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#『彼』の行く末
鐘寺 実昼
416
葛湯酒
282
「思うんだけどさ…盛り塩って何。あんなんで効くと思ってるわけ?人間は」
「思うんじゃない?というか、幽霊がする話じゃなさすぎる」
「何でもいいわ」
「後さぁ…死してなお生者に迷惑をかけるのは何?幽霊界隈に悪印象じゃん。やめて?」
「それはそう」
「病院とか会社とかよくいるよな」
「学校も人気物件よ」
「まだ文句あるよ?」
「あるんだ」
「あのさ、幽霊を取り扱う系の番組あるじゃん?うっそだ〜あんな幽霊あるわけないじゃん」
「おい幽霊がそれ言うな」
「幽霊がフェイント使ったり扉ガンガン叩くなよ」
「お前らさあ…ゾンビが走ってきたり銃使うゾンビ映画の何が面白いん?ゾンビは相場ゆっくり歩いて知性はないだろ」
「幽霊がゾンビ映画を例えに出すなよ。というか電子機器を扱うな」
「残念でした。すでに貞子の大先輩が電子機器に適応してます。はい論破」
「今どき論破とか言うやついるんだ」
「ヤバすぎるだろ」
「まぁとにかく、いい子を執拗に襲う奴許せないんだよね。同じ幽霊として。報われろよいい子は」
「幽霊が言っちゃいけない言葉No. 1だろ」
「私もそれには同感。事故らせようとする幽霊とかマジ無理」
「マジかお前ら」
「幽霊はさ、明確に人を襲うんじゃなくてもっとこう…儚いだろ」
「やること、言うこと、襲ってる時点で全く儚さがない」
「そんなことないだろ!どう見たって儚いだろ!!明日にはもう会えなさそうだろ!」
「会いたくないんだよどっちかって言うと」
「というか幽霊がネットミーム使うな」
「お守り握ったらスッて引き下がりそうだろ!儚いんだよ幽霊は。儚いもんなの!あいつらが邪道なの!儚いの!儚いんだよ!」
「儚い儚いうるせえな」
「黙れよ!後、『思いもしませんでした』で始まるホラー番組にはもう飽きたよ!」
「飽きんな」
「じゃあ自分のことを投稿してみたら?」
「てんっっさいか?」
「やっぱ儚くはない」
「儚いんだよ!」
「こんな幽霊も、いていいよなぁ…」
コメント
5件
幽霊視点を描くとは思いませんでした!おもしかったです。実際に幽霊もこんな感じだと嬉しいのですが笑
第1話、一気に読ませる面白い会話劇でしたね。「幽霊が自らのイメージについて愚痴る」というメタ設定がまず新鮮で、特に「儚い」と連呼しながらネットミームを駆使するギャップに笑ってしまいました。幽霊が「いい子は報われろ」なんて言うの、じわじわ来ます。こんな幽霊なら確かにいてもいいかも、と思わせる温かさがあって好きです。続きが気になります!