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留年することなく無事大学を卒業した私は、運良く東京で就職先をみつけることができた。

右も左もよくわからぬまま、経理と雑務をこなす日々だったけれど、いつのまにかそれにも慣れ、後輩に仕事を教える立場になっていた。

ひとり暮らしはまだ続けているけれど、仕送りではなく自分の給料で家賃と生活費をまかなうようになっていた。

もちろん炎蔵も一緒のままで、そのうちもっと広いところへ移ろうかと相談している。


実家にはときどき帰っている。

正式な結婚を済ませた弟夫婦は、女の子に恵まれた。

初めてできた姪にお年玉をあげることになった。

社会人としてはまだまだ未熟な自分も、いつのまにか歳をとっていたのだなと、実感した。

いまだ中学生に間違われる我が身ではあるものの、体重だけが成長を始めだした。

当然、その成長に喜べるものはなく、どうせなら胸にいけばいいのにと、世の女性の半分以上が考えているだろうことを切に願った。

いやいや、問題なのはそんなところではない。

私が早くも衰え出したのに、まだまだ炎蔵は元気なままだ。

なにをしているのか、ときどき怪我をしてくることもあるけれど、それもすぐに治ってしまう。

治療費がかからないのは良いことだが、このままいくと私のほうが先にぽっくり逝きかねない。もっと健康に気を配らねば。

目指せ200歳。さすがに炎蔵とてそこまで長寿ではないだろう。

だがしかし、健康のためはじめた早朝ランニングに二回目はなかった。


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