中途半端なところまでしかないです> <
続き思いつきませんでした🥹՞
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カーテンを閉めてエヤコンの電源を切る。
外に干した洗濯物を取り込むのは帰ってからでもいいかと靴を履いて家を出た。
一人暮らし故に何時もは言わない「行ってきます」の言葉をその日は何故か口にしたくなって誰もいない部屋へその言葉を投げた。
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あまり誇れるような人生を送ってこなかった。語りたくなるような人生などなかった。
強いて話題をあげるなら同性の人と付き合ったことがあること、そしていじめを受けたことがあるというくらい。
どちらもあまりいい思い出ではない。
時が経てば笑って話せる日が来るのだろうかと何度も考えた。…けれどそんな日はきっとこない。もはやトラウマとなったそれは数年経った今でも時折フラッシュバックされては俺を苦しめる。
人間不信になってしまう程に、二度と恋などしたくなる程に。
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眠っていたのか、気を失っていたのか、目が覚めたら真っ暗だった。
いくら待てど視界は暗闇の中に居るままで拘束具によって動かない手で確認せずとも目隠しをされている事は容易に想像が着いた。
何がどうしてこうなったかのか分からずここに至るまでの記憶を思い出す。
思い出したのはバイトが長引いて帰りが遅くなったことそして帰り道突然頭に衝撃が走ったこと。
拉致監禁されているというのが正解だろうか。
けれどなんのために?
ただの一大学生を拉致して何になる。
姿の見えない犯人に怯え、知らずのうちに心臓の鼓動は早くなっていった。
足の擦れる音。だんだん近づく気配。キィと音を立て開かれた扉に息を飲んだ。
「あれ、起きてた?おはよう莉犬」
その聞き覚えのある声に。トラウマでしかないその声に、フラッシュバックするあの日の思い出に全身に鳥肌がたっている。
顔なんか見なくてもわかる。もう2度と聞きたくもないと思っていたその声。俺の人生を狂わせた人間の声。
ヒューヒューと正常では無い呼吸音が自分の喉から出ていることに気がついた。
頬を優しく撫でた犯人のその手はそのまま目隠しを外した。そこにいたのは悪役のように笑う 彼 だった。
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高校生の時男子生徒に告白をされた。中性的な顔立ちをしている自覚はあったけれど同性に告白をされるのはそれが初めてだった。
相手はたまに噂を聞く女子に人気の男子生徒。顔と声がかっこいいとうちのクラスでもよく聞いた。けれど俺自身とはなんの関わりもなく噂をよく聞く人程度の認識だった。
だから告白をされる理由が分からずドッキリを疑い断った。
そこで終わると思っていたけれどそんな予想は外れ毎日のように俺に好きだと伝えてくるその男子生徒。
痺れを切らした俺は試しにと付き合うことを約束した。
そこそこ上手くいっていたように思う。好きだと言葉を沢山伝えてくれる彼に俺を心を許し初めていた。
試しに付き合い出して1ヶ月。本格的に付き合うことになった。
そこからが地獄の始まりだった。
最初はちょっとした違和感。そのどれもが考えたら可笑しいと分かるものなのにそんなはずないと言い聞かせて心を誤魔化した。
けれど誤魔化し切れなくなったそれは目に見えて現れ始めた。席への落書き上履きを隠され教科書を破られる。そんな典型的ないじめ。
誰がやってるのか分からない。でもまぁ彼は元々人気だったんだ。俺みたいなのとが彼と恋人関係なんかになったことが許せない女子生徒だろうと自分を納得させていた。
どれだけいじめで心が折れそうになって落ち込んでいても、そんな俺に気がついてどうしたの?の優しく言葉をくれる彼が居る。大丈夫だよ俺がいるよと抱きしめてくれる彼が居る。
だから大丈夫。と彼に依存していくことで自分を保った。
保っていたのに。
聞いてしまった。彼が。彼自身が、俺を虐めるように命令していた事。どうしたの?などと言いながら優しい言葉を掛けておきながら俺がいるよと抱きしめておきながら全部全部彼自信が仕向けていたこと。
はっきりと。この耳で。
嘘だと信じたくなってしまうのは仕方がないことで、毎週金曜日の放課後一緒に学校から帰りそのまま彼の家に泊まる今となっては日課となった日、
彼の家に着いた俺たちはいつも通りのんびり…なんてする余裕は俺にはなく着いてそうそう聞いてしまった。
「俺のこと…いじめるように指示してたの本当..?」
「ねぇ全部全部嘘、だったの?」
我ながら馬鹿だったと自覚をしている。相手の家で聞くことではなかったと今ならはっきりと分かる。
せめて「そうだよ?俺が全部命令してた。」と躊躇いも無しに返って来た時にでもその違和感に気がついて家を飛び出すべきだった。
膝から崩れ落ちた俺に目線を合わせて続けた彼がどうしようもなく怖い。
「莉犬に依存して貰うにはどうするのがいいかなって考えたんだよ。ただ甘やかすだけじゃ莉犬は俺に依存してくれない。それなら俺以外の人に敵になって貰うしか無いだろ?」
「全部全部俺と莉犬のためだよ」
「ずっとずっと莉犬を見てた。ここまで好きになった人は初めてなんだ。手に入れる為ならなんでもする」
想定と違ったその言葉は頭に上手く入って来なかった。傷ついても大丈夫なように頭で何度もシュミレーションした。遊びで告白された可能性、全部ドッキリだった可能性、自分のせいでいじめられているのにそんな自分に泣きつく哀れな男を見て楽しんでいた可能性。そんな妄想をして想定をしてどんな言葉が来ても大丈夫だと腹を括ったのに。
依存して欲しかったから?好きなのに酷いことをしたの?
