テラーノベル
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ゼーレとレイが別れ、 ××年後_。
霊園 哀は….いや、菅野哀は
病院のベッドに横たわっていた。
繋がれた機械は規則正しく音を立てている。
「…..。 」
医師から覚悟をした方が良い、と告げられ
家族はベッドを囲むようにして、見守っている。
そんな場所に、場面に
死神は舞い降りた。
黒いローブを羽織り、大鎌を持っていた。
「迎えに来たぜ、__。」
そんな言葉が発せられた瞬間、菅野哀は笑ったように見えた。
鎌を対象者に向けて振った、その時_
心拍計は音を立てて、死を知らせる。
フヨフヨと漂う魂を持って、死神はその場を後にした。
空間を歪ませ、くぐった先には
反対側が見えない川があ る。
これが、人間界で言う三途の川。
生と死の狭間。
魂は徐々に人間の形へと変わっていき…
「あの日から変わっていないのね。」
ついには、話し始める。
「死神だから。」
そう言って答える、死神の顔は柔らかい表情だった。
船に何人か乗せ
ギィ、ギィと音を立てながら船を漕いでいく。
これも、死神の仕事。
渡った後は鬼による案内。
行き先は閻魔様のいる部屋。
「次、菅野哀。」
手下であろう鬼に呼ばれ、老婆は前に出る。
「こんにちは。」
判決が下される。
「天国へ行くか、死神になるか。選べ。」
「 」
「はぁー…新人死神ねぇ。」
「ため息ばっかりなのネ。後輩がそんなに嫌なノ?」
会話をしているのは、とある会社に所属する死神とその契約悪魔。
「別にそういうんじゃ_」
「ゼーレ。そろそろ黙ってくれるかい?」
話し込んでいると、上司の注意が入る。
「はーい。さーせんでした。」
部屋の扉が開くと20代前半の見た目をした女性が入ってくる。
「初めまして!私の名前は レイ。死神学校を卒業した元人間です。
よろしくお願いします!」
深く頭を下げ、上司が説明を始める。
「教育係はゼーレにお願いするよ。あれがゼーレ。」
「どーもー。」
ひらひらと手を振りながら、答える。
「…久しぶり、ゼーレ。」
「あぁ、久しぶり、レイ。
仕事が終わったらカフェに行かね?
話したいこと、沢山あるんだ。」
これは物語の、ほんの一部に過ぎない。
これからは、想像できない長い時間を生きる。
それでも、今は。
再会を果たした2人に、最大級の祝福を_。
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