私は今、さぁーもんさん……いや、さも君と、隣り合わせで歩いていた。
……そうすると、たまにあの子たちカップルかしら?と言うおばちゃんたちの会話が聞こえなくもない…。
私は、右隣にいるさも君の顔を見上げた。
………やっぱりさも君って見たらかっこいいし、安心するよな……。……えっ、…何言ってるんだろ…、、私。私はさも君をアイドルとして見てるのか?……安心するってそういう事ですよね??
私はずっとさも君の顔面をジーと見ていたら、さも君が私の視線に気づいたのか、私の方をみた。そして、…すぐに横を向いた。
……………
な、何か……そう言えば……ずっと歩いてるのに私達一言も喋ってない!!??
な、何か話題あるかな〜?と思って横をチラチラ見るけど、どこにもない……。
う〜んと……私でも、話しかけれる話題………!!
うん、ないっ!!
私でも、話せるような話題……話題……
「あっ!!」
………話しかけなくても良い方法を考えれば良いんだ……!
「さ、さも君!私の喉乾いちゃった!飲み物買ってくるねっ!!」
と、私は言って走ろうとすると……。
さも君は一瞬はっとした顔になり、それから
「いや、良いよ。俺が買ってくる!ななっし〜は、あの、公園のベンチで座ってて!」
と言った。
「いや、…悪いよ…?私が、飲みたいんだし。私が買いに行くよ」
私がそう言ったら、
「ううん。ななっし〜は休んでて!!」
と、すぐさま否定されて走り出していってしまった。
「………元気だなぁ……」
私はポツリとつぶやいた
「はぁ……。じゃあ、お言葉に甘えて私は座っとこうかなぁ」
と言って私が公園へと歩き出した時だった。
「あの!これ、…落としましたよ?」
突然、男の子に声をかけられた。そして誰かと見てみたら、金髪で左の端の髪を三つ編みみたいなものをしている男の子だった。(まりまりまりっさではないです。ツッコミバナナではないと思います。多分)
そして、落としたものは、、私のじゃなくて多分さも君の鮭のヘアピンだった。
「わ〜……これ、多分、さも君のやつですね……。私のではないです。あっ、でも一応これ私が持っておきます」
「え〜?やっぱりそうですか…。俺、…確かにこのヘアピン貴方のではないと思ったんですが……。可愛かったから話しかけちゃいました」
「んっ?」
この、ヘアピンが?
……別にこのヘアピン可愛いとは思えない…。さも君に失礼か…?
「あ〜……まぁ、…そうですか……?」
私は違うとは言わずに、疑問系な回答を言った。
「はい!本当に可愛いと思いますっ。だって、…一目惚れしましたから!」
……一目惚れ??ヘアピンに?
世の中は広いんだなぁ……()
「あの、良かったら、一緒にカフェに行きません……………か…?」
この人は途中から声のトーンを変えた。
この人は私の後ろに目を移した。
そして、その目はどんどん恐怖に沈んでいくような目になっていった。
「俺の彼女になんの用ですか」
……えっ?
さも君? ここで、彼女と嘘をつく理由は??
と言うか、いつから帰ってきた??
「えっ、えっと……何でもないですっ!!」
あの子は走って何処かに逃げるように去って行った。
「……さ、さも君?」
「大丈夫!?やっぱり一緒に行動しとけばよかった……!」
「………あの……。私、何もされてないし、言われてませんよ……?ただ、さも君のヘアピンを可愛いって……可愛い… ヘアピン………?
あぁぁぁぁ!!!ヘアピン忘れてた!!あの子、さも君のヘアピン持ったまま逃げってたよ!?」
「……本当に、それだけ……?」
「えっ?うん」
「………間違えた……恥ずい…」
さも君は、おでこに手を付けて、はぁ……とため息をついた。
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……さも君は、私がナンパされてるのだと思ったらしい……。本当のことを言えば、突然ヘアピンが可愛いって言ってきたただの変人だった。
「ごめん……」
「良いよ。普通に早く帰ってきてくれて助かったし!」
飲み物飲みたかったからね!
あっ、そう言えば、飲み物はぶどうジュースだった。
……
「……私の方がごめんだよ…。あの子にヘアピン落としたからって話しかけられたのに、結局もらわずにこうなっちゃったし……。後で、私が変わりのやつ買っとくね……」
「いや、良いよ。俺、別に他にもピン持ってるからさ」
「うん……」
他のやつ持ってるって言ってもあれは、1個しかない気がするけど……。あの柄初めてみたし……。
「……でもさ、ナンパされてなかったとしても、何の話してたの?」
「えっ?このヘアピン可愛いねって」
「……そう?」
いや、…私も可愛くないと思ってますよ!?でも、一応話し揃えてただけ!
「じゃあさ、後でななっし〜のその服に似合うヘアピン探しに行こ!」
「えっ……?あっ、うん!!」
私は突然服のことを言われ何だか落ち着かなくなった。
「あとさ……その、…ななっし〜、、、その服、似合ってる、可愛いよ」
「!!!!?????」
へっ!!??か、可愛い…?いや、…服が可愛いってことか!?えっ、でも似合ってるって言ったよね!?はぁぁぁぁ!!!!!?????
「ははっ」
さも君は私の動揺する顔を見て笑った。
何でそこで笑うんですかぁぁぁぁ!!!??
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