テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
続き
じゃあな、炭治郎! お前は俺の最高のダチだ!」マイキーが満面の笑みで手を振る。「皆さん、お元気で! 自分の心を信じて進んでください!」炭治郎が眩しい笑顔を返した瞬間、彼の身体が淡い光に包まれ、大正時代へと引き戻されていった。――それから、数週間後の現代。「おいタケミチ、これどういうことだ?」溝中五人衆のたまり場で、アッくんが1本の動画が流れるスマホをタケミチに突きつけた。画面の中で、東卍の特攻服を着たマイキーが、真剣な顔で木刀を構えている。「すーーーう……はーーーあ……」ものすごい勢いで息を吸い込み、吐き出すマイキー。そして次の瞬間、目にも留まらぬ速さで木刀を振り下ろした。「東卍の呼吸・壱ノ型――無敵・蹴り斬り!!」ドガァァン!! と、巨大な丸太が真っ二つに叩き割れる。「……マイキー君、何やってんの!?」タケミチは目玉が飛び出そうなほど驚いた。動画の再生数はすでにミリオン超え。コメント欄には「神業」「エフェクトなしで火花見えた」と大絶賛の嵐。どうやらマイキーは、炭治郎の見よう見まねで本当に「全集中」をマスターしてしまったらしい。「マイキーの奴、すっかり炭治郎の呼吸にハマっちゃってさ。東卍の幹部全員に『全集中』の特訓を強制してんだよ」ドラケンがため息をつきながら、バブ(バイク)に乗って現れた。「えええ!? ドラケン君たちもやってるんですか!?」「おう。三ツ谷は『仕立ての呼吸』とか言って爆速で特攻服縫ってるし、千冬は『ペヤングの呼吸』とか意味不明なこと叫んでる。正直、めちゃくちゃ疲れる」そこへ、背後から「すーーーう……!」と激しい呼吸音が聞こえた。振り返ると、マイキーが真顔でタケミチを睨みつけている。「タケミチ。お前、呼吸が乱れてんぞ。そんなんじゃヒナを守れねぇぞ」「マ、マイキー君……!」「ほら、お前も吸って吐く! 全集中だ!」「ひえぇぇ! 炭治郎君、助けてくれぇぇ!」渋谷の空にタケミチの悲鳴がこだまする。鬼はいなくなった。けれど、炭治郎が残した「諦めない熱い魂(と、おかしな呼吸法)」は、現代の東京卍會の中に、確かに生き続けていた。(終わり)
コメント
1件
ああ、この最終話、めちゃくちゃ好きです。マイキーが本気で「全集中」を習得しちゃって、東卍全体に呼吸法を広めてる光景がもう完全に笑い話になってるのに、キャラ崩壊じゃなくて「ああ、確かにこの二人ならそうなるな」って納得させられるのがすごい。「仕立ての呼吸」とか「ペヤングの呼吸」とか、細かいギャグのセンスが光ってますね。クロスオーバー作品としてのバランスが絶妙で、読後感がとにかく温かい。yuna🌸さんのキャラクター理解の深さを感じる一編でした。
79
1,562