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「本当に失礼なお願いだと承知しております‥‥でもあなたしか頼れる人がいないんです」
「いや、でも俺にはなんの知識もなくて‥‥」
「今必要なのは知識ではなくて‥‥その‥‥あなたの‥‥血が‥‥」
「え‥‥血?」
そうか
吸血鬼だもんな
それで俺の血が欲しいと‥‥?
「そうです!血を吸われても死ぬことは無いですし、ちょっとチクっとするだけ‥‥だと思いますから‥‥だからお願いします!」
「お願いしますって言われても‥‥」
「このままじゃサーシャ様は死んでしまいます!」
「いやでも‥‥いつもはどうしてるんですか?」
「いつもは吸血しておられません。でも今回は‥‥この蒼い月が出るとされる100年に1度の今回は‥‥どうしても血が必要なんです」
この家で施しを受け、俺が彼を助けられるのにこのまま見捨てるのは俺の流儀では無い
だが不安がない訳でもなく‥‥
チラッと葛葉さんを見ると、ヘッドボードに体を預けて俺を見ていた
「俺は‥‥ただ血を抜かれるだけなんですよね」
「そうです」
「他に何か体に異変はあるんですか?」
「それは‥‥ないと思います。すいません、かなり前の記憶で‥‥でも大丈夫だったと記憶してますから」
そして葛葉さんも口を開いた
「無理には頼まない。でも‥‥出来たら少し分けてくれたらありがたい」
先程まで拒んでいたのに、どうやら本当に困っているのだろう
ならば助けてあげたい
何故だか気にかかるこの男の事を‥‥
「良いですよ‥‥俺が出来るのなら」
「本当ですか⁈あ、ありがとうございます!」
「良いのかよ‥‥どうなるか知らねぇぞ」
「えっ?」
「サーシャ様‼︎せっかく協力してくれるって言って下さったのに何て口の聞き方ですか!」
「ふん‥‥サンキュー」
「‥‥いえ」
彼はどうしても一言口を挟まないといけない性分なのだろう
「それでは風呂の準備をして来ますね!えーと‥‥」
「小柳です」
「小柳様!」
そう言えばずっと連戦で体も汚れていたかも
何日か振りの風呂に入り、用意されたローブを身に纏う
服は洗濯され、只今乾燥中だ
葛葉さんの部屋に向かうと彼はベッドに腰をかけていた
「あの、風呂上がりましたけど他に何かする事ありますか?」
「いや‥‥ないよ」
俺が葛葉さんの方に歩き出すと、彼も立ち上がり俺の前まで来る
少し俯きがちに俺の前に立つと彼は両手で俺のバスローブの襟元を開いた
ただ血を吸われるだけ
それなのに鼓動が速くなる
これが恐怖からなのか
それとも別の感情なのか‥‥
俺は大きく深呼吸した
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コメント
10件
最高です!吸血って見る小説や漫画によって副作用のようなものがかなり変わるので楽しみです!