、いや、だってそうだろ、俺はずっとアンタのことを見てきたから分かるんだ。アンタは意図的に大切な奴を作らないし、感情一つで大胆に動くような真似はしない』
計算高いからこそ今の今ままで本当の話が噂話程度のものになっていた。
そしてまことしやかにその噂が流れていたのだ。
『もし本当にアンタが俺の事を好きなら、そんな小細工なんかせずに堂々と俺に伝えるべきだった。俺がそういう人間に惚れるのを、アンタなら知ってた筈だ』
つぼ浦が迷った様子もなくそう伝えれば、脳天をぶち抜かれたかのように青井は目を見開く。
『なんで素直に言ってくれなかったんだ?、例え俺がアンタの事を恋愛対象として見ていなかったとしても、俺が好きだなんだで軽蔑するような人間じゃねぇってことは分かってただろ?、』
「……、…、つぼ浦、、はは(笑)、…はぁ。お前はずっと変わらないね。…例え、記憶が無くなってたとしても、お前はお前のままだったってことか…、はぁ~…、ははは(笑)、どうしようかな…、」
“言っても意味無いけど、言っちゃおうかな…”そんな言葉が呟かれるのと共に、青井の目元からはポタリポタリと涙が溢れ出てくる。
『アオセン、?、』
これには流石のつぼ浦もびっくり仰天で、ぴくぴくと眉を寄せたり解いたり、しかし手元の手錠は健在なので身動きは取れない。
「俺の話、聞いてくれる?」
『、あぁ、そりゃあもちろん、聞くぜ、』
青井はつぼ浦の頷きを確認してから大きく息を吸って長く吐き、そして半年以上も前の出来事を話し始めた。
青井が語るに、つぼ浦匠は半年以上前に記憶障害を患ったらしい。
警察の仕事をしていれば良くある話といえばそうなのかも知れない。
ただ、その当時はリスポーンという名の緊急蘇生をする度に記憶がごっそりと抜ける代償付きだった。
「俺はね、一度お前に告白をした事があるんだよ」
『は、』
「それでね(笑)、少しだけ付き合ってた頃もある」
青井は嬉しそうに語るが、やはり涙は零れたままで…、それでも伝えなければと意思は固いらしい。
「数ヶ月だけどね。その後は、、分かるでしょ?」
『……俺が、記憶をなくして、…いや、でも、記憶っつーもんは、いつかは戻るってのが、』
「うん、そうだけどさ、…何でかなぁ(笑)、他の記憶は戻っても、俺との記憶だけは戻らなかったんだ」
その欠損は歪みという扱いになり、市長が直々に強制瞑想を行使しても戻る事はなかった。
「つぼ浦は男の人と付き合うのは初めてだって言って、少し戸惑ってたから…、署員の人たちには内緒にして付き合ってたけど、、だから余計に俺一人でどうにかしようって思って、空回りして、はは(笑)、結局、最低な奴になっちゃった、」
つぼ浦は根が良い奴だからモテるのだ。
寄ってたかってくるそんな奴らを蹴散らして、いつか何の前触れもなく記憶が戻る事を願って、今の今まで最低な奴を演じてきた。
「でも今だからよく分かるよ、…つぼ浦、もしかしたら押しに弱かっただけで、俺のこと別に好きじゃなかったんじゃ無いかなって(笑)、だから俺との記憶だけすっぽ抜けてるんじゃないかって思ったよ」
そうなってしまえば自分はもうどうすることも出来ない。
自分がどんなに好きだなんだと伝えたって、つぼ浦が俺の事を好意的に思っていてくれなければ恋人という名の繋がりは成立しないのだ。
「つぼ浦、ッ…。ごめんね、それでも俺さ、ずっとお前のことが好きなんだ。諦め悪いっていうのも分かってる。…けどさ、諦めきれないよ、諦めたくない」
ポタリポタリとつぼ浦のシャツに染みをつくり、突然つぼ浦の髪をグシャリと鷲掴みにする。
『゙っ、アオセ、』
「痛いよね、分かってる。…でもさ、もうつぼ浦が見てきたような理性的な俺は居ないんだよ」
例えつぼ浦が俺との記憶を忘れていたとしても、これからまた作り直せば良い。
その為にはまず身体から堕として、既成事実を作って、逃げようにも逃げられない状況にしてしまえば良い。
「ねぇつぼ浦、俺のこと嫌いでもいいよ。俺はずっと大好きだけど、その気持ちに応えてもらえるように頑張るから。…、また最低で最悪な人間になるけど、もう、仕方ないよね」
つぼ浦の同意なんて求めることもせず、青井はスタッシュからダクトテープを取り出して短くカット。
