「お母さーん」ポロポロ
小さな子供が泣いて母親に抱きつく
「あら?どうしたの?」
母親は料理をするの止め、子供に顔を近づけた
「あんねっお兄ちゃんがっ」ポロポロ
どうやら喧嘩したようだ
兄は壁から顔をこちらに覗かせている
「……実〈まこと〉」
「…何?」
兄も目が涙目になっている
「何があったの?」
「…みことのプリンが無くなってお兄ちゃんが食べたって言うんだもん!」
プリンから始まった喧嘩だ何と愛おしい喧嘩だと思う
「あらぁ…」
「んっ…」ポロポロ
「ただいまーあれ…何で泣いてるんだ?」
父親が仕事から帰ってきたようだ
「それがみことのプリンが無くなって…」
「お兄ちゃんが食べたっ」ポロポロ
「俺じゃないもん!」ポロポロ
またまた口喧嘩が始まってついに兄まで泣いてしまった
「…すまない」
父親が申し訳なさそうな顔で言う
「私が夜中お腹が空いて食べてしまったかもしれない」
「えっ」
思わず皆んなが声に出してしまう
「本当にすまない…」
深くお辞儀をした
父親は昔から礼儀が深いタイプだった
「お兄ちゃん…ごめんねっ」
少年は悲しい声で言う
「ううん…いいよ…俺も怒ってごめん…」
「仲直りしてよかったわね…」
母親は胸に手を当てほっと息を吐いた
「……プリン買ってくるよ」
父親がそう言いながら靴を履いていると
子供達も一緒に靴を履いた
「家で待っていても良いんだよ?」
そう父親が言うと
「ううん…俺も行く」
兄がそう言うと
「俺も!」
少年も兄に合わせて言った
「……分かった…一緒に行こうか」ニコッ
そう言って父親は笑った
「あらっそんなに買ったの?」
「すまない…つい」
父親の両手には沢山のお菓子が入ったレジ袋がある子供達は飴を舐めて帰ってきた
「今日はお菓子パーティーね…」
やれやれと言いながら母親はお皿を用意した
窓から外の景色を見るそこには綺麗で大きな木が一本立っている
この季節の木には桜が咲いている
「………綺麗だな」
ベットに座りベット用テーブルに肘をつけて
本を持ち、窓から外の景色見る
これが彼のルーティンだ
鏡を見ると彼の姿が映る
顔はとても整っているが目の下にクマが少しついている
あまり寝れていないと言うより
彼は寝たく無いのだ悪夢ばっかり見てしまい
苦しんでいた一時期は精神科病院に入院するほどだった
「…準備しよ」
制服に着替えリビングに向かう
「おはようみこと」
母親がご飯を用意している
「よく寝れた?」
「うん寝れたよ」
彼は首を縦に振った
「よかった…」
「にゃーお」
彼の愛猫ハルだ
「ハル…可愛いね」ヨシヨシ
「にゃーお」
ハルは彼にとってのリラックス効果だ
彼は昔からそうだった
悪夢ばっかり見てしまうせいで寝る事が嫌いになってしまったのだ
人間は三日間以上寝ないと幻覚が見えてしまう
だから彼の日常では沢山の幻覚が見せられる
精神が崩壊していき彼は疲れきっていた
そこで母親が父親の働く精神科病院に行き
入院した
そこから精神ケアをしたりして悪夢を見ても辛くならないように
毎日ストレッチをしていた
効果とてもあり今では週に二、三回ぐらい寝れない程度になった
今でも体調はそこまで元気では無いが
昔よりはマシになっている
「……よし学校行くか」
スクールバックを持ち
ドアを開けて
学校へと向かった
プロフィール
夢学園
西園寺 尊(サイオンジ・ミコト)
16歳
好きな食べ物
ショートケーキ
好きもの・こと
カフェめぐり、家族、歌、演技
嫌いなもの・こと
寝る事、悪夢
コメント
5件
誰夢の真柴家のやつですね!みこと君のアレンジされているの好きです!
誰夢見たぁい…