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『私の声、聞こえる? 今、公衆電話からかけてるの』
夜、「非通知」という表示で電話がかかってきた。
私はバッと跳ね起きた。
その声は、いきなりいなくなった親友、ユキの声だったから。
「ユキッ⁉ どこにいたの⁉」
『あぁその声、ミノリ。私、実は引っ越ししてて、こっちも色々忙しくて、お別れが言えなかったんだよね』
そのあと、ザザッと音がした。公衆電話だから、電波が悪いのだろうか。
『ごめん、そろそろ。場所言うから、来てくれない?』
「うん、いいよ」
ユキの話を聞いた。
なるべく一人で、これからいう場所に来ること。持ってくるものは特にない。
よし、ユキのためだ。
こんな時間だし、ちょっと街のはずれだけど行ってみよう!