そのままペシリとつぼ浦の口元にそれを貼り付けて笑みを漏らす。
「お前の正論聞いたら、また余計なことを口にしちゃいそうだから…。はぁ…、、ごめんねつぼ浦、最低な俺にいっぱいいっぱい、甘やかされてね」
あんなに溢れていた涙はもう乾いてしまって、今はただつぼ浦に触れたいという気持ちが勝る。
沢山たくさん愛でる為の準備をしようと、青井は優しい手つきでそっとつぼ浦に触れた。
バスルームに響くのは蒸気が煙るシャワーの音と、拒絶にも似たつぼ浦の唸り声。
゙んんんん言っていても何となく言葉の意味は伝わるもので、先程からずっと“アオセン”と呼ばれている気がしなくもない。
「なぁーにつぼ浦、そろそろ出そう?」
半そで短パンで濡れても良い状態の青井が、素っ裸のつぼ浦の様子を割と真剣に眺めている。
数十分前に入れた浣腸がそろそろ効いて来てもいい頃合なのだが、どうやら根性だけで排泄することを耐えているらしい。
「大丈夫だよつぼ浦、俺何度もお前のそういう姿見たことあるし。つぼ浦の世話をするのは当たり前だからね」
最初の頃は確かに“こんな事本当に必要なのか?”と疑っていたような気もしたなぁと青井は思い出す。
「これ割とマジめに必要なやつだからね?、意地悪してやってる訳じゃないのよ俺だって」
タイルの端っこに寄って首を振るつぼ浦に近づいて、青井はシャワーを片手に持ったまま、もう片方の空いている手でひたりとつぼ浦の腹を撫でる。
「もう効いてるんでしょ?、早く出しな?」
『゙んんんんッ、゙んんっ、ッ、゙んんんッ!、』
「やめろって言われてもなぁ…、入れたものは出さないといけないでしょ?」
“ベッド汚したいならそれでもいいけど”と当たり障りもなく呟けば、つぼ浦はカチリと固まって目を瞬かせる。
「ここならシャワーですぐ流れて行っちゃうし、そのまま身体も洗えるからね。それにほら、俺しか見てないし」
後からシーツを変える清掃員の事を考えると、絶対に今の状況の方がつぼ浦にとってはお得なんだよとゆるーく説得をする。
「それでも嫌?」
『……、…、』
「…あぁ、わかった。自分で出すのが嫌なら、俺が押してあげるよ」
そうにぱりと笑って、青井はつぼ浦の腹に触れていたその手をグッと身体の内側へと押し込む。
『゙っ?!、ッ、っ〜、、…っ、っ、っふ、ッ、』
つぼ浦もこの状況が一番得策だと理解してしまったらしい。
顔をこれでもかと横にそっぽを向いて、羞恥心からか首まで真っ赤に染まっている。
つぼ浦から無理やり出されたものは直ぐにシャワーで流され、それを何度か繰り返してから、青井は備え付けのいい匂いのするボディソープを手の平にワンプッシュ。
一度シャワーの水圧を弱めてからタイルに放置し、空いたもう片方の手にも馴染ませる。
「えらかったねぇつぼ浦。…、全部俺のせいだからさ、何も恥ずかしがる事はないよ。ごめんねつぼ浦、身体洗うね」
シャ〜と弱々しくタイルに水が流れていく中、それ以上何も言葉を発することはなく…、静かに青井がつぼ浦の身体を洗う。
『…、…ん、』
「………、」
『……んんッ!』
「ふふ(笑)、…なーに?、つぼ浦」
疲れきったかのような瞳で柔らかく笑みを向けるその姿は、とてもじゃないがこれから自分を犯そうだのと思っている人間の顔じゃない。
ただ、体に触れてくるその手つきは慣れたもので、ものの数分で完璧に体が綺麗になってしまった。
「髪は洗う?」
『…、んん、』
「おっけー。じゃあこれでおしまいね」
つぼ浦をバスタオルに包んでわしゃわしゃと身体を拭いてから、そのままの格好でベッドへと直行する。
どサリとベッドに沈んだつぼ浦は何かを考えているらしく、ジタバタと暴れることは無かった。
大人しくなっているその間に、青井はスルスルと自身のシャツやら下着やらを脱いでベッドの下に落とす。
正面からつぼ浦を見下ろして見れば、その視線に気がついたのかチラリとこちらに目を向けて…、そしてまた唸った声で名前を呼ばれたような気がした。
「なぁに?、つぼ浦」
青井が反応を示せばヨタリと上半身を起き上がらせて、ひたすらにジーッと視線をかち合わせる。
「……、なんでそんなに見つめてくるの?」
ひたりと頬に手を添えても、つぼ浦はその手を拒絶しない。
「、、…はは(笑)、俺に堕ちたフリでもしてる?、嫌なら暴れてくれないと、俺本当に既成事実作っちゃうよ?」
