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「Ring、どう?」
「似合ってるじゃん!超クール」
僕たちは洋服屋さんで服選びをしていた。
Ringには「気になる人に会うため」と伝えているけれど、本当は違う。
(ほんとはRingにプロポーズするため……)
そう思うと顔が熱くなる。
僕はRingが好き。親友としても、恋愛対象としても。
「あ!あれめちゃくちゃかっこいい!Spawn着てみたら?」
「ほんとだ…着てみようかな」
Ringが指さしたスーツはホワイトにブラックのネクタイがよく魅せられているものだった。
「どうかな、?」
試着室から出てRingにそう訪ねると少しの沈黙の後
「今まで着た中で一番似合ってる!!!!」
そう興奮気味に言ってくれた。
「これ買う」
「マジ!?じゃあ会計行くか!!」
僕よりはしゃいで手を握ってカウンターへ向かうRingに、僕も嬉しくなった。
「じゃあまた明日な!」
「うん、また明日」
服を購入して店を出た僕たちは解散した。
帰りに花屋に立ち寄ってプロポーズ用の花束を買った。オレンジ色に統一された花束に彼の顔が浮かぶ。
「楽しみ……」
花束を優しく抱きながら家に帰った。
プロポーズ当日、日が沈む頃にRingを昔よく遊んだ海辺に呼んだ。
「あれ、今日気になる子に会うんじゃなかったのか?」
困惑した様子の彼に僕は膝をついて花束を差し出した。
「Ring、__僕と付き合って欲しい」
冷たい風が肌に当たり、暗いせいか彼の顔があまり見えなかった。
「Spawn……」
心臓がバクバクした。断られる、?嫌われる、?
怖くて目をつぶった、情けなかった。
_生暖かい感覚が唇に伝わった。
(……?)
恐る恐る目を開くと、Ringが目の前にいた。
彼の瞳は涙で潤って声も震えていた。
「俺も、Spawnと付き合いたい」
その言葉に一気に心拍数が上がった。
「それって」
「付き合おう、Spawn」
嬉しくて声が出なかった。Ringは僕に抱きついて号泣していた。
「本当は、お前が他の子に会うために服を買いたいって言った時、すごい辛かった、俺は勝手にお前は俺だけの親友だって思ってた」
Ringにもそんな感情があったんだ、と僕は驚いた。
「でも、良かった……俺のための服だったんだ……嬉しい……本当に嬉しい…」
泣きじゃくるRingに僕は優しく口付けをした。
「好きだよ、Ring」
「俺も好き、大好きだよSpawn」
綺麗にライトアップされた海辺が、僕たちを優しく照らしていた。