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85 - 1年前の出来事-雪斗side

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2025年02月22日

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-雪斗side-


約1年前。


その日は梅雨入りで、土砂降りの雨だった。


中学3年生だった僕らは、いつものように学校が終わり蒼と家に帰っていた。


蒼「雪、お前中間テスト大丈夫なん?」

雪「大丈夫やと思とん?ってか蒼、このあいだ開けたピアス穴、大丈夫か?痛ないか?」

蒼「ちゃんと消毒してんで、へーき」


しょーもない会話をしながら。


雨が傘に当たってうるさい。

水たまりを頑張って避けるが、どうしても水飛沫が飛ぶ。



家に帰ると、お母さんも帰ってきたばかりなのか、ずぶ濡れで玄関に立ってた。


母「蒼、雪斗。琴ちゃんから郵便届いてんで。何やろな?」


濡れた手でお母さんが僕らに郵便物を渡してくる。


それを受け取り、僕らは2階の自分の部屋で開けてみることにした。


琴は僕らのいとこ。小さい頃から仲が良いけど、遠いから夏休みと冬休みくらいしか会えない。


早速郵便物を開封してみる。


そこには三角形のチャームがついたネックレス。


と1通の手紙。


「雪くんへ。

お誕生日、おめでとう。プレゼント遅くなっちゃってごめんね!許してちょ。

今度会う時は夏休みかな?楽しみにしてるね!ぜひともそのネックレスをつけてきて、きっと似合うから!


琴より」


僕らの誕生日は5月27日。確かに少し遅れた誕生日プレゼントだった。

でも別に僕ら連絡手段あるんやから、手紙じゃなくてもいいのにな。


蒼「なぁ雪、俺このピアスだった。琴って俺がピアス開けてんの知ってたっけ?」

雪「あーそれ僕が琴に言うたんよ」

蒼「ふーん」

雪「次、琴と会うのは夏休みかぁ。キャンプでも行きたない?」

蒼「受験あんねん俺らは。てか琴も。勉強会やな。琴に英語教えてもらえ」


2人で話しているとお母さんが割り込んできた。


母「誕生日プレゼントもろたん?ちゃんとお礼の電話しときや〜」


電話、するか。


スマホで琴に無料通話を発信してみる。


3コール目くらいで琴は出た。


琴「はいはいもしもし〜」

雪「僕ら双子からの電話やでぇ」

琴「わかってますでぇ」

蒼「琴、誕プレありがとなぁ」

琴「絶対あんたら2人に似合うから!それで女の子にモテまくり!良かったね!」

雪「好きでもないやつにモテても嬉しくないねん」

蒼「まぁ、でも、大切にする」




琴「大切に、してね」










次の日、琴は学校の屋上から飛び降りた。

自殺だった。








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