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2434  短編集

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2434 短編集

1 - お前が羨ましい。

♥

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2022年11月16日

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“注意事項”

・自己満足

・大体1話完結です

・二次創作

・ご本人様とは関係ないです

・学パロ

付け足し

・微嫌われネタ



これらが大丈夫な方は先に進んでください!!



_不破視点_


俺はお前が羨ましい。


誰からもチヤホヤされていて勉強も出来る。友達もあいつの方が多いし。


…ぶっちゃけあいつが来るまでは俺が学年の中でも他学年の中でも有名人っちゃ有名人だった。


勉強以外なら何でも出来る。友達もいた。




俺の学校生活が変わったのはアイツが来てからだった。


アイツは綺麗な白髪をしており、目は少し薄い水色。身長は高く、羨ましい事にかっこいいしイケメンだった。


転校初日の休み時間、すぐにアイツの周りには男女問わず、アイツの席に群がっていた。


インキャなのか、コミュ障なのか、人混みの隙間からタジタジしながら受け答えしている姿が見受けられる。


俺は遠くから見ているだけで特に近寄らなかった。…今までこんな思いをするなんて思いもしなかった。


あの姿をみて俺ならこう出来る、俺ならこうする、なんて事を頭の中でずっと呟いている。人が沢山群がっているアイツを見ていると気持ちがモヤモヤしてたまらない。


きっとこれが「嫉妬心」なんだろうな〜って。


教室の端っこで1人外を見ているフリをしながら会話に耳を立てて、その時間、暇を潰していた。




____________少し時が飛んで数日後、アイツが話しかけてきた。


「えっ…と…初めまして。まだあなたとは話してなかったです…よね?」


初めて俺と話すのか、初対面なのか言葉を選んで喋っているように見えた。


「あ、せやな。俺お前と話した事無いな。」


「です、よね!僕は甲斐田晴って言います。」


「甲斐田、か。俺は不破湊や。気さくに話しかけてくれや。よろしくな〜。」


自己紹介したっきりで会話は続かない。気まずい沈黙の時間がしばらく流れた。甲斐田自身はパッとしない。ゴニョゴニョいっていて正直イライラした。甲斐田は何とか話題を出そうとしてオドオドしている。


やっぱそういうところがきらい。


嫌い、…


「あ〜…次の時間始まるから準備すっか〜。」


その場を適当に濁し、甲斐田から離れる。とにかくアイツから離れたかった。


「あっ、」と言いかけ、手をこちらに伸ばすが、諦めたのだろうか。手を仕舞い、甲斐田も自分の席に戻っていく。


授業中、俺よりも頭が良かったからよくクラス中をざわめかせていた。


体育の授業では逆に運動神経が悪過ぎて、そのギャップで人気はどんどん増していった。


最近は勉強に身が入らない。ただでさえ頭が悪いのにアイツのせいで調子が乱されていく。唯一できる運動もアイツを思い浮かべるだけで集中が出来ずにいる。



__________俺は遂にあまり喋ったことないアイツのある事無い事を本当にあったかのように周りにいいふらした。


『甲斐田って奴さ、実は裏であんなことしてたんやで。』


甲斐田が居ない所でそういう。


元々は仲のいい奴だったし嘘もコイツには言ったことは無かったから簡単に信じてくれた。



…もっと。もっとアイツを底へ突き落とすんだ。


「しかもさ〜。アイツあんな事してる癖に裏の悪口凄いんよね〜。」


今はアイツの歪んだ顔を見たい。焦っていてどうしようも無くなっている顔が見たい。


「でさ?終いには小さい女の子を泣かせたことあるって自慢げに語ってたんよ。ヤバイよな?」


そんな話をして盛り上がった。罪悪感?そんなのはない。とにかくアイツを落とす事に必死だった。


そんな事を言った翌日の朝。俺の言った事はすぐに教室に広まっていた。


教室にアイツが来るとより一層のざわめきを見せる。あちこちで「よくアイツこれるよな。」「うわっwヤバい奴きたわw」なんて声が聞こえる。


昨日と様子を比べれば手のひら返しが凄かった。正直そんな所がこえーなーって思った。


全ての元凶は俺だけど。


今日はそんなアイツに近寄る。あまり話してなかったし、話の根源は自分だと分からないしきっと分かった所で全員が俺に味方する。


「甲斐田、酷い言われようやな〜。」


周りに聞こえないように、自然体で甲斐田に話しかける。


席で肩をしぼめて、視線を下に落とし、誰とも目を合わせようとしない。そんな姿が俺は見ていてとても愉快だった。


一言も喋ろうとしない。しばらくして口を開いた時発した言葉は「…お腹痛いから保健室、行ってきます。」


ガタッ、と席を立ち、甲斐田を冷たい目で見ているクラスメイトの視線をくぐりぬけながら廊下を走っていく。


俺は甲斐田の後を着いていった。


俺の方が足が早いのですぐに追いついた。


「甲斐田、一緒に行こうや。まだ来てから数日しか経っておらんし。」


一瞬の間が空き、甲斐田が口を開いた時の声はとてもか細いもので震えていた。


「…ありがとう、ございます…」


「一緒に保健室行こう。まだ来たばっかやし保健室の場所とか分からんやろ?連れていくで。」


甲斐田はずっと顔を俯かせたままだった。俺がそう言っても何も発さない。


やがて保健室に来た。保健室には先生がおらず、甲斐田と2人きりになっていた。


「ふ、あさ…」


急に俺の名前を言ったかと思ったら涙をこちらに見せてきた。


「どしたん?」


「ぼく、ッ教室に戻りたくないです、ッ…」


泣いている姿はあまりにも綺麗だった。…


「…そか。」


すすり泣いている甲斐田を横目に軽く背中をさする。


…やった。



…今日からまた、全員俺に振り向いてくれる。また、いつもどおりに…みんなと…


そんな事を思っていると視界がぼやけてきた。


自分が本当に求めていたのはこんなのだったの?甲斐田が来る前はずっと皆を平等に扱ってきたのに、


羨ましさから来ていたあの行動は自分の為にしか動いてなかった。


妬みで、嫉妬で。人気者の甲斐田が羨ましかった。




「ッおれさ、かいだがうらやましい、…」


俺がそういうとびっくりしたような顔でこちらを見ている。


「勉強もできて誰にでも優しくて人気者なおまえがうらやましかった…」


「ふわさ…__」


「だからさ、おれ、甲斐田のあることないこと言ったんや。」


俺がそういうと今にも泣きじゃくりそうな顔をしてこっちを見ていた。


「…ごめん、」


謝っても今のこの現状は変わらない。


…甲斐田ともっと仲良くやってたらまだ何か変わってたのかもしれない。


泣きじゃくるのを堪えて少し経った時甲斐田が口を開いた


「ふわさん、は甲斐田の事嫌い、だったんですよね…?」


正直俺はびっくりした。


「でも、…本当に嫌いだったら…こんな所で謝ってないですよね。」


鼻声で声も震えていたが、確信をもって喋っている事が甲斐田の表情を見たら分かった。



…嫌いだったその喋り方が今ではすんなり受け入れれるようになった。





そして、


「…不破さんは優しいですよ。」


そう言った。



__________やっぱ、そんなところが羨ましい。

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