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ムメイ
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谷崎爽奈
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🌙リルとの出会い
リルは情緒障がいと診断されている。
身体が緊張で思うように動けず、ひどい時には本当に頭がクラクラして立っていられない。
恐怖心も強く、学校の体育ではボールをやたらに怖がり、運動どころではないので、体育は免除されてしまった。
「リルさんは教科書もノートも言われないと机に入っている道具箱から出しません、とにかく動作が他の子供達についてゆけないのです、普通学級では無理ではないでしょうか?」
リルの母親ステアはついにそう言われてしまい、リルは通院している児童精神科で優しい男性の先生に、無理なく勉強を教えてもらっている。
「先生、どうしてわたしは普通じゃないの?」
リルは勉強を教えてもらっている時、ポツリと言って涙をこぼした。
「いろいろ症状があってつらいね、先生もリルちゃんを治す方法を探すから、リルちゃんもあきらめないで、泣かないでね」
児童精神科の先生は、はちみつ入りのおいしい精神安定剤のシロップをくれることがある。
そのシロップを飲むと一時的に感情が落ち着くが、すぐにまた感情は暴走して、リルの身体の自由を奪うのだった。
その時、部屋がノックされて、エシアが入ってきた。
「お父さん、急に必要になったっていう書類、持ってきたわ」
「ああ、ありがとう、エシア家に取りに戻らなくて済んで助かったよ」
リルはエシアとアトレのやり取りを聞いていた。
「リルちゃん、ぼくの娘のエシアだよ」
アトレはエシアを紹介した。
「エシアです、よろしくね」
エシアはリルに挨拶をした。
リルは緊張で頭がカーッと熱くなった。
(先生の娘さん……ああ、また普通じゃないって思われる、声も出ない)
リルはうつむいた。
「この子はリルちゃん、緊張しやすくて、恥ずかしがりやさんなんだ」
アトレはそうリルのことを説明してくれた。
(先生の娘さんはきっと普通にできる子供なのに、わたしは……)
そう思うとリルはわっと泣き出してしまった。
こういう反応が普通じゃないのに。
それでもリルは止められなかった。
「リルちゃん、いろいろ悩んでいるんだ」
アトレはリルの心をもっと楽にしてやりたいと思っていた。
「お父さん、なんとかしてあげてね」
エシアは児童精神科にいる子供達には慣れていて、みんな早く心が元気になればいいと願っている。
「リルちゃん、元気になってね」
エシアはずっと泣いているリルを気の毒に思った。
「それじゃあお父さん、またね」
「ああ、ありがとう」
エシアは帰って行った。
「リルちゃん、今日は調子が悪いみたいだから、お薬飲もうか?」
アトレはリルにはちみつ入りの精神安定剤のシロップを飲ませた。
リルは泣き疲れて眠ってしまったので、部屋にあるベッドに寝かせた。
(最近緊張したり、泣いたりするだけで、他人とコミュニケーションも取れなくなっているようだ、悪化しているのか?入院が必要かも知れない)
学校にも通うことを断られてしまったリル。
アトレは、どう接したら良いのか悩んでいる。
コメント
3件
第4話、読み終えました。リルちゃんの「どうして普通じゃないの?」という言葉がずっしりと胸に残りました…。アトレ先生がはちみつ入りのシロップで優しくケアするシーン、涙が止まらないリルちゃんに「いろいろ悩んでいるんだ」と添える言葉、どれも丁寧で、リルちゃんの内面にそっと寄り添う描き方が本当に美しいです。エシアの自然な優しさにも救われました。次が気になります🌷