『……、』
数十分前までは何がなんでも諦めたくない、嫌われても良い、最低な人間になってやると宣言していたのに…、今の姿はどうだ。
「゙ん、ちょっと、何、つぼ浦?、ふふ(笑)、くすぐったいよ、」
少し近づいてカシャカシャと手錠のついた手で同じように頬を撫でれば、困惑の中に確かな喜びが浮上する。
「くすぐったいから(笑)、っふ、っ、ン、…、ぇ」
テープ越しに唇を押し付けたつぼ浦は至って真剣な表情で…、青井はそんなつぼ浦を見つめながらこの状況を飲み込もうと息を吸う。
「え、……と、いや、…あのね、つぼ浦。俺は別に、お前が従順なフリしてても、手荒く抱くよ?」
『゙んん゙んん、』
「嘘じゃないから。…、ほら、」
少し戸惑った様子で青井がつぼ浦を押し倒す。
「いいの?、こんな恥ずかしい格好させられて」
パカりと足を開けば少しだけ身じろいで、それでもつぼ浦は動かない。
「……お前、なんでそんなに大人しいの?」
その問いに答えるかのように、つぼ浦はカチャカチャと手錠のついた両手を口元に寄せて、器用に指先の力だけで頑丈なダクトテープをペリペリと剥がしていく。
水蒸気でだいぶ柔らかくなったそのテープは、意外と簡単に剥がすことが出来てしまった。
『゙ん、ん、ッ、っは、はぁ、はぁ、゙あ~、ヒリヒリするぜ、やっと剥がせた、』
「あらら。剥がれちゃった…」
『剥がれちゃったじゃねぇよアオセン、手前で両手を拘束してる時点で何かおかしいとは思っていたが…、アンタ俺が逃げれる隙を与え過ぎだな』
警察である青井なら分かっているに決まってる、本気で身動きが取れないようにする為の手錠の仕方。
そしてあまりにも無防備に自由が許されている下半身。
『両足だってダクトテープを巻いちまえばそれこそ暴れる事なんて出来ねぇはずなのに、なんでアンタはそうしなかった?』
「んー…、忘れてたかなぁ」
『嘘つけ。アンタ本当は俺に暴れ散らかしてあわよくば逃げて貰おうとしてただろ』
「……なんで俺がそんな事しなくちゃいけないの?、ただの二度手間じゃん」
『その通りだな。けどその方が諦めがつくと思ったんじゃねぇのか』
結局悪い奴にはなりきれなくて、なりたくなくて、大好きなつぼ浦を泣かせるくらいなら、後戻り出来ないほど拒絶されてしまえば良いと瞬時に青井の良心が判断したのだ。
『アンタの理性が仇になったな。結局アオセンは俺が見てきたアオセンと同じままだ』
「、…違うよ」
『違くねぇ』
「違うって、」
『アンタはアンタのままだ』
「゙っ、」
ボスッとつぼ浦の顔スレスレに拳を一つめり込ませる。
『ほら、かすりもしねぇ。アンタに悪人は務まらねぇとさ(笑)』
「………、うん。そうだね。…俺は、つぼ浦が好きだと思える人間でいたいよ。…そのはずだったのに、もう、今更だけどね」
『…確かにアンタは、人の心を何度もぶっ壊した最低な奴かも知れねぇけど、…でも、それはアンタのせいじゃないだろ。…元はと言えば、俺が記憶を無くしたからだろ、、アンタだけの責任じゃないと…俺は思うがな』
「、ふっ、ふふ(笑)、馬鹿だねぇお前。記憶ないくせに。俺のこと肯定しちゃってさぁ…」
どんな状況でも、信じたものを疑わないその純粋な姿に何度惚れ直したことか。
「じゃあ、記憶のないお前は…、俺の過ちも、お前に向ける好意も、全部受け止めてくれるの?」
『……あぁ。受け止めてやるよ。俺が一度…いや、二度も惚れた男なんだ、…記憶がねぇなら、もう一度俺に教えてくれよ。…、アンタには、それが出来るんだろ?』
「…うん。できるよ」
つぼ浦がそこまでの覚悟を持っているのならばと、青井は手錠を外して安堵したかのように無意識にゆるく笑みを浮かべる。
そういえば初めて身体を重ねた時も、つぼ浦に“何も分からねぇから教えてくれ”って割と真面目なトーンで言われたような気がする。
「じゃあここからは同意の上ってこと?」
『…まぁ、そうだな』
「気まずくなるなよ(笑)」
『なってねぇ。緊張してるだけだ』
「あっそぅ?」
ひたりと触れたその身体はポッポッと熱を帯びていて、空いた両手はどこに置けばいいのか分からずにしどろもどろ。
本当になにも覚えていないんだなぁと再確認してから、青井はその両手を枕元に導いてぎゅっと握らせてやる。
