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身体に付いた泡をシャワーで洗い流すと、浴槽の中へ手が引かれた。
お湯にそろそろと足を差し入れると、いつまでもずっと後ろ向きのままではと、思い切って彼と正面で向かい合った。
「こっちを向いてくれるのか?」
コクッと頷いて返す。いざ向いたのはいいけれど、お湯の中に彼の厚い胸板が揺らめいて見えて、直視も出来なかった。
「……手、外してごらん」
胸にしっかりと巻き付けていた腕を取るよう囁きかけられて、おずおずと腕をほどくと、
「……可愛い」
耳元に唇が寄せられ、低く甘い声が吹き込まれた。
彼の手が伸びて、胸の膨らみに触れると、お湯がちゃぷんと小さく音を立てた。
「あっ……」
「……僕は、君が好きすぎて、」
胸を捕らえている手の平に、ぎゅっと力が籠もる。
「冷静じゃいられなくなるようだ……」
胸の尖頭が人差し指と薬指の二本で挟まれて、「ん……」と身をよじる。
「余裕がないんだ……少しも」
性急な唇が、指で弄られ凝り固まった乳頭を含んで、背中が僅かに弓なりにのけ反る。
その言葉の通りに、こんなにも余裕のない彼の姿は見たことがなくて、
だけどそれが、『──好きすぎて』だったらと思うと、身体が芯から熱く追い上げられていくようだった。