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―わたし、花美 ありす。
朝、家を早く出て、本屋さんに来たよ。
昨日、あいしからおすすめされた本を
今日は買いに来たんだよ。
タイトルはたしか………
…あった!
よーし、買おーっと!
レジへ向かおうとしたとき、
わたしは無意識に足を止めていた。
神笑くんが居る……!
そして、素早く本棚に隠れた。
…なんでわたし、隠れてるんだろ
って、そろそろ買わないと!
学校に遅刻しちゃうよ〜!
♡
教室に入った。
やっぱり神笑くんはいない。
ふぅ、ちょっと落ち着こう。
ガラッ
教室の扉が開いた。
入ってきたのは神笑くんだった。
ちょ、ちょっと!?
わたし今、教室入ったばっかなのに!
まだ落ち着いてないよーっ!
二分後ほど経つと、先生が
教室に入ってきた。
「みなさん、おはようございます!
早速ですが、席替えをしようと思います。
席替えはくじ引きです!」
先生はそういって、箱を持ってきた。
みんなが順番にくじを引いている。
わたしの順番がきた。
神笑くんの隣になれますよーにっ!
そう思いながらくじを引いた。
あそこの席だね。
わたしは席に移動した。
すると、くじを引いた神笑くんが
わたしの隣に来た。
え、え、まさか!?
となりーーーーーっ!?
四限目後…
…神笑くん、お友達とお話してる。
かっこいいな……。わたしも話したいな…。
……ちょっとお手洗いに行こうかな。
髪、結び直したいし。
わたしは神笑くんの後ろを
ゆっくりゆっくり通った。
すると――
―「ちょっと待って」
突然誰かに手首を掴まれた。
「えっ!?」
振り返ると、神笑くんが
わたしの手首を掴んでいた。
「……っ!」
「背中に虫が………」
む、虫!?
わたしはとっさに背中を見た。
「ひっ……!ひゃあああ!」
背中には、大きい虫がついていた。
わたしはびっくりしすぎて、
無意識に誰かに抱きついていた。
「…あ、えっと…」
見上げると、神笑くんの
真っ赤なお顔があった。
「へっ!?あ、ご、ごごめんなさいっ!」
わたしは頭が真っ白の状態で
大きな声で謝った。
だ、だって、神笑くんに
抱きついちゃったんだもん……!
恥ずかしいよ………っ
「「ぐぅ〜」」
!?
神笑くんと同時にお腹なっちゃった!
恥ずかしいよ……………
「あ、良かったら一緒にお昼どう?」
「…! ぜ、ぜひ……っ!」
わたしは神笑くんと食堂へ行った。
「お名前、なんていうの?」
「わ、わたし、花美 ありすです!」
「ありすちゃん…かわいい名前だね」
「僕は、神笑 桃輝!
よろしくね、ありすちゃん!」
きゅんっ!
笑顔がとっても素敵!
嬉しすぎて思わず、
「知ってます!」
「…え?」
……と言ってしまった。
しばらく気まずい空気が流れ、
そんな空気を消し去るように
神笑くんが言った。
「あ…ね、ねぇ?趣味とかあるの?」
「趣味、ですか…?………趣味は、
アフタヌーンティーです…!」
「そうなんだ!僕も、たまにお店に行って、アフタヌーンティーするよ!」
そこから話が弾み、
「花園学園のカフェテリアにある、オムライスが美味しいらしいよ!」
「そうなんですね!」
ていうか、
神笑くんとお話できるなんて夢みたい…!
しかも神笑くんとお話するの、楽しい!
「ここだね、カフェテリア」
「わぁ、綺麗…!おしゃれ…!」
まるで、おしゃれなレストランのような雰囲気のカフェテリアだった。
花園学園生活 初めての食事は、
神笑くんと一緒にすることになった。
「メニューどうぞ」
「ありがとうございますっ!」
「どれにする?」
「神笑くんがさっき言っていた、
オムライスにします!」
「じゃあ僕もオムライスにしよう!
あと、名字呼びじゃなくて、名前呼びでいいよ?」
…!?
まさかの名前呼び!?
たしかに、神笑くんもわたしを
名前呼びしてくれてたし…
「うん、じゃあ、桃輝くんって呼びますね…!」
わぁあ、ちょっと恥ずかしい…
でも、少しは距離縮められたかな?
嬉しいな……!
それから、神笑くん…ううん、桃輝くんと
オムライスがのった トレイを持って
窓際の席についた。
「うわぁ…!美味しそうすぎます…!」
「ね、美味しそう!」
わたしが目を輝かせていると、
「ねぇ、タメ口で話さない?
さっきからワガママばっかりごめんね。」
た、タメ口…!
この一日ですごく距離縮められている
気がするよ…!
桃輝くんとタメ口でお話するとか
本当に本当に夢みたい…!
「うん!もちろんだよ」
「……ありがとう!」
ぎゃっ!不意打ちキラキラスマイル!
心臓に悪いよ…!
「さっき、ありすちゃん言っていたような気がするんだけど、僕たち、どこかで会ったことあるよね?」
「…えっ?」
も、もしかして――