「そのままじっとしてな?」
『、わかったぜ、』
少し強ばったその表情にクスリと笑って、まだ何も知らぬその体にもう一度だけ快楽というものを覚えて貰おうと、ゆっくりと柔くその手を滑らせた。
「ん。ふふ(笑)、つぼ浦。ここ好きだよね」
『゙ン、ッ、し、知るか、何も分かんねぇよ、』
大人しく枕を握って目を瞑るつぼ浦にクスクスと笑みを漏らしながら、青井は指を一本だけつぼ浦の中に押し込んでくゆりと収縮した肉壁を広げる。
しばらくそうしてからトンッと小さな突起を軽く指の腹で小突いた。
『っへッ、…は?、』
ぱちりと目を開いたつぼ浦の顔は驚きに満ちていて、しかしながらその肉壁はキュッと縮こまって青井の指を離さない。
『なんだ、今の、』
「ん?。これ?」
もう一度トンっと指先で引っ掻けば、つぼ浦の顔がピクリと歪む。
「これはねぇ…、前立腺って言ってね?、男でも女の子みたいに気持ちよくイけちゃうところなんだよ」
その合間にもトントンッ…と何度も刺激を緩く与えて、その気持ちよさをつぼ浦の頭に再確認させる。
「ここ、こうやって小突かれると気持ちいいでしょ?」
『っ、゙っ、、ん、…、まぁ、わからんことも、ねぇ、な…、』
枕をぎゅっと握りしめて、つぼ浦はピクピクと瞼を震わせる。
「うん(笑)、まぁ肯定的で良かったよ。…じゃあ、指増やすね」
『ぇ?、』
グリッともう一本の指がつぼ浦に押し込められれば、そのまま青井の指はくの字に曲がって何度もその弱い部分を重点的に攻め続けた。
『っは、はっ、ちょっ、っへッ♡、゙まっ、て、゙ダメだッ、そこ、だめッ、♡ッ、だめ♡ッ、っくッ、゙ぅぅ、ッ、゙っ、♡っ、゙んッ、ぁ、、゙や、゙〜〜〜〜ッ♡♡ッ、』
バチバチと初めての深い快楽がつぼ浦の脳に流れ、しかしつぼ浦の身体は久しぶりの刺激にもっともっとと穴を締め付け続ける。
きゅーっと身体が硬直してから一気に脱力をし、パカりと開かれたその下半身にはポタポタと先走りが零れて止まらない。
「久しぶりだから直ぐにイっちゃったね。半年以上も空いたのに…、身体はよく覚えてるみたい」
細かく息を吸っては吐いてを繰り返しているつぼ浦を見つめながら、青井は一度だけ指を引き抜いて再度ローションを手のひらに乗せる。
指先にぬめりを纏わせてからつぼ浦のヒクヒクと疼いて止まらない菊座に柔く指を置けば、自然とつぼ浦の腰が動いてちゅぱちゅぱと求める様子を確認した。
「んん(笑)、偉いねぇつぼ浦…、もう一回欲しいの?、俺の指」
ツプリと指先を埋めれば、同時にひくりとつぼ浦の喉から空気が漏れる。
「もう一回この気持ち良さに慣れとこうね。多分このまま次の段階に進んだら気絶しちゃうかもだから」
『はっ、はっ、ッ、…、鬼か、てめぇは、』
「え〜…、これでも結構優しい方だと思うけどなァ(笑)」
そう言ってまたくゆりと肉壁を広げて、前立腺を小突いて、つぼ浦の乱れた呼吸を耳に通す。
羞恥のあるその苦し紛れな喘ぎ声は、青井の陰茎を完璧に立たせるには十分過ぎる材料だった。
「気持ちいいねぇつぼ浦…、はは(笑)…、かわいい…、こうやってさ、ン、ほら。指で引っ掻くとすぐ泣いちゃうんだよ?、気持ちいいよ〜って、つぼ浦の身体が喜んでるの。わかる?」
『ンなのッ、゙わッ、っは♡ッ、゙ぁッ、゙ぁっ♡、だめ、だめだめ♡ッ、っく♡♡、クッソ、♡、なんで、、゙ぅぅ(泣)、゙ぅ♡、゙ぁ、ぁ、ふきゅッ(泣)、』
ゴリゴリと何度も指を折って、かきあげられて、青井の言う通りにつぼ浦の身体が準備を整え始める。
胸の内から込み上げる熱と快楽に脳が追いつかず、つぼ浦は息をつっかえてポロポロと生理的な涙を流し続けた。
「…つぼ浦、大丈夫だよ、だいじょうぶ」
青井はそんなつぼ浦を見て薄く目を細め、小さな笑みを浮かべてからクパリと柔らかくなった穴の状態を確認して指を抜く。
熟れた果実のように身体全体を火照らせるその姿は、何度見たって青井の中では誰にも渡したくない特別な光景だ。
「つぼ浦、息吸って?」
『、っ、すぅー…、ッ、はぁー…、』
「もう一回」
『すぅ…、はぁ…、ッ…、ぁ、』
カタカタと喉を震わせながら呼吸を整え、つぼ浦はその瞬間に自分の散々ゆるめられた尻にぴとりと青井の性器が押し付けられていることに気がつく。
