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ドキドキ
私は、踊録公園の前で一人、緊張しながら立っていた。
今から、クラスの陽キャ・さぁーもんとデートすることになっていたからだ。
そして、今私が着ているいつもの私に似つかわしくない洋服を着ていることで恥ずかしさが上限を超えていた。
今、頭で思えるのは、「変じゃないかな?」とか、「さぁーもんさんの隣にいて釣り合ってないよね……。大丈夫かな」とかいつもの私なら思わなさそうな事ばっかり浮かび上がってくるのだ。
………そんな事を想像したくない。ずっと考えていたら、私の気持ちが破裂しそうになってしまう。
………早く来ないかなぁ……。いや…別に早く会いたいとかじゃなくてッ!陽キャと会いたいとか思えないけどっ!……何か…隣にいてほしい……、、と言う感情がある。
最近……いや、…さぁーもんさんとお化け屋敷に行ってから少しも私はさぁーもんさんに触れていない。いつも、暖かい大きな手で……じゃ、じゃなくて、、、嫌いな手で頭をクシャクシャにしてくれてたのにと寂しく感じる……。
何か、私にとってさぁーもんさんは兄みたいだなぁと思った。何か、一部の家族みたいな……って!何想像してんだろ!?自分!?ちゃんとしてぐださい!?
と、…そんな事を考えていたら突然バッと黄色い声が上がる
「ねぇ、あの人イケメンじゃない!?」
「ねっ!いかにも一軍男子と言うか、アイドルと言うか!一言で言うとビジュが最高すぎる!!」
「喋りかけに行こうよ!!」
……………な、何か…ある場所だけに人だかりができてる…。
私はこの異様な光景に目をパチクリさせる。
そして、…私はそんなにイケメンなのかと気になりだす。
私はいつも、陽キャという、目が死ぬぐらい光り輝いているものを見ているからイケメンや美女には慣れていた。だからこそ!!見てみたいのだっ。
私はそそくさと遠くから何処かの人の隙間からどんな人かを見た、、、、ら……。
さぁーもんさんだった。
私は思った。そりゃあ人だかりができるわな…と。私も人生であんなに光り輝いていて動くだけで目の保養になりそうな(私はならないけどっ!!)存在を現実でみたことがないし。(アニメでは沢山あるけどっ。)だけど……これ…知り合いが色んな人に逆ナンをされている所を見てるってことだよね!?流石に止めなきゃ?でも、自分がモテてて嫌なんて思うわけないよね〜
と、さぁーもんの顔を見ると…
すごく困っているような顔だった。
う〜ん……これは…助けたほうが良い……?でも…私には関係ないしな
と思っていると、ある女の子達軍団が
「あの!私、貴方に一目惚れしました!」
「ご一緒にカフェでもどうですか?」
「えっ……?いや……ごめん、無理かなぁ…」
「でも!彼女居ないって言ってましたよね?」
「えっと……」
さぁーもんさんはすごく困っていた。
「お願いします!!」
と言った軍団の一人が、さぁーもんさんにしがみついた。
はたから見たら、ハグしあっているように見える。
「……っ…」
私はここでピキッと怒りが溢れ出した。
(流石に、ハグは厳禁でしょ?)
私は気づいたら走り出していて、
「さも君!!」
私はさぁーもんさんの手首を掴んだ。
「や、やっと居た!!待ってたんだよ?」
私は待ってたのは嘘じゃないけど、彼女のふりをして言った。
「……あの…彼女ですか……?」
さぁーもんさんにしがみついた女の子が聞いてきた。
そして私は、歯を食いしばりながらも
「はい!」
と、元気で答え、
「さも君は、私の自慢の彼氏ですっ」
と付け加えた。信用性を得るように。
そしたら、みんな
「流石に彼女さんいるかぁ……」
「顔可愛いし、勝ってこないよな…」
と続々どっか行った。
そして、さぁーもんさんに話しかけた子たちは
「彼女さん居るの知らなかったので……ごめんなさい…!」
と言って何処かに行った。
…………ごめんね……私、本当の彼女じゃないし、こんな一人占めするような意地悪なことして……。
あと、もうちょっと言い方他にあったよな……とか私は後悔したのだった。
「…ななっし〜」
突然、さぁーもんさんから名前を呼ばれた。
そしてやっと気づいた。
ずっと、さぁーもんさんの手首を掴んでいたことに!!
「ご、ごめん!!」
と言って離すと、次はさぁーもんさんから手を繋がれた。
「……!?」
「…ありがと。さっきさ、俺、何て言えば分かんなくて……」
……私、知ってるよ。さぁーもんさんが言い返さなかった理由を。それは傷つけたくなかったんだよね?だから一個一個丁寧に言ってた。(多分)まぁ、でもその後私のせいでその子たちは傷ついちゃったかもしれないけど……。
「……俺さ、ななっし〜に自慢の彼氏って言ってもらえて嬉しかった。たとえ、俺を助けるためだったとしてもさ。………だからさ、俺は本当に自慢の彼氏って思ってもらえるように、彼氏になれるように、今日、ななっし〜を笑顔にしたい」
「さぁーもんさん……」
「………ななっし〜、全然さも君って呼んで良いんだよ?」
「えっ?良いの?私なんかにそう言われて、いやじゃない?」
「逆に、さぁーもんさんの方が堅苦しくてやだっ」
「そっかぁ……?」
私は少し納得できなかったけど、、、
ちょっぴり、いや…すごく嬉しかったんだ。
……私、さも君をどう思ってるんだろ……。
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女の子は目を開けた。
気づいたらもう、人がうるさいぐらいに賑わっている。
「あっ、起きちゃった?」
男の子は、女の子に笑いかけた。
女の子は
「うん……」
と、…ちょっぴり頷いた。
「ねぇ、君の名前、何ていうの?あっ、俺の名前はさぁーもん!」
「さぁーもん……?」
「うん!!君の名前は?」
「………」
女の子は、首を横に振った。
「……ない…?」
「うん……」
「じゃあ、後で俺が君の名前作ってあげる」
「………?」
女の子は不思議そうに首を傾ける
「う〜ん……候補は〜…ピンクの髪だから、ピンキーちゃん!!とか?!」
「……………!!?」
女の子はどんどん真っ青になっていった。
「えっ、えっ!?どうした!?」
「それだけは、やだっ!」
女の子は全力で否定したのだった。
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