テラーノベル
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静寂。
誰も動けなかった。
ただ一つの言葉だけが頭の中で響いている。
**『未来を隠した理由は、未来を守るためじゃない』
そんなはずがない。
こさめはそう思った。
だって。
今まで見てきた記憶では。
未来を守るために戦っていた。
未来を助けるために。
未来を一人にしないために。
それなのに。
違う?
🦈「……どういうこと」
こさめが呟く。
返事をしたのは過去だった。
過去「だから言った」
瞳が細められる。
過去「真実はまだ残っている」
未来の少女は俯いている。
らんも黙っている。
すちも何も言わない。
まるで。
みんな薄々気づいていたみたいに。
過去「行こう」
過去が扉を見る。
過去「最後の記録だ」
青い光が揺れる。
巨大な扉は完全に開いていた。
向こう側には。
白い世界が広がっている。
あの日の中心。
未来消失事件の核心。
そこへ続く道。
こさめは一歩踏み出した。
すると。
服の裾を掴まれる。
未来だった。
瞳が揺れている。
未来「行くの?」
🦈「うん」
未来「……怖い」
小さな声。
こさめはしゃがみ込む。
そして。
優しく頭を撫でた。
🦈「こさめも怖い」
未来が目を丸くする。
未来「怖いの?」
🦈「うん」
正直に答えた。
🦈「でも知りたい」
未来はしばらく黙る。
それから。
小さく頷いた。
未来「じゃあ一緒に行く」
その言葉に。
こさめは笑った。
🦈「うん」
二人は並ぶ。
その後ろに。
すち。
らん。
過去。
なつといるまも続く。
そして。
全員で扉の向こうへ足を踏み入れた。
白い世界。
だけど。
前に来た場所とは違う。
ここは記憶の中だ。
空がある。
風がある。
そして。
真っ赤な夕焼け。
世界が崩れている。
未来消失事件当日。
その中心だった。
遠くで警報が鳴る。
塔が崩れている。
未来の光が暴れている。
全部。
今まで断片的に見た光景。
だが今回は違う。
最後まで見られる。
誰も知らない結末を。
🌸「……いた」
らんが呟く。
全員が前を見る。
そこにいた。
過去のこさめ。
未来の光の前に立っている。
そして。
その向かいには。
若い頃のすち。
若い頃のらん。
過去。
全員が揃っている。
今まで見た記憶の続きだ。
🍵『だめだ』
若いすちが言う。
🍵『他の方法を探そう』
🦈『時間がない』
過去のこさめが答える。
🦈『でも』
🦈『大丈夫』
またその言葉。
いつもの言葉。
だが。
今度のすちは首を振った。
🍵『大丈夫じゃない』
声が震えている。
🍵『こさめちゃんが消えるかもしれない』
静寂。
未来の光が揺れる。
崩壊音が響く。
世界が限界を迎えている。
その時。
過去のこさめは少し困ったように笑った。
🦈『やっぱり気づいた?』
若いすちの顔が歪む。
🍵『当たり前だよ』
🦈『そっか』
その返事だけで。
全部分かってしまった。
最初から知っていたのだ。
自分が消える可能性を。
それでも。
決めていた。
🍵「……」
現代のすちが目を閉じる。
見ていられないように。
そして。
過去のこさめは振り返った。
未来を見る。
泣いている未来を見る。
🦈『ごめんね』
未来が首を振る。
未来『いやだ』
🦈『うん』
未来『いやだ』
🦈『うん』
未来『一人になりたくない』
その言葉に。
過去のこさめは少しだけ黙った。
そして。
静かに言った。
🦈『だから』
みんなが顔を上げる。
🦈『だから未来を隠すんだ』
静寂。
その言葉に。
現代のこさめも息を呑んだ。
何かが違う。
今までの説明と。
過去「……違う」
過去が呟く。
記録の続きを知っているわけではない。
なのに。
何かに気づいたようだった。
そして。
過去のこさめは続ける。
🦈『未来を守りたいんじゃない』
全員が固まる。
🦈『未来を消したくないんだ』
世界が静まり返る。
未来の少女が涙を流す。
過去のこさめは笑った。
優しく。
寂しそうに。
🦈『だって家族だから』
その瞬間。
こさめの記憶が弾けた。
全部ではない。
でも。
最も大切な記憶が。
未来は管理対象じゃなかった。
道具でもなかった。
力でもなかった。
ずっと一緒にいた。
笑って。
泣いて。
怒って。
寂しがって。
みんなで育てた。
大切な存在だった。
家族だった。
🦈「……あ」
涙が零れる。
自然に。
止まらない。
未来も泣いていた。
同じように。
三千年前と同じように。
その時。
記憶の中の過去のこさめが。
突然こちらを見た。
あり得ない。
これは記録のはずなのに。
まるで。
未来の自分たちが見えているみたいに。
そして。
笑った。
🦈「やっと思い出したね」
静寂。
全員が凍りつく。
記録の中の人物が。
こちらへ話しかけている。
🦈「ここから先は記録じゃないよ」
その瞬間。
世界が大きく揺れた。
空が割れる。
赤い空の向こうに。
巨大な影が現れる。
未来よりも大きい。
世界そのものより大きい。
その存在を見た瞬間。
過去の顔色が変わった。
らんが息を呑む。
すちも固まる。
そして。
過去のこさめは真っ直ぐその影を見上げて言った。
🦈「こいつが」
静かな声。
でも。
はっきりと。
🦈「未来を壊そうとした人だよ」
そう言って微笑んだ
その瞬間。
三千年間隠されていた事件の黒幕が。
ついに姿を現した。
コメント
4件
すい〜♡ 久しぶり!!!!! 黒幕来んなよぉ!!!!!Go home!!!!! なんかさぁ、泣きそうになんねんけどw めっちゃいい話やぁ⋆✧ 。(*ˊᗜˋ)。✧⋆ 大好き♡
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翠玲
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