「何も言えなくなっちゃた?」
「俺のこと嫌いになった?」
「でもそんな莉犬もかわいいね」
今更とんでもないやつに好かれていた事実を知った。
抱き抱えられそのままベッドへと投げられた。何度も行為をしてきたそこ。何をされるのか容易に検討がついて暴れもがいて見るも体格差故に逃げることは叶わなかった。
降り注ぐキス。何度も触られ犯された身体は言う事を聞いてはくれず全部彼の思惑通りに反応してしまう。
気を失うまで犯され、気を失っても犯され続け、今までの優しさに溢れた行為とは違う乱暴さの滲む行為に何度も涙を流し吐きながら終わるのを待った。
どれくらい犯されていたか分からない。気がついたら汗やら精液やら吐瀉物やらの滲む布団に1人ぼーっとしていて、虚無感のようなものが心を満たしていた。あいつはどこに行ったのだと頭に浮かぶ問に後処理の準備ために風呂場に行ったのだったと自問自答を繰り返してぷつぷつと途切れる思考を腕に爪を立て何とか繋ぎ止めていた。
ここから先のことはあまり覚えてはいない。覚えていないと言うより思い出したくなくて忘れているが正しい。
何日何週間何ヶ月か彼の家に閉じ込められていた俺はある日何とかそこから脱出することができた。
壊れきった俺を見て警戒を緩めたのかそれともわざと逃がしたのか、分からない。分からないけれどその日俺は確かに逃げ出した。
見知った道を只管走り、家に着いた安堵感で泣きじゃくりながらチャイムを鳴らし扉を開けた母に抱きしめて貰ったのだ。
事情を上手く言えない俺に、それでも転校したい。引っ越したい。逃げたいとうわ言のように繰り返す俺の言葉に両親は頷き残りの学生生活を親戚の家で過ごさせてくれ、学校も転校し大学も実家から更に離れた遠く遠くの場所へと決めた。
時折フラッシュバックするトラウマとなった思い出に彼と出会うまでの生活とまでは行かずともまともな生活を送れるようになってきたのだ。それなのに…
本当は最初拉致した人物が彼であるのではと心当たりがあった。けれど認めたくなかった。だってあの時逃げたのだから。遠くへ。それなのに..と思うじゃないか。今までの苦労も前に進み出した人生も全てなかったことになる。
…なかったことになってしまったけれど。
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「久しぶりだね莉犬」
「やっと会えて嬉しいよ」
りいぬも同じ気持ちでしょ?と有無を言わさないような顔で問い詰める彼に体が石にでもなったみたいで動かない。
「….な….で」
「ん?」
「なん…で」
何に対する「なんで」かなんて自分でも分からなかった。ただ目の前の事実を信じたくなくてなんでと言わざるおえなかった。
「怯えちゃって可哀想にでももう大丈夫だよ」
何を言っているのか分からない。大丈夫な筈がないじゃないか。だって俺は今こんなにも震えが止まらなくて恐怖で体が動かないのに。
なんでバレた。遠くへ逃げた筈なのに。名前も
も変えた。出身地も隠して来た。親にも誰にも言わないように強く言っていたし実家には数年戻っていない。連絡だって最低限にしていた。逃げるために。二度と会わないためになんでもしてきたのに。
何を考えているのかしばらく俺を見たまま動かないそいつ。
「なんで場所がバレたって考えてるの?」
「」
コメント
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読んでいくうちにどんどんりあさんのお話に引き込まれていって気付いたら終わっちゃってた🥹続きが気になりすぎる…口調的に拉致したのは桃くんかな、?赤くんへの強い愛と執着が狂気じみてて最高でした!赤くんが必死に取り戻そうとした日常をまた一瞬にして壊されてしまったの可哀想だけど😵💫一つ一つのシーンが細かくて表現上手すぎて!今回も素敵な作品ありがとうございました~!