『ン、ッ、』
つぼ浦はその光景を見つめるだけで腰を跳ねらせ、ドキドキと胸の鼓動が止まらない。
その動悸が込み上がる嬉しさ4割と恥じらい3割、そしてド緊張がまた3割である事は何となく青井にも伝わっていた。
「…大丈夫、まだ入れないよ」
びきぴきと筋の通った陰茎を一気に押し込むことはせず、青井はつぼ浦の心の準備が整うまで待とうと考える。
「すぅ…、はぁ…、、。つぼ浦、キスしよっか」
『へ、』
「お前が俺を受け入れてもいいと思ったら、…ここ。俺の首に腕を回して?。ゆっくりでいいから、お前のペースで俺を受け入れて…ね?、つぼ浦」
トントンっ…と青井が自身の首を軽く叩いて、それからグッとつぼ浦の顔に影を落とす。
ブチ切れそうな理性を何とかつなぎ止めて緩く笑みを漏らす青井は、ぱちぱちと目を瞬かせるつぼ浦の瞼にキスを落としてまたクスりと笑った。
「同意の上だけどさ、お前はやっぱり記憶が無いし…、…俺の事、恋愛的に好きなのかもまだ分からないでしょ?」
『それ、は、いや、俺は、』
記憶があろうとなかろうと、確実に自分の中で青井らだおに対する憧れや好意は持っていた。
お付き合いをしていた頃の記憶が無くなっている今の俺は、確かに羞恥や緊張はあるけれど、…それでも、こうして触れられて嬉しいということは、恋愛的に好きだと言っていいのではないだろうか。
『アオセン、俺は、』
「ふふ(笑)、無理しなくていいよ。お前は気の使える良い奴だから…」
一瞬悲しげな表情をクシャりと笑みで隠した青井は、“まぁそれはそれとして、お前のことは頂くけどね(笑)”と冗談まじりな声色でまたつぼ浦の肌に唇を押し付ける。
「ねぇ、キスしていい?」
『っ、ま、って、くれ、アオセン、話を、』
「待てませーん(笑)、よく喋る口はここかぁ?」
そう言ってつぼ浦の下唇に手を添えて、青井は吸い付くように柔くキスを落としてから口内にとろりと舌を入れ込む。
『ッ、ン、んふ、っ、ンぇ…、んン♡、ンッ…、』
きゅこきゅこと口内を撫でられて、言いたかった言葉も言えずにつぼ浦はまた脳内を熱に犯され続ける。
身体中が青井に触れられて嬉しいと訴えてくるのがよく分かった。
『んン♡、ッ、っ、♡、っふ、ン、っは、はぁ、はぁ、っ、ぁ、ぁぉセン、』
「なーに?、つぼ浦」
『ッ、っ…、ッ、、ぃ、いれて、…俺の、なか…、いれて、』
涙ぐむその瞳で、つぼ浦はゆっくりと青井の首に腕を回す。
期待と羞恥で胸が張り裂けそうなのを耐えに耐えて、つぼ浦は自ら青井の唇にそっと触れるだけのキスをした。
『ぁ、ぁ、ッ、っくッ…、は、はッ、ッ、アオセン、ッ、てめぇ、゙っ、でかすぎ、だろ、そんなの、ぁ、入らねぇって、ッ♡、っ、』
ゆっくりとじっくりと確実に自分の中へ押し入ってくる熱を感じながら、つぼ浦は青井の背中にザリッと爪を立ててその圧迫感に耐える。
「ふは(笑)、ごめんねぇつぼ浦、でも昔はちゃんと全部入ったからね?、…それと、もう少し身体の力を抜いて欲しいかな…」
どうしたものかと考えながら、青井はふいにつぼ浦の頭をクシャりと撫でてその真っ赤な耳元へと唇を寄せた。
「そういえばつぼ浦、行為中はどこ触ってもかわいい反応してくれてたよね」
『っ、ンなの、知るか、っ、ぁ、゙ッ♡、ちょ、っ、おいアオセン、頭撫でんな、ッ、ガキじゃねぇんだから、っ、耳も、なんかくすぐってぇし、』
「くすぐったいは気持ちいいって事だよ。つぼ浦」
耳元でそう呟いて、ふぅ〜…と温かい吐息を送ってからぴちゃりと耳の中に舌を添わせる。
『っは、ぁ、ぁ、゙んぅ、ぁ、ぁぉせ、っ♡、何してんだよ、っふ♡、っ、吸い付くなって♡、ぁ、あたまも、やめ、ッ♡、ぅ゙ぅ、ッ♡、』
つぼ浦の瞳がうっとりと瞬きを繰り返し、段々と身体の力が緩まっていくのを感じる。
「ふふ、かわいいねぇつぼ浦…、…息吸って、」
『、っ、すぅ…、はぁ…、』
「もう一回」
『ン、、すぅ…、』
「全部入れるね?」
『は、ぁ、ぁ、っふッ♡、っは、ぁっ、ッ♡♡、』
瞬間ずぷり…♡、と奥の奥まで熱い肉棒がつぼ浦の身体に押し入ってくる。
しっかりとつぼ浦の中に全てを収めた青井は、熱い息を静かに吐きながらつぼ浦の様子を眺めた。
「…大丈夫?、苦しくない?」
