テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
今回は、初めてのオリジナル?
いきなり始まるよー!
お気をつけて
では、Let’s GO
「……おい。」
昼休みの図書室。
机に突っ伏して寝ていた冴は、肩を軽く叩かれて目を開けた。
「閉館時間……じゃないか。」
ぼそっとつぶやいて顔を上げると、目の前には見覚えのある男子が立っていた。
「やっと起きた。」
制服は少し着崩れていて、ネクタイも緩い。
いかにも「学校の人気者」って感じの笑顔。
「……誰。」
「ひどっ!」
「知らない。」
「同じクラスの神崎奏斗。」
「へぇ。」
「反応うす!」
冴は興味なさそうに本を閉じる。
「じゃ。」
「待って待って!」
「何。」
「俺、ノート貸してほしい。」
「断る。」
即答だった。
「えぇ!? なんで!」
「昨日サボってたでしょ。」
「……。」
「図星。」
「いや、その……。」
「女子とゲームセンター。」
「見てたの?」
「教室でみんな話してた。」
「……。」
「だから貸さない。」
そう言って立ち去ろうとすると、奏斗は頭をかいた。
「……実はさ。」
「?」
「昨日、妹が熱出して。」
冴の足が止まる。
「親が仕事で迎え行けなくて。」
「……。」
「だから学校早退した。」
「ゲームセンターは?」
「帰りに妹が元気になったから寄った。」
「……。」
「証拠ある。」
スマホの待ち受けには、小さな女の子と笑う奏斗。
冴は黙った。
数秒後。
バッグからノートを取り出す。
「一日だけ。」
「え?」
「返して。」
「……!」
奏斗は目を丸くしたあと、大きく笑った。
「ありがと!」
「うるさい。」
「ちゃんとジュース奢る!」
「いらない。」
「じゃあパン!」
「いらない。」
「じゃあ何ならいい?」
「静かにして。」
「それ難しいなぁ。」
「……。」
「……。」
少しだけ。
ほんの少しだけ。
冴の口元が緩んだ。
「……今笑った。」
「笑ってない。」
「笑ったって!」
「気のせい。」
「証拠ある。」
「ない。」
「俺の心に刻まれた。」
「気持ち悪い。」
「ひどい!」
図書室に、小さな笑い声が響いた。
その日から。
「おはよ、冴!」
「……。」
「昼一緒に食べよ!」
「断る。」
「放課後帰ろ!」
「断る。」
「じゃあ明日は?」
「断る。」
毎日断られているのに、
す
奏斗は一度も諦めなかった。
そして冴はまだ知らない。
この「うるさい男」が、自分にとって一番大切な存在になることを。
藤丸
38
風花🎧🫧🥀@受験生低浮上
55
スイカ🍉(アプリ版)
53
92
コメント
1件
あら、新作だね!第一話読んだよ〜 冴のツンツン具合と奏斗のしつこさのバランスが絶妙で、読んでて自然と口元が緩んだわ。特に「心に刻まれた」→「気持ち悪い」のやりとり、好きだなあ。笑 奏斗が妹の話をした瞬間、冴の態度がほんの少し柔らかくなるのも、ちゃんとキャラの心情が伝わってきてグッときた。 この距離感の二人がどう変わっていくのか、すごく気になる!続き楽しみにしてるよ🔥