注意:香る菊より?(耀菊表現あり)の亜細亜組×菊
学パロ?
幼馴染設定
というてんこ盛り設定!
勿論御本家様と関係はありません。
誤字脱字などがございましたらすみません。
ちょっくら、結構長めかもです。
それでも良いかたはどうぞ!⤵︎⤵︎
幼馴染の一個だけ年上の、兄みたいな、そんな存在だった貴方。気付くのが遅くなってしまったけれど、俺の中ではとっくに兄なんてものでは収まらなくなっていた想い。
俺は菊さんに恋をしている。
なんて、、、
なんて事に気がついて1日目の朝がきた。いつも通りの朝だ、何も変わらない。変わらない、はずなんすけど、、、。
「あいやぁ、香!! 早く起きるあるよ!!」
「っ、、、ぁ、せんせ、、、。」
「何回も呼んでんのに全く返事ないあるから死んじまってんのかと思ったあるよ!?」
「いや、死んでないんでー。大袈裟的な?」
「心配して言ってるあるよ!!!」
この煩いのは耀にーに。歳が離れた兄で、先生って呼んでるのは小さい頃の憧れで尊敬していた人だったから。その名残でまだ呼んでる。まぁ、今の感じからみたら先生ってよりかはオカンって感じだけど。
「ったく、お前さっさと起きるよろし。遅刻するあるよ?」
「? 先生、俺が遅刻するわけ、、、っ」
「!?」
時計を見て俺は声にならない驚きで口を目を見開く。
「珍しいあるねぇ、お前がこんなギリギリだなんて。」
「っ、そう気付いた時点で早く起こしてほしい的な。」
「なっ、なんあるかその口の聞き方はっ!?我はお前が最近悩んでるみたいだからもう少し寝かせてあげようと、、、」
「はいはい、説教は学校終わってからにして的な。」
俺は先生と軽口を叩きながらいそいそと着替えて、階段を駆け降りる。
「ほら、さっさと食べるよろし。もうとっくに冷めてるある。」
「はいはい、、、あれ、梅は?」
「梅ならついさっき学校行ったある。」
「、、、ふぅん。」
「あ、そうそう。菊を玄関先で見かけたから多分2人で行ったあるな。」
「は、それを早く言ってくださいっ、」
「?なんであ、、、わっ、こら香っよく噛んで食べろある!!!」
三分もしない間に俺は朝食を食べ終え、喉に残ったものを水でゴクリと飲み込んだ。
「んぐ、」
「いきなりなんあるか、全く。」
「それじゃぁ、行ってきまーす。」
「おうっ頑張ってこいある!!」
先生に軽く手を振り、俺はダッシュで一足先に学校へと向かった2人を追いかける。そしてやっとそれらしき人が見えてきて、思わずーーー
と、らしくもなく叫ぶ。
「、、、あ、香くん!」
その人はピタリと足を止めてくるりと振り向いた。そして自分の名前を呼んだのは俺だと認識して笑顔で俺の名を呼ぶ。それだけで俺は月曜の朝の気だるさとか、寝起きのなんかやな感じとか全部吹っ飛ぶ気がした。
が、
「、、、なんだぁ、香。間に合ったんだネ。」
そんな俺を梅が嫌そぉな顔でじっと見た。今にも舌打ちを打ちそうだ、まぁ菊さんの前だからやらないだろうけど。
「そ、なんか言いたげそうだけど、何?」
「ふん、、、別に。」
「?」
俺は、菊さんが俺たちの険悪なムードに少し混乱しているのに気づき、口を開く。
「さっ、菊さん行きましょ。」
「え、えぇ。」
そして再び歩き出す。
言うまでもないだろうが、俺の妹である梅もまた菊さんの事が好きなのだ。もちろん恋愛的な意味で。実はと言うと梅は菊さんに出会った時から好意を寄せていた。俺も昔からその好意に気づいてはいたが恋愛が入り混じっていると気づいたのは、俺も菊さんへ恋心を抱いているのではと疑惑し始めた時くらいだ。つまり最近。
普段はまあまあ仲の良い兄妹関係であるが、菊さんが絡むとこんなバチバチになってしまう。一番近いようなところにまさかの恋敵だ。
「そういえば香くんが遅れてお家を出るなんて珍しいですね。なにかあったんですか?」
ギクリと俺は背中を揺らす。
「や、そのーー」
「香ったら、寝坊したんだヨ!」
「な、梅!」
「ふふ、香くんも寝坊なんてするんですね。」
「いや、普段はしないですから!それに、すぐに追いついたし、、、」
「よく言うヨ!休日なら今頃いっつも布団の中のくせしてー!」
「梅ぇ、」
くそ、梅め。菊さんの目の前で恥ずかしいことバラして、勘弁して欲しい的な!