まだ動くことはせず、つぼ浦の腹を撫でてそっと問いかける。
『はっ、はっ、っ、はっ、ッ…、アオセン、っ…、』
「…なーに?」
『、アンタ、俺に気ぃ使いすぎだ、ッ…、苦しいのは、アンタの方だろ、』
今すぐにでも動きたいだろうに、青井はごくりと息を飲み込んで優しく笑みを浮かべるのみ。
「んー(笑)、そりゃあまぁ、俺はお前のことが好きだからね。大事にしたいんだよ」
『…、昔もそうだったのか?』
「、…昔のことはいいよ。今のお前は初めてなんだから、ゆっくり慣らさないと…でしょ?」
そう言って青井はもう一度つぼ浦の頭を優しく撫でる。
『ン……なんか、知らねぇ俺に負けた気がしてムカつくぜ』
「えぇ…そんなこと言われてもなぁ…」
緩く首を傾げて、それならばと試しに陰茎をズルりとつぼ浦から抜けるギリギリまで引き抜いて…またずぷりッ♡と一気に奥まで小突く。
『っ゙あッ♡♡、はっ♡、はっ、』
その瞬間にびりびりと身体が震えて腰を跳ねらせ、今のつぼ浦が耐えられるはずがないのを再確認した。
「うん(笑)、やっぱり今のつぼ浦じゃ耐えらんないよ。気持ちは嬉しいけどね?、すぐ意識飛ばしちゃうと思うから…、」
『゙っ、ンなことねぇ!、昔出来てたんなら、今の俺にだって出来る!、』
「自分に対抗心燃やしてどうするのよお前は…」
つくづく特殊だなぁと思いながら、青井は仕方なしにとちゅとちゅと穏やかなスピードでつぼ浦の身体を溶かす。
『んっ♡、っ、ぁ、ッ♡、だって、なんか、ッ♡、うぜぇから、♡、』
「何がうざいんですかぁ?、俺に気を使われてること?、」
『っ、違ぇ、っふ♡、ッ、ぁ、アンタを、満足させられない俺が、♡、弱くて、うぜぇ、』
「、……ふぅー…、…つぼ浦、そういうことはちゃんと好きになった相手に言ってあげるんだよ」
“いいね?”と子どもをなだめるかのように、青井は少しだけ苦しげな表情を表に出す。
『゙っ、アオセン、アンタ、♡、なんも分かっちゃいねぇ、っ♡、俺は、記憶なくても、ちゃんと、゙んっ♡、すき、なのに、なんでッ、♡、分かってくれねぇんだよッ、』
「…え?、」
緩い動きをぴたりと止めて、キョトンとした童顔がつぼ浦を見つめる。
『はぁ、はぁ、っ…、好きだって言ってんだろ、二度も惚れたって言っただろ?、憧れじゃなくて、ちゃんとアンタのことが好きなんだ』
言葉が出ない青井は、ただただつぼ浦の言葉を頭の中へと押し込んで整理を試み続ける。
『っ、空気読んでこんなことする訳ねぇだろ、こちとら男に抱かれてんだぞ?、女みたいに喘いで、こんなに恥ずかしい思いして、知らねぇ自分にイラついて、ッ、これ以上何言ったら信じてくれんだよ…、っ、クソ…埒が明かねぇな、、ッ、』
青井の首に回していたその手をゆるゆると自分の口元に寄せて、告白まがいの言葉を連ねてしまった自分にだんだんと強烈な恥ずかしさが込み上げてくる。
ぷしゅーっと蒸気が発生するのではないかと思うほど顔を真っ赤に染めて、つぼ浦はふいと青井の視線から逃れるかのように顔を横に向けた。
「…………、…、そっ、か。…、そっか。つぼ浦は、俺のことが好きなんだね」
『ッ、…だから、そう言ってんだろ、、』
もごもごとつぼ浦が呟いて、青井はそんなつぼ浦を愛おしげに見つめてそっと手を伸ばす。
「んふふ(笑)、分かった。分かったよつぼ浦、もうあんなこと言わないから、機嫌直して?」
『、別に分かりゃいい。つーか機嫌はすこぶる良いが?』
「ほんとぉ?、じゃあ顔みせてよ」
『……断る』
恐らく茹でダコのように真っ赤であろうその顔を見られたくなくて、つぼ浦は小さく首を横に振った。
「ふーん。…、だがしかしそれを断る。よいしょ、はい捕まえたぁ〜(笑)」
『ぐっ、てめぇ卑怯だぞ!、』
パシリと両手を片方ずつ恋人繋ぎで捕まえて、そのままベッドに押し付ける。
「かお真っ赤だねぇ(笑)、また恥ずかしくなっちゃったの?」
『゙っ、調子に乗りやがって、とうとう本性を現しやがったなァ?、』
「そうだね。でも俺がこういう人間だってことは分かってたでしょ?」
『…、まぁ、いっつもアンタのことは見てたからな。…、それで、アンタは俺をどうしてくれんだ?』
期待の眼差しをジトリと乗せて、つぼ浦が青井のことを見上げる。
「……お前のお望み通り、ぐちゃぐちゃに犯してあげるよ」
