ガチャン。と扉が空く音がして僕は目を覚ました。
「王女、時間だ。出ろ」
嗚呼。今日が処刑の日…僕が生きれる最後の日なのか……
まぁ、ここで抵抗しても今の僕は彼には敵わない。(体格差凄いし……)
僕は………………王女は黙って着いて言った。
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綺麗な蒼空。
騒めく民衆。
綺麗な聲で鳴く鳥。
王女に不満をぶつける民衆。
1人の王女。
コツコツと響く足音。
時計台の指している時間は午後2時50分。
長針が12の位置に着いた途端、王女(僕)の命は終わる。
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断頭台に歩く王女。
1人走る少…女…?
民衆を鋭い目で見る王女。
民衆を掻き分け前に進んでいく少女…(?)
断頭台に首を載せる王女。
息を切らしながら走る少女…(?)
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現在時計は午後2時58分。
あと2分で王女は命尽きる。
処刑人は言う。
「王女。残り時間がもうない、何か神に願う事があれば今考えていろ」
神…ねぇ、呆れるよ。大の大人が神なんて…………
けど……もし、もしも本当に神様が居るのならば……
2回目の鐘が鳴る。
そういえばちっちゃい頃リリアンヌは、もし生まれ変わったら馬になりたい。って言ってたっけなぁ……
あの時僕はリリアンヌが馬になりたい理由が分からなかった。
けど、今なら分かるよ。君は嫌だったんだよね。
王宮から抜け出せないのが……閉じ込められていると言っても良いほどに嫌だったんだね…………
天真爛漫で活発なあのなリリアンヌだ。そんなこと毎日思っていただろう。
そしてその後、僕と一緒に遊びたいって言ってたなぁ
僕もリリアンヌと一緒にずーっと遊んでいたかったよ
「王女、時間だ。願うことはあるか」
3回目の鐘。
落ちてくる刃。
フードを被った少女(?)が僕の目の前に居る。
誰だろう、
少女がフードをあげる
「……………」
僕は今どんな顔をしているだろう。
笑っているのか……
泣いているのか……
真顔なのか……
悪ノ娘の顔なのか……
少女は泣いた。
少女が何かを言う。
けど僕には何も聞こえない。
何を言っているか分からない。
だから僕は……笑った。
世界が真反対だ。
少女は泣いた。
僕は…………あれ?
涙が出てこない。
どうして?
嗚呼。もう何もかも終わったんだ。
さようなら、リリアンヌ
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