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ブロ⤴︎ッコリー
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冗談と本気。
💚『 』
🤎「 」
カラカラと音を立てながら枯葉が舞う。
少し冷たい風は、冬の訪れがすぐそこまで迫っていることを感じさせるようだ。
ダンスレッスンの合間に、気分転換で屋上に行く。
先程まで動いていたためそこまで寒くない。
少し錆びれたベンチに腰掛け、遠くを見渡す。
日が傾き、太陽が沈もうとしている。
美しい夕焼けに見惚れていると、何か温かいものが頬に押し付けられた。
「…うわっ、びっくりした」
驚いて振り返ると、缶コーヒーを持ったタクヤくんが微笑みながら立っていた。
『お疲れ』
そう言ってよく飲んでいる銘柄の缶コーヒーを手渡し、隣に腰掛ける。
「…ありがとうございます」
『どういたしまして』
手渡された缶コーヒーは熱く、手を温めるのに最適だった。
こういうことをサラッとできるところがかっこいい。
「いただきます」
『律儀だな』
ふわっと顔を綻ばせるタクヤくんを見て耳に熱が集まる。
ただの缶コーヒーがいつもより甘く感じた。
『お、夕焼けきれい』
ぽつりとタクヤくんが呟く。
夕日に照らされた顔が眩いほどに美しかった。
ドラマの中から飛び出てきたみたいだ。
「…綺麗」
『ん?なんて?』
つい声が漏れ出ていたみたいだ。
「いや、夕焼けがきれいだなって」
『そっか』
誤魔化すように言葉を付け加える。
特に深堀してくる様子はなかった。
上手く誤魔化せたようだ。
安心してほっと息をついた。
ひときわ強い風が吹き、思わず身震いする。
先程まで踊っていて暑かったため、上着も羽織らずそのまま出てきてしまっていた。
堪らず腕を手でさすると、心配そうに覗き込んできた。
『寒い?』
「…めちゃ寒いっす」
カタカタと震える自分とは対照的に、タクヤくんは何ともなさそうだった。
「…あっためてくださいよ」
あまりの寒さにこの際どうでも良くなって、助けを求めてみる。
数秒タクヤくんが固まる。
何か変なこと言ったか…?
思考を巡らせるも思い当たる節がない。
「タクヤくん…?」
次の瞬間、腕を引かれタクヤくんの膝の間に吸い込まれる。
「…へっ?」
『…俺今何も持ってないからこれで我慢して』
後ろから腕をまわされてタクヤくんの体温に包まれる。
いわゆるバックハグの状態。
まさか自分がされる側になるなんて。
今自分が置かれている状況を理解した途端頬が一気に熱くなる。
「さ、さすが俳優は違いますね…!
いやー好きになっちゃいますよ こんなの」
動揺して、茶化すようなことしか言えない。
『…なればいいのに』
「…えっ?」
何を言っているのかこの人は。
さてはからかわれてる…?
「もう、冗談はやめてくださいよ」
『冗談だと思う…?』
タクヤくんの腕の力が強くなる。
…冗談…じゃない…の…?
その時左耳にリップ音とともに柔らかいものが触れた。
「…わぁ!?」
思わず立ち上がる。
『あ、逃げられちゃった、ざんねーん』
当の本人は、にやりと笑い楽しそうにこちらを見てくる。
その目の奥に、ギラギラとしたものが垣間見えた気がした。
居た堪れなくなって屋上から逃げ出した。
休憩時間が終わり練習再開の号令がかかる。
近くにいたタクヤくんと偶然目が合ったが、恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
練習中のタクヤくんをつい目で追ってしまう。
真剣な面持ちで踊るその姿は、先程の甘い時間を感じさせないほど集中していた。
俺だけ意識しているみたいで何だか悔しい。
余計なことを考えないように我武者羅に踊るので精一杯だった。
「…つ、疲れた」
ようやく練習が終わった。
着替えのため、練習室を出て荷物を置いている部屋へ向かう。
汗だくになったレッスン着から私服に着替え終わり、タクシーを呼ぼうとしてスマホがないことに気づく。
練習室の床に放り出してそのままだったのを思い出した。
面倒に思いながらも練習室に向かう。
重い扉を開くと、ちょうど練習室から出ようとしたタクヤくんと鉢合わせた。
「わ、お疲れ様です」
『お疲れ』
『今日は驚いてばっかだね』
けたけたと笑って俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「もー、誰のせいだと思ってるんですか」
『えー、俺?』
じとーっとした目で見つめてみるも、ふざけた調子の返事が帰ってくるだけであった。
ぷくっと膨れている俺を見てタクヤくんがふっと笑ったかと思うと表情が一変した。
ふざけ等ない、真剣な眼差し。
そして抱き寄せるようにして俺の耳元で囁いた。
『さっきの屋上でのこと、本気だから』
それだけ言ってタクヤくんは練習室を後にした。
1人残された俺は赤面して立ち尽くすしかなかった。
コメント
2件

うわーまじでいい!ほんとに! 胸がギュッってなりました! 緑茶ってまじ尊いー💕!
うわぁ……屋上でのバックハグ、そして耳元のリップ音、めちゃくちゃドキドキしました……! タクヤくんの「本気だから」が最後に来て、冗談っぽく振る舞ってたの全部仕掛けだったんだって思うと胸が苦しい……。主人公の動揺と照れがリアルで、読んでるこっちまで顔が熱くなりました。甘くて危険な空気感がたまらないです💚🤎