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あの一件があってからあの人とはあってない。そりゃそうか、接触禁止を言い渡されたんだから。
ようやく、自由を手に入れられた
そのはずなのに、心のどこかでまだあの人を探している。あんなに酷いことをされてたのに。
若井ではなく、あの人を求めている。その事実が僕の胸を締め付ける。
「元貴〜一緒にゲームしよ!」
「うん!」
「よっしゃ、今回こそ元貴に勝つ!!」
「やれるもんならやってみな笑」
一緒にゲームをしても、
「え、うま!」
「だろ!結構頑張ったわ笑」
美味しいご飯を一緒に食べても、
「あははっ笑 若井ドジすぎでしょ笑」
「うるせー笑」
くだらない事で笑いあっても、
心のどこかではあの人が住み着いている
こっちに来いと、貼り付けた笑顔で手招きしてくる
行ってはダメだと頭ではわかってるのに、心は勝手にそっちに行こうとする
さまよっている僕の心を見透かしたように若井は僕に言ってきた
「元貴、最近なんか悩んでることある?」
「え、なんで?なんもないよ」
「…そっか。なんか違う気がしたから」
こんなこと言ったらせっかく助けてくれた若井を裏切ることになってしまう
いや、きっと若井のことだから薄々気づいてはいるんだろう
お願いだからこのまま知らないふりをしていて
そんな僕の思いは届かなかったようで、今日の若井は諦めてくれなかった
「…俺に嘘つくの?」
「…嘘なんてついてないよ」
「元貴のことはなんでもわかるから」
…若井に隠し事は出来ないな
「どうしたの?」
「…若井にはこんなに良くしてもらってるのに、その、」
「…うん、ゆっくりでいいよ」
「…まだ、あと人のことが忘れられなくて」
「…そっか」
そりゃそんな顔になるよな。
あんなに体張って助けてくれたのに。なんのために助けたんだよって感じだよな
「ごめん、でも、あの時ついて行ってたらどうなってたかわからないから、助かった。ありがとう」
「…うん、元貴はこれからどうなりたい?」
「え?」
「あの人にあいたい?」
どうなんだろ、あいたい、怖い、あいたくない。矛盾してる気持ちが僕の中でぐるぐる回る
「…わからない」
「…元貴の気持ちの整理が着くまで待つから、ゆっくりちゃんと考えよ」
「ありがと」
優しいな。そんな若井の優しさが僕の中の傷に染みて痛い
けど、少しずつ傷は癒えてきている
若井と居ると幸せな気持ちがいっぱいになる
…あぁ、僕は若井が大切なんだ
今までは自分の気持ちにずっと蓋をしてたからなかなか気づけなかった
ようやく気づけた、僕の大切な気持ち
「…若井、僕もう大丈夫。あの人が居なくても大丈夫だよ」
「…ほんとに?」
「うん、若井が大切だってようやく気づけたから」
「…え、今までそうじゃなかったの!?」
「いや、今までも気づかなかっただけで大切だったよ?だから自分の気持ちあの人にぶつけられたし」
「あぁ、よかった」
「だから、ありがとね、若井」
「うん、俺も元貴が大切だよ」
「…うれしいね」
「だね」
正直な気持ちを伝えると嬉しくなる。それと同時に恥ずかしさもくる
若井といると気づかなかった気持ちがどんどん飛び出してくる
自分でも知らなかった僕を、若井は気づかせてくれる
これからも僕は色んなことを知っていくだろう
若井も、僕自身も、何気ない日常も、全部大切で全部愛しいものだ
― fin ―
これでいいのかという感じが拭えん。やっぱ物語系苦手ですね。
気まずいシーンなくていいかな