コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
例えばわたしが1人の旅人で、例えばあなたがそのわたしの、冒険を記した日記の読者だとするならば
あなたはきっとわたしが素晴らしいことなんて書かなくても、わたしがきっと巧みな文章で詩的に綴らなくても、わたしのことをどこか特別に捉えてくれるものだろう。
例えばわたしがただの会社員で、例えばあなたがそのわたしの、平凡な日々の愚痴を聞く友人だとしたら
あなたはきっとわたしの話を聞いてお酒を飲んで、ちょっとした私の小ネタに笑顔になる以外で、わたしをすごいのだとはちっとも思わないのだろう。
ただしわたしにとってどちらが幸せであるかはわからない。もしあなたがわたしにとって幸せを運んでくれる人なら、わたしはただあなたが隣にいるだけでいいだろう。
あなたがただわたしを見ているだけの人なら、私はあなたにわたしの書く冒険譚を眺めていて欲しいだけだろう。
そんなもどかしい自己満足をわたしはモヤモヤともせずに突きつける人であるから、わたしはきっと素晴らしい人ではないのでしょう。あなたの夢に希望を与えるわけはあり得ない。だがわたしは、わたしをみているあなたの、どんな形でもいい。あなたとわたしの歴史が交わるのを、ただ愛おしく思うのです。