「ダメだぁ………!!」
落胆の声を上げ、地面に寝転ぶ
数十分くらい探して見たけど1ミリも見つからない
そもそも誰から貰ったか、それすら覚えてない物だ
なのに忘れられない
いや、忘れてはいけないものだと感じる
「意外とこの池深いしなぁ…………砂もさらさらしてんのか重いのかよく分かんないわ………」
濡れた眼鏡を拭きながらが呟く
その時、視界に黒いモヤが見えた
「はぁ!?」
バサバサと音が聞こえ私の眼鏡が手元から消えた
眼鏡越しに少しだけ見え、カラスが眼鏡を奪っていき、木の上に着地した
「返せバカ鳥ー!!」
怒ってもカラスは知らんぷり、もういい、自分で取りに行く
ため息を着きながらカラスの止まっている木を登って行く、意外とむずいなこれ
一応跳び箱10段飛べたから行けるでしょ、と思い所々ジャンプで登っている
正直言って木の上でジャンプするのバカ怖い
だってこの木5mあるもん
カラスと一段下の木の上に乗り手を伸ばす
メガネを掴んだ、と同時にカラスが逃げるように飛んでいった
ざまぁみろと思っていたら、足場が不安定に揺れる
揺れの反動は私の方にも来るもんで、そのまま私は落ちた
「(これやばたにえんじゃね………?)」
なんて呑気に思考する私の頭の上には池
それに為す術なく、私は頭から池に落ちた
「(ヤベッ……!水大量に吸い込んだ!!)」
口の中に水があると呼吸ができない、器官に水が入り噎せるのダブルコンボ
正常な判断が出来ないままただ藻掻く事しか出来ないでいると、1つの影が見え、引き上げられる
「カハッ……!」
まだ眼鏡がないというのもありぼんやりとする、そうしてる間に岸に引き上げられた
「ゲホッゴホッ…!オェェッ……!!」
口元にまだ水の感覚があり、とても女とは思えない汚い声が出た
「うわ………」
「引くんじゃねぇっ……!!」
まだ咳き込みながら助けれくれた人に言い返す
「ほら、これアンタのっしょ?」
「あ、ありがと………」
どうやら私の眼鏡も取ってくれてたらしい、感謝を述べて眼鏡を掛ける
視界には2人の男の子と1人の女の子がいた
1人は小柄でフードを頭に被ってジト目、隈のような下まつ毛に長めの前髪で薄紫から白のグラデ髪
2人目は小柄な子の後ろに立っており白い学ランに紫のTシャツ?あ違うわ多分セーターや、光の無い赤い目とオールバックの大柄な子
3人目は紫色の目で髪は黒から紫のグラデ髪ロング、白いメッシュの女の子
3人目の子なんか見た事あんな………
「大丈夫ですか?」
「あぁ、うん、大丈夫だよ」
「お前、なんであんな高い所にいたんだ……?」
「カラスに眼鏡取られたんだよね〜……」
「うわぁ、おつかれっしょ………」
「てか君達誰?」
聞いた所小柄な男の子は蛇山チアキで大柄な子は三又義ノズチカ、女の子は百姫 キアネ(ひゃくび)と言うらしい
「それにしても……………」
「あの………」
「はいはい?」
「そろそろ時間が……」
「確かにそうだな………」
「あーマジ?ごめんね引き止めて」
「別に良いっしょ」
「あざ〜ばいちゃ〜」
3人は用事があるらしく緩い挨拶を告げて分かれた
チアキ視点side
「………おかしいっしょ」
「そうじゃなぁ」
歩きながら違和感を発した僕に古風な喋り方でキアネが同意した
「あんなに広い森に1人でいるのもおかしいが……何より外から見てあんなに高い木は無かったぞ………?」
「何より今は夕方なのに上を見た時一瞬見えた空は、『昼間の様に明るかった』」
「………アイツ、人間じゃないっしょ?僕らを取り込もうとしてたって事?」
「でも違和感があったわ」
「違和感……?」
「悪気や悪意は一切感じなかったし、それにわたしから見てまるで『生きてる人間みたいな思考をしてた』」
「どういう事?」
「僕基本的に嘘とか分かるんだけど、あの人は裏表どころか全部本音で話してた……」
そんな事有り得るのか?人間でも嘘をついて話すのに、でも見た感じ馬鹿そうだったし有り得るかも……なんて辛辣な事を考える
「なんというか……………」
「まるで”死んでる事に気付いて無い”見たいって感じね…」
「………………また今度見てくるか」
ノーズがそう言った頃にはもう体育館倉庫前だった
「楽しみが増えるといいのぉ」
不敵にキアネが微笑んだ
キアネさんの設定
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コメント
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詐欺師より、中二病の方が嫌なきあねぇだぁ~w
5mから落ちるとめちゃくちゃ痛いぞ……マジで痛いぞ……内臓破けるかと思うぞ……