テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
玖衣那 喰
399
#しょしんしゃ🔰
りと。@(つ∀-)オヤスミー
17,426
しゃけ
402
番外編 7 です。
新章 第一章 に 注意事が書かれているのでまだ読んでない方は先に其方を読んでから此方を読んでください。
この世界には、人がいる。
神がいる。
そして、妖怪がいる。
神々は人々の願いを聞き、妖怪たちは人々と共存しながら暮らしている。
そんな世界の、とある神域。
そこには五柱の神が暮らしていた。
縁を結ぶ神――**瀬麗梛。**
縁を切る神――**怜。**
嫉妬の神――**來執。**
恋愛の神――**瀬凪。**
そして。
全知全能の神――**隋星。**
五人は今日も、神殿でのんびり過ごしていた。
「……暇だねぇ。」
縁結びの神、瀬麗梛が縁側で呟く。
「平和なのはいいことですよ。」
隣で怜が本を読んでいる。
「でも暇。」
「では、人間界へ行きますか?」
「うーん……。」
瀬麗梛は空を見上げる。
「今日はここにいたい。」
「分かりました。」
即答だった。
「……いいの?」
「はい。」
「仕事は?」
「今日はもう終わっています。」
「そうなんだ。」
瀬麗梛はごろんと横になる。
「じゃあ、寝ようかな。」
「風邪を引きますよ。」
怜が布をかける。
「ありがとう。」
「総統……じゃなかった。」
瀬凪がやってきた。
「瀬麗梛ー!」
「んー?」
「お菓子持ってきた!」
「やった!」
瀬凪は隣に座る。
「今日は団子。」
「食べたい!」
「どうぞ。」
「いただきます。」
ぱくっ。
「おいしい!」
「よかった。」
瀬凪が嬉しそうに笑う。
「もう一個食べる?」
「食べる。」
「はい。」
「ありがとう。」
二人で団子を食べていると。
「……。」
來執が遠くから見ていた。
「……。」
「來執?」
「僕にもください。」
「もちろん。」
瀬麗梛が団子を差し出す。
「はい。」
「……。」
來執は団子を受け取る。
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
「……。」
「?」
「瀬麗梛。」
「なに?」
「僕にも、もう一個。」
「いいよ。」
「……。」
來執は満足そうに笑った。
そこへ隋星がやってくる。
「皆さん、ここにいたんですね。」
「隋星!」
「何をしているんですか?」
「団子食べてる。」
「僕も食べたいです。」
「はい。」
瀬麗梛が団子を渡す。
「ありがとうございます。」
「美味しいよ。」
「では。」
ぱくっ。
「……美味しいですね。」
「でしょ?」
「はい。」
しばらくして。
瀬麗梛は四人を見回した。
「……ねぇ。」
「はい?」
「みんな、僕のこと甘やかしすぎじゃない?」
「そうですか?」
怜が首を傾げる。
「だって。」
瀬麗梛が指を数える。
「怜は僕が寝たら布団かけてくれるし。」
「当然です。」
「瀬凪はお菓子くれる。」
「好きなもの食べてほしいから。」
「來執は……。」
「?」
「なんかずっと近くにいる。」
「それは僕がそうしたいからです。」
「隋星は何でも知ってる。」
「はい。」
「……。」
瀬麗梛は考える。
「やっぱり甘やかされてる。」
「嫌ですか?」
怜が聞く。
「ううん。」
瀬麗梛は笑った。
「嬉しい。」
その瞬間。
四人が少しだけ黙った。
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
瀬麗梛が首を傾げる。
「どうしたの?」
「いえ。」
怜が視線を逸らす。
「何でもありません。」
その日の夕方。
神域に、人間の少女がやってきた。
「神様……。」
「どうしたの?」
瀬麗梛が優しく尋ねる。
少女は少し恥ずかしそうに。
「好きな人と、仲良くなりたいです。」
「任せて。」
瀬麗梛が笑う。
手を合わせると。
淡い光が二人の間に伸びる。
「これで大丈夫。」
少女は嬉しそうに頭を下げた。
「ありがとうございます!」
走っていく少女を見送り。
瀬麗梛は満足そうに笑った。
「よかった。」
「瀬麗梛は、そういう顔をしている時が一番楽しそうですね。」
隋星が言う。
「本当?」
「はい。」
「じゃあ、もっと頑張らなきゃ。」
「ほどほどにしてください。」
怜が言う。
「働きすぎです。」
「えー。」
「駄目です。」
「……分かった。」
夜。
五人は神殿の庭に集まっていた。
満月が空に浮かぶ。
「綺麗だね。」
瀬麗梛が空を見上げる。
「はい。」
「静か。」
「平和ですね。」
來執が言う。
瀬凪は隣で寝転びながら空を眺める。
「こういう日がずっと続けばいいのに。」
「続きますよ。」
隋星が言う。
「どうして分かるの?」
「僕は全知全能の神ですから。」
「そっか。」
瀬麗梛が笑う。
「じゃあ安心だね。」
そして。
瀬麗梛は四人を見た。
「ねぇ。」
「はい。」
「これからも。」
「?」
「ずっと一緒にいようね。」
四人は顔を見合わせる。
そして。
「もちろん。」
「当たり前です。」
「ずっと一緒。」
「約束します。」
瀬麗梛は嬉しそうに笑う。
「よかった。」
月明かりの下。
五柱の神々は並んで座っていた。
誰かが傷つくこともなく。
神堕ちすることもなく。
争うこともない。
人も。
神も。
妖怪も。
穏やかに暮らす世界。
その中で五人は。
今日も笑っていた。
そして――
縁結びの神・瀬麗梛が結んだ最も大切な縁は。
**五人を繋ぐ、切れることのない縁だった。**
**――平和な神様世界線・完。**
コメント
7件
⋆⸜♡⸝⋆ 番外編めっちゃよかった〜! 神様たちがゆる〜く過ごしてて、でも誰かのために動く優しさが全部伝わってきた…😭💕 瀬麗梛が「甘やかされすぎ」って言ったときの四人の一瞬の沈黙が神すぎる。切れることのない縁っていうラスト、あまりにもエモで何度も読み返しちゃうよ!!✨