「んふふ、相変わらず兄妹、仲がよろしいですねぇ。」
ほら、笑われた。梅の馬鹿。多分今俺はちょっとだけむすっとした顔をしているんだろう。それをまたクスクスと菊さんが笑うから尚更だ。
「あ、香くん。」
「なっなんですか。」
「ここ、、、」
「っ、、、?」
え、急に頭を撫でられたんですけど。
「あ、あの、ほんと、なんすか。」
「あぁ、すみません。ここ、寝癖がついていましたから。ほら、なおりましたよ。」
「へ、?え、あっありがとうございます。」
「ふふ、いえいえ」
、、、恥ずかしすぎる。なんか朝から俺の格好悪いところばかり見られている、つかバラされたし。けど、梅の悔しそうにする顔が見れたのはちょいと得。
「、、、あっ勝手に頭を触られるの嫌でしたよね?すみません。小さい頃からの癖で、」
「ぜっ全然!気にしてないっす!むしろ、なんというか」
心地よいっていうか。
菊さんの手は安心感がある。それは幼い頃から変わらない。俺が昔、公園で遊具に頭をぶつけた時もさっきのように頭を撫でてくれた。痛いの痛いのどんだけーって。そんなんで痛みが引くわけがないんだけれど、菊さんにされると本当に飛んでいった気がした。
「はいはい、よかったネ。菊さんに頭撫でてもらえてー。そんなことより菊さん!」
あ、会話の流れが梅へと変えられてしまった。まぁ別にいいけど。
「今日は部活も委員会も休みだしさ!駅前に最近できたカフェにでも行こうよ!」
「えっご一緒してもよろしいのですか?」
「勿論だヨ!なんなら菊さんと私は行きたいんだヨ!!」
「そう言ってもらえて嬉しいです。いいですよ、行きましょうか。」
「やった〜!」
それ完全デート的な!?!?
梅のこういうサラッとなんでも誘えるところが羨ましかったりする。それでも俺だって菊さんと行きたい。俺は緊張する口を開いた、
「あっ俺も」
「「「!?」」」
ゲっ。
「ヨンスさん、、!」
「菊!お前また俺のこと置いてったんだぜ?!」
「仕方ないじゃないでしょう、ヨンスさんピンポン鳴らしても来なかったんですから。」
「もっとお前が根気強く鳴らし続けてたら来たかもしれないんだぜ!!」
「こないだもそう言って、結局起きてこなかったじゃないですか!どうせ、昨日夜更かししてたんでしょう!」
「ぎくっ、しっしてないんだぜー、、、」
「目が泳いでますよ、こっちをみておっしゃい。」
「うっうるさいんだぜ!大体菊はいつもいつもーー」
おーい、俺たちもいる的な。
遅れてやってきたこいつの名前はヨンス。同じく幼馴染だ。こいつは俺たちよりも菊さんと家が近いから、俺たちが知らない菊さんの面も知ってたりする。、、、腹立たしいことに。
しかもなんでこんなに菊さんに突っかかるのかといえば、小さい頃にトランプやらで勝負した際おもいっきり負けたのを根に持ち、それから毎日のように菊さんと張り合っている。小さい頃からずっと。もはやその執着心、好きなんじゃ、、、いや辞めとこう。あいつ自身も自覚ないみたいだし、ほっとこう。まぁヨンスはそんなやつだから、菊さんも俺たちよりヨンスさんには気を許してる気がする的な。、、、腹立たしいことに。
「ーーーそんなこと言うなら放課後、お前んちのゲームで勝負だぜ!!」
「あなたはいつもいつも、、、えぇ、いいですとも。望むところですよ。って、あ。今日はダメです。」
「は?なんでなんだぜ?」
「梅さんと約束があるので、、、」
「そうだヨ!!菊さんの今日の放課後は私との時間に使うの!」
「っ、、、そ、そーかよ。」
「あれ、私に菊さんとられて拗ねてる?」
「はぁ?!すっ、拗ねる?意味がわからないんだぜ!」
「ふふん、ヨンスったら子供っぽいヨー」
「〜〜だからっ!」
「はいはい、喧嘩はそこまでにして、そろそろ予鈴なる的な。早く行きましょ。」
「あっ、そうですね。教えてくれてありがとうございます、香くん。」
「、、っす。」
さあ、菊さんへの気持ちを自覚して1日目の学校が始まる。
って、俺も放課後着いていくって言い忘れた。
