テラーノベル
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掴まれた腕が冷たい
なんでこれほど冷たいのだろうか
「‥‥お前まだここにいたのかよ」
「ご馳走のお礼をしてからと思ったから‥‥それより体大丈夫なんですか?」
「さぁ‥‥風邪じゃない?」
「風邪?」
俺はもう片方の手で額に触れた
「‥‥触んなよ」
「でも熱はないみたいだな」
汗は浮かんでるのに額までも冷たい
それにしても綺麗な赤い瞳だ
見つめていると吸い込まれそうなくらい‥‥
「そう言えばお前の名前は?」
「俺は‥‥小柳ロウです。あなたは?」
「俺は葛葉」
「え?」
「なんだよ」
「だってさっきの召使の子はサーシャ様って‥‥」
「あれは実家で呼ばれてた愛称だよ。こっちでは葛葉なんだ」
「こっち?」
「そう。こっちでは」
「どちらからいらしたんですか?」
「‥‥魔界」
魔界?
と言うことはこの人は魔界人?
「なんだよ。吸血鬼見るのは初めてか?」
「吸血鬼なんですね‥‥俺、初めて会います」
「そう言うお前も人間とは違う匂いするけど?」
「俺ですか?俺は‥‥白狼です」
「ふーん、狼か。それにしては獣臭くないな」
「さぁ、自分ではちょっと‥‥」
俺達が話していると召使が部屋に戻って来た
手には氷嚢やタオルを携えて
「俺‥‥ここにいても邪魔になりそうなのでこれで‥‥」
これ以上ここにいても俺に出来ることはない
病気なのならば医者に診てもらうほうが良い
「まだ外は危ないかも知れないから気を付けて行けよ」
「サ、サーシャ様!」
葛葉さんが見送りの言葉を発すると召使は慌てて葛葉さんの服の袖を摘んだ
葛葉さんは既に目を瞑っている
俺はその状況が飲み込めず、とりあえず二人に向かいお辞儀をして帰ろうとした
「待って下さい‼︎」
そう言って召使が俺の元に走り出し、俺の腕を掴んだ
俺はますます状況が飲み込めない
「おい‥‥そいつの腕を離せ」
「嫌です!だって‥‥サーシャ様‥‥」
「離せって言ってるだろ」
「‥‥嫌です!」
召使が俺の顔を見る
何が一体起きているんだ?
「お客人‥‥あの‥‥お願いがあります」
「お前、主人の言うことが聞けないのかよ」
「お客人!サーシャ様をお助け下さい!」
「え‥‥俺が?」
俺は医者ではない
そんな俺にどうしろと言うのか
「そのためにもてなした訳ではないですが‥‥お願いです!サーシャ様を助けると思ってその‥‥」
必死に頼み込む召使
ベッドでは参った様子の葛葉さん
俺に何が出来ると言うんだ?
10,906
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コメント
3件
召使い可愛いな、小柳にさり気なく気をつけてって言ってる葛葉さんイケメン 次回も楽しみにしてます!