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――土曜日の午後。部室に入ると、カーテンが閉ざされていて少し薄暗かった。
〇〇「……魔璃亜か」
窓際の席で静かに本を閉じる短い紫髪の少女。
氷のように冷たく見えるけど、どこか柔らかさも持つ。
それが――魔璃亜。
魔璃亜「来たのね。……今日はあなたと私、二人きり」
〇〇「……そうらしいな」
魔璃亜「テーマは“心の裏側を探る”だったかしら。……なら、あなたの弱さを聞きたいわ」
いきなりそんなことを言うのか。
けど、真っ直ぐな眼差しに見つめられて、視線を逸らせなかった。
〇〇「……弱さ、ね。俺は……人に頼るのが苦手だ。ずっと一人で抱え込んでしまう」
魔璃亜「……ふふ、正直ね」
彼女は微笑んだ。
その微笑みは、氷がほんの少し溶けたように優しかった。
魔璃亜「誰だって弱さを持っているもの。……でも、あなたのその素直さは強さでもある」
〇〇「……お前、意外と優しいな」
魔璃亜「意外、か。……まぁ、あなたにだけは見せてもいいかもしれない」
そう言って窓を少し開ける。
差し込んだ光が、彼女の横顔を幻想的に照らした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
魔璃亜はとても不思議で、幻想的だった。
元魔王とは思えない美貌と優しさ、
惹かれるものがあった。