太陽がてっぺんにきた頃、昼休みのチャイムが校内に響く。先生が「今日の授業はここまで。」とチョークをことりとおき、日直が授業の終わりの号令をかけた。教室はガヤガヤとし始め、購買でパンを買いに早歩きで廊下をかける者もいれば、机をくっつけ始め鞄から弁当を取り出す者もいる。俺も鞄から先生お手製の弁当を取り出す。
「おい、香!お前もこっちで一緒に食べよーぜ!」
「んー、パス。」
「相変わらず釣れないなぁ。」
「そーりー、またの機会に。」
「おー!」
クラスメイトからのお誘いもあったがお断りさせてもらった。だって昼食を一緒に食べる相手はもう決まっているから。
「菊さん。」
「あら、香くん!早かったですね。」
「今日も菊さんが一番乗りですね。」
あまり人通りが少ない校舎裏に少し大きめのベンチがある。そこで俺たちはよく食べている。
「梅さんは?」
「梅は先生から資料運ぶの手伝わされてるみたいで、、、ヨンスは?」
「授業中居眠りしてましたので、今頃焦ってノート写してるんじゃないんですかねぇ。」
「あぁ、、、やっぱり。」
「毎度毎度よくやりますねぇ。ふふ、」
「、、、そっすね。」
「香くんは優秀ですから授業中居眠りなんてしたことないでしょう?」
「んー、、、まぁ、ないっすね。」
「ほら、やっぱり。」
「そういう菊さんだってしたことないでしょ。」
「、、、実は何回かあるんですよ。」
「えっ」
「深夜アニメをリアタイで見たくて、、あと、夜遅くまで二次創作漁ってたりしててですね。お恥ずかしい、、、」
「菊さんも、そういうのあるんすねー。」
「あるんですよー。あっ、これ格好悪いので他の人に言わないでくださいね、2人だけの秘密です。」
「!!、、、はい。」
「ふふ、ありがとうございます。」
、、、はぁ。こんなんで嬉しくてニヤけそうになってしまう。こんなにも自分は単純だったであろうか。2人だけの秘密、、、秘密。2人だけの、、、
「なんか嬉しそうだネ、香。」
「「梅(さん)!!」」
脳内がキモいことになりかけていた時、丁度梅がやってきた。普段表情が読みにくいと言われる俺だが、流石妹というべきか、隠れた俺のニヤけ顔をすぐに見破った。俺の方をジトリと見たかと思うと、すぐに菊さんへと視線を変えにこりと微笑んだ。
「ごめんネ!菊さん、待った?先生に面倒事頼まれちゃって〜」
「そうみたいですね、お疲れ様です。」
「へへ〜、あれ?ヨンスはまだ来てないの?」
「なんか居眠りしてたらしくて、今必死にノート書き写してるって。」
「あぁ、、やっぱりネ。そんな事だろうと、」
「、、、あっ、噂をすれば、、、」
ヨンスが向こうからぜいぜい息を切らしながら、走って来る。
「まっ、また俺が最後なんだせ?!」
「ちゃんと授業を聞いていないから的な。」
「うっ、うるさいんだぜー!最初の方は聞いてたんだぜ?!」
「じゃぁどんな内容だったのよ?」
「え?えぇと、リトマス紙が青色に変化するのは、、なんとかかんとかで、、、」
「それ前の授業じゃないですか。さっきやっていたのは科学ではなく数学ですよ。」
「ぼ、ボケただけなんだぜー!!」
「嘘おっしゃい!」
「そんな事より!早く食べるんだぜ!!昼休み終わっちまうんだぜ!!」
「ん、、、そうですね。」
菊さんがいただきますと手を合わせる、そしてパカリとお弁当の蓋を開けた。
「わぁ!菊さんのお弁当いつ見ても美味しそうだヨ!」
「本当っすね、色とりどりで、、、菊さん自分で作ってるんでしょ?凄いっすね。」
「そんな、そんな。両親2人とも忙しいので1人であることが増えたと同時に身についただけですよ。」
「ふふ、菊さんえらいネ。」
「嬉しいです。」
「菊ー!俺の弁当は!?」
「はいはい、ありますよ。どうぞ。」
「褒めて遣わすんだぜ!おぉっキムチも前より入れてある。」
「貴方が前回、キムチが少ない少ないと五月蝿かったから、、、」
「だっだって、」
ヨンスの弁当は菊さんが作っている。腹立たしい事に。ヨンスも料理は出来なくもないのだ。なんなら上手い方で、前に食べさせてもらったものは凄く美味しかった。ただ、寝坊するから朝弁当を作る暇はないのだ。ヨンスの親もまた菊さんと同様忙しくする日が多い。だから料理も弁当を作ってくれる人は朝はいないらしい。なら購買でよくないか?となるのだが、ヨンス曰く、