青井はそう告げたや否や、ずるりと陰茎をつぼ浦から抜けるスレスレまで抜いて、また奥までどちゅん♡ッと一気に熱を押し付ける。
『かはッ♡♡、』
腰はビクリと跳ね、繋がれている手にはグッとまた力が入った。
しかし青井は全く止める素振りすら見せず、ずるりと抜いてはどちゅどちゅと何度もつぼ浦に快楽の波を叩きつける。
「はいもう一回ね〜」
『っ、ぁ、っ゙あッ♡、っ、゙ぅ、ん゙ぅ♡ッ、ぁっ、゙ぁっ♡、ぇ、ぁ、゙まっ、ッふ♡♡、』
押し付けられる度に脳がショートしそうな程バチりと気持ちよさが溢れ出す。
「トントンされるの気持ちいいねぇ。奥のところ好きだもんね(笑)、あ、ぐりぐりしてあげよっか」
そう言って否応なしにぐっー…っと青井の全体重がつぼ浦の身体に重なる。
『んぐ、っ、ッ♡♡、゙ぉ゙あ…♡♡♡っ〜〜ッ♡、』
つぷりと着実に奥へと入り込んでいく感覚が気持ちよさへと変換され、つぼ浦は目元をチカチカとさせながら生理的な涙を流した。
「ふは(笑)、 泣かない泣かない。ちゃんとよしよししてあげるからね」
青井が少し力を入れて腰を押し進めれば、途端にぷちりと筋のようなものが切れた感覚が身体中に伝わる。
それと同時にぐぽりと青井の肉棒がより腹の奥へと入り込み、その中でまたぐりぐりと熱を何度も押し付けられた。
『かひゅっ♡♡、っは♡♡、ぁ、゙ぁ、♡、 』
「ん。あれ…、ねぇつぼ浦、飛ぶのはまだ早いよ?。おーきー…てっ、」
『っ゙あッ♡っ、はっ、はっ、ッ、っふ、』
肩で息をするつぼ浦の腹にはもう既に何度も射精をした後が残っており、内側から押し上げられた陰茎がぴくぴくと反応してまたゆるりと立ち上がる。
「元気だねぇ(笑)」
『はっ、はっ、はっ♡、はっ、』
今にも落ちかけそうな意識の中でじーっと青井を見つめ、つぼ浦はきゅっと握るその手に爪を食い込ませる程の力を込める。
「そうそう。頑張って起きててね」
つぼ浦の無言の頷きに笑みを漏らして、青井がまたとちゅとちゅとゆっくりなスピードで奥を突く。
『んっ♡、っ、ン、ん、♡、♡♡っ、』
しかし先程とは違い、着実にピストンのスピードが強く早くなっていくのをつぼ浦の身体は感じ取っていた。
その証拠に無意識ながらも腰を少しだけ後退させて、その快楽から逃げようと試みている。
「…、ダメだよ。全部受け止めてくれるって言ったじゃん。…。絶対逃がさないから」
それ以上逃げれぬようにとしっかり腰を密着させ、そのまま突くスピードを上げてどちゅ♡♡ぱちゅ♡♡と音を響かせる。
『ぁ、ぁ、゙ぁっ、ぁ、だめっ、♡♡、だめッ♡、それだめッ、゙おっ♡、゙ぁ、〜〜ッ♡♡♡、っへ、はへっ、やだ、ッ、♡、゙やっ♡♡、ぃッ、っ〜〜♡♡、゙っは、ぁっ、ぁっ、ぁっ…♡、』
もう何が何だか分からなくなってしまうほど、全身が快楽に蝕まれて気持ちがいい。
意地を張って欲張った行為がこんなにも醜態を晒して愛されてしまうものだったなんて、昔の記憶が蘇らずとも、十分に青井らだおの強すぎる愛が伝わってくる。
「つぼ浦、俺も出したいから抜くよ?、」
『ぇ、ぁ、っ、待って、ッ、抜かないで、♡、抜くなッ、』
ずるりとすんでのところで抜けかけた腰をガシリと両足で押さえ込んで、つぼ浦が目で訴える。
「、…、いいの?、お腹壊しちゃうよ?」
『っ、どーせアンタが、どうにかしてくれんだろ、』
「それはそうだけど…、。…じゃあ、出すからね?」
『っ、ふへ(笑)、おう、全部くれ、』
その言葉を皮切りに、青井が再度ぐーっと身体を押し付けてぐりぐりと身体を揺する。
『ぉ、ぁ、ッ♡、っ、』
「っ、っふ、ッ、ん、んっ、…♡♡ッ、〜〜♡っ」
どぷりと奥に放たれた精液は温かく熱を帯びていて、つぼ浦は喉から“きゅっ♡、”と言葉にもならないような声を漏らして息を吐いた。
「はっ、はっ、っ、…、つぼ浦、っ、ふは(笑)…あーあ、寝ちゃった…」
自分自身にカチンときてしまうほど負けず嫌いなつぼ浦が、いまは穏やかな表情を浮かべてすやすやと夢の中だ。
くたりとした身体から陰茎を引き抜いて、青井は困ったようにまたクスクスと笑みを漏らす。
「はぁ〜(笑)、まったく……、ありがとうね」
乱れた髪を丁寧に整えて、青井は後始末をゆるゆると始めた。
