待合室で本を読んでいると。桃色の髪でボブの上の髪に比べて細く伸びた襟足を結んでいる。天使の子が同じような髪型で、違うのといえば黒髪。そんな悪魔と天使の双子の患者が。待合室で同じように待っていた。すると、「夏都 彩斗さん、診察室1番にお入りください」と声が聞こえてきた。しかし、今日は1番は誰も入っていない……。まさかと思い、2人を引き留めた。僕は、能力をあまり使わないようにと言われているのだが。こんな時は体が動いてしまう。腰の辺りから尖った触手を出し。診察室1番へ入っていった。すると、舞冬《まふゆ》さんが。悪霊と対峙していた。すると、悪霊は僕の能力を模倣したのが同じ触手を出し。舞冬さんの腹を貫いた。そして、その場に倒れ込んだ舞冬さんに。触手を向けた。僕は、体が動き。咳をしつつも彼女を抱き抱え後ろへ飛んだ。悪霊を威嚇したのか、僕の方へ触手を向けるが。そんなことは関係ない。僕は時計を取り出し「停止」と言い放った。すると周りの時間は止まり。僕だけの空間《時間》が訪れた。そして、彼女をゆっくり床へ下ろし。ナイフを取り出し投げた。あまり56す事を良しとしない僕でも、身の回りの人を傷つけられるのは。
嫌だったのだ。
そして、「解除」と言いきった時僕は気を失った。
気が着くと白い天井、壁……。腕を見ると点滴に繋がれて。またやってしまったのだと酷く自分を追い詰めてしまう。すると、舞冬さんが病室に入ってくるやいなや。僕の方へ早足で近づき、僕の頬を強く叩いた。僕は赤くなったであろうほっぺを抑えながら、彼女の方を見ると顔を真っ赤にして。
「あんた!あれで死んじゃってたらどうするつもりだったのよ!」
と涙を浮かべながらこちらを見ていた。そして、咳き込みとともに医院長がこちらを見ていた。どうやら医院長は最初からいたようだ。僕らのこの雰囲気を見てニヤニヤしている。本当にこの人は……。
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