「キムチが入ってないと午後からの気合いなんて全く入らないんだぜー!!!」
らしい。だから菊さんに作ってもらってる。腹立たしいことに。
「菊さんに作って貰えるだけで有難いのに、文句言うなんて!ヨンスに作るのやめて私に作ってヨ!」
「なっ、」
「ふむ、たまにはそれもいいかもしれませんね。」
「ななっ、」
「じゃぁ日替わりで俺にも作ってくださいっす。」
「なななっ、、」
「そうですねえ、香くんは何を入れて来て欲しいですか?」
「んー、俺は、」
全員の目をパチクリとさせる。ヨンスが素直な気持ちを伝えるなんて、、、しかも独占欲的な、、、。ヨンスはそう言い放ったあとハッとして顔をみるみる赤く染めていった。まったく、いつまで無自覚のままでいられるのやら。
「いきなりどうしたんです?」
「はっ?えっ、なっなな何でもないんだぜ!?」
「面白いくらい慌ててるヨ。」
「あれは自覚するのもそう遅くない的な。」
「うぅん、自覚されちゃ困るんだヨ。あーあ、なんで香も気づいちゃったかなぁ。」
「ほんと、、、なんでだろうな。」
そうこうしてる間にここへ来てから10分もたっていることに気づく。俺と梅はハッとして急いで弁当を開けた。
「美味しそうですね。耀さんの料理ですか?」
「、、、はぃ。そっすけど。」
「ふふ、やっぱりお上手ですよねぇ。」
「まぁ、、、」
「本当、、、羨ましいです。」
菊さんは、菊さんは先生のことが多分好きだ。
先生と菊さんはよく言い合いをしてる、けどその時の2人はなんだかんだ楽しそうだったりして、、、お互いのことをよくわかっているのだと、その光景を見て痛いほど知った。先生が菊さんの事をどう思っているかはわからないけど、きっと好きなのだろう。これだけ長くいたらなんとなくわかる。
2人は多分両思い。
「、、、」
「、、、あっ!香の餃子の方が具つまってる!交換して!!」
「は?嫌的な。」
「いーじゃんケチんぼ!!」
「ケチじゃねーし!大体そんな大きさ変わらないし!」
「、、、香、そんな顔してちゃ運もよってこないヨ?」
「っ、、、!」
「まだ自分の手から届く運を勝手に諦めちゃだめだヨ。ボケっとしてると私がとっちゃうからネ?この餃子のように。」
「!!、、、って餃子はあげるって言ってない的な!!!」
「私はお腹減ってるんだヨ!!」
「いや、知らん的な。」
「梅さん、お腹が空いてらっしゃるなら私の食べます?」
「えっ!いいの!!」
「勿論です。はい、あーん。」
「ひゃー!やったヨ〜」
「なっ、、」
菊さんのこういうところだ。小さい頃の名残で時々幼児のような扱いをしてくる事がある。こちら側ばかりが意識してしまって、本当に恥ずかしい。けど辞めないで欲しい。
「あーん。」
「美味しいですか?」
「うん!!凄い美味しい!毎日食べたいくらいだヨ!」
「嬉しいです。梅さんは人を褒めるのがお上手ですねぇ。」
人を褒めるのが上手いっていうか、菊さんだからじゃ、、、。梅が菊さんの作った卵焼きをモグリモグリ食べながらこれ見よがしに見せてくる。くそ、普通に羨ましい。梅ばっか得しすぎ的な。放課後だって一緒に遊ぶ約束して、、、あっ、俺も行きたいって言おうとしてたんだった。
「あの、梅、菊さん、」
「どうしました?」
「俺も放課後着いていってもいいっすか?」
「えっ」
「はあぁぁぁああ!?」
「俺もそのカフェ気になってたんす。ダメですかね。」
「はぁ?ぜぇったいに、いっ」
「いいですよ?」
「大勢の方が楽しいですし、そこで黙々と食べてるヨンスさんも来ませんか?」
「、、、え?なんか今言ったんだぜ?」
「だから、放課後一緒にカフェへ行きませんか?」
「!!いく、行くんだぜ!!」
先程の「菊の弁当は俺だけ」発言をしてから放心状態だったヨンスの意識が戻る。
「菊さ、私は2人で、、、」
「梅さんもその方がいいですよね。」
「、、、ぅん。」
菊さんは空気を読むのが上手い。しかし、自分の事となるとどうも鈍い。鈍すぎる。梅の周りを漂う空気が明らかに濁っているのを菊さんは気づかない、こういう時だけ気づかないのだ。
むくれながらしょんぼり俯く梅にちょっと罪悪感を感じたが、感じた束の間俺の方を、とてもじゃないが菊さんには見せられない形相で睨んでくる。流石の俺でもちょっと、ビビった的な。