人の噂も75日とはよく言ったもので、青井の本当でもあり嘘でもある性悪な行為のあれこれな噂話は二、三ヶ月ほどでロスサントスからきれいさっぱり忘れ去られていた。
別の都市ならまだしも、ロスサントスでは一日の流れが余りにも早すぎる。
人との関わりの中であっという間に話題があれこれと変化するこの日常に、もはや噂話などあるようで無いに等しかった。
しかし、心の底から友人を大切に思っているオルカ・トヴォロからすれば、それは決してなぁなぁに出来るような事柄ではない。
「じー…。」
「…なぁに、オルカ」
「んー…。はっきり聞いてもいいか?」
「…いいよ?」
オルカはキョロキョロと周囲に人が居ないかを確認してから、少しだけ考える素振りを見せて口を開く。
「匠とはどうなったんだ?」
「、…知ってたの?」
「見てればわかるぞ。匠にも相談受けてたしな」
オルカは小さく首を傾げて、“で、どうなんだ?”と再度問いかける。
「んーとねぇ。寄りは戻せたよ」
「ほんとか?!、」
「うん。記憶は今もないっぽいけど…本当に戻れたんだよね」
「ぉお〜!、よかったなぁらだお!、オルカずっと二人のこと心配してたんだ!、なんか変な噂も流れてたし…、でも戻れたんだな!」
オルカは目をキラキラとさせてにっこりと笑みを浮かべる。
そんな光属性なオルカのオーラを受けて、青井は“あー…”と濁してからまた言葉を続けた。
「んーと…実はね、その噂ってやつさ、…全部、ほんとなんだよね」
「ぇ、…え?、ん゙ぁ?!、そうだったのか?!、」
「まぁ有耶無耶にしとけばいいじゃんって話にはなるだろうけどさ。つぼ浦も周りの奴らも、気を使ってか誰も詰めてこないし…」
つぼ浦に至っては“最低だ”としっかりお灸を据えてくれたものの、結局は“俺のせいでもあるだろ”と横並びに泥を踏んで笑いかけてくる。
「…オルカさ、俺の事怒ってくれない?」
「……、ン。よく分からんが、オルカは二人のこと大好きだからな。だからこれは…、うん。愛のパンチだ!、くらえ〜!らだお〜ッ!」
その言葉と共にオルカがどストレートに青井の肩をガツンと殴る。
青井はひらりと身をかわすことも無く、そのまま身動きひとつせずにバチコンと衝撃を身体に吸収した。
体力ゲージが一気にすり減ったのを感じながら、ふらりと一歩後ろに後退して息を吐く。
「゙いったぁ〜…、普通にしっかり痛いわ。効いたなぁこれは、、 」
「ふふん、当たり前だ。オルカからの愛情パンチだぞ」
「そうだね(笑)、ッ…、ありがとうオルカ」
くらりとする頭を軽く揺すって、青井は自身の腰に手を添える。
そんなこんなをしているうちにふと周囲の環境音に耳をそばだててみれば、無線にすらまだ入っていない男の声が警察署のどこかからどデカく響き渡る。
『特殊刑事課つぼ浦匠オンデューティーッ!』
「おっ!、噂をすればなんとやらだな。匠〜!、こっちだこっち〜!、おはよー!」
そしてブンブンと手を振るオルカに気がついたつぼ浦が二人の輪の中に入れば、間髪入れずに“゙あ?”と鋭い声が青井に向けられた。
『てめぇアオセン、ふらっふらじゃねぇか』
「あぁうん。そうだね」
『病院行けよなァ、病院』
「連れてってやったらどうだ?、匠」
にへらとオルカがそう言うので、つぼ浦は仕方なさげに息を吐いてこくりと一つ頷く。
『ったく仕方ねぇなァ…、ほらさっさと行くぞ』
パシリと掴まれたその手と満足気なつぼ浦の表情に“(あぁだからバレるんだなぁ)”と青井は一人納得した。
「良かったなぁ匠」
『、あぁ。…ン、まぁな(笑)』
しみじみと漏らすオルカの声にハッとして、つぼ浦は恥ずかしげに頬を引っ掻いてから笑みを浮かべる。
つぼ浦に連れられて歩く青井の背中をしばらく眺めて、オルカは一人でうんうんと盛大に頷いた。
「オルカはずっと応援してるぞ。記憶がなくたって…、うんッ。二人はきっと幸せだ!」
オルカの想いに答えるかのように、二人の間に頬を撫でるような…ふわりと優しい風がひゅるりとこそばゆく通り抜けた。
追憶我が為、君のため。[完]
コメント
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ほんっとうに好きです...!!Yuzuさんの小説いつも楽しみにしております!!
更新感謝! 今回の話もサイコー!!