まあ結局なんやかんやで俺たち4人でカフェに行くことになった。
「菊さん!」
「香くん!早かったですね。」
「っす。今回も菊さんが一番乗りっすね。」
「ふふ、この会話お昼の時もしましたね。」
「はは、そっすねぇ。」
やっぱり俺が玄関に着いた頃には菊さんが既にいる。なんとなくそんな気はしてたので、予想が当たって俺は頬を緩ます。
「そういえば、梅さんは?」
「あーーー、、、その事なんすケド。」
「?」
「早退したんですか!?」
「はい、なんか腹の調子が悪くなったみたいで、、、」
「そうですか、それはお大事に、、、ってもしかして私がお昼あげた卵焼きでなんじゃ!?」
「いや、そしたら菊さんもなってますから。」
「あっ、そ、そうですね。」
「多分、昨日の夜、風呂上がりにアイスドカ食いしてたから。」
「あ、あらまぁ。」
「一緒に行けなくなって本当残念ですね。」
「えぇ、本当、、、」
いやぁ、昨日アイスドカ食いしてくれてマジ感謝的な。まあ俺が梅の分まで楽しんでやるから、安心するといいっす。
ただ、ヨンスがなぁ、、。
「んー、それにしてもヨンスさん遅いですねぇ。」
「そっすね、あれ?菊さん携帯なってる。」
「あらほんと、って、ヨンスさんからですね。」
「なんて?」
「えぇと、、、『今日補習あったのすっかり忘れてたんだぜ!残念ながら俺は行けないんだぜ、寂しくても泣くななんだぜ!!』、、、との事です。」
「うぉ、っ」
「え?」
「いや、なんでもないっす。」
危ない。思わず、うぉっしゃぁぁあなんて叫ぶところだった。こんな事ってあるだろうか。きっと神も仏も味方してくれているのだろう。まじ感謝的な。
「全くあの人は、、、仕方ないです。2人で行きましょう!」
「はい、、!」
学校からはまあ近い駅前のカフェはやはり人気なようで学生が多い。友達同士できてるものもいれば、恋人なんかでくるものもいる。
「んー、少し並ばないとですね。」
「そーみたいですね。」
「まあここまで来たんですし並びましょう。」
「はい。」
行列まではいかないもののある程度並ばなければならない。待ってる間は菊さんと他愛のない会話をしていた。
「それでですね、ポチくんとタマが一緒に寝てまして、、、」
「絶対かわいいじゃないっすか。」
「えぇ、とても!写真ありますよ、みます、、あっ!」
すると菊さんが何かに気づいたのか俺の袖を引っ張ってどこかを指差す。
「学生限定、恋人割、友達割ですって!」
「えっ、あ、本当だ。」
「折角ですし、友達割で、、、!」
「あー、いいっすね。」
友達、、、か。きっとこの人にとって、俺はずっと幼馴染の仲の良い友達。そのままなんだろう。なんかな、、、悔しいな。
「あっ、でも、、、」
「でも?」
「でも香くんと私って友達というより
の方がしっくりきません?」
「、、、んふっ、」
「?」
「はは、確かに。そうっすね。家族、そっか、家族みたいですね。俺ら。」
「えぇ、ふふ、なんで笑ってるんです?」
「あはは、なんででしょうね。」
自分でもよくわからないけど、家族、、、家族か。菊さんにそう言ってもらえたことが、なんだかむず痒いようで、、でも、嬉しいような、それでもやっぱり悔しいような。本当、よくわからない気持ちだ。
「うぅん、でも家族割はないのでやっぱり友達割で、、、」
「そっすねぇ。、、、まぁ、俺は恋人割りでも全然構わないですけど?」
「えっ!」
菊さんの顔がぽぽぽと赤くなっていくのをみてまたフハっと吹き出す。本当、可愛い人だ。
「もっもぉ、揶揄わないでください!!」
「ははは、さーせん。冗談ですよ、」
今のところは。
「あっ、そろそろ順番来ますよ。早く行きましょ。」
「はいー。」
そう、今のところは。友達でも、家族でも我慢するけど、、、いつかは、こっち、恋人割りを使えたらいいな。なんて。
続かない?
コメント
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うそぉーーーんこれ続かないんですか…?まぁ…主様が言うなら別にいいですけれどね!