交換条件6日目
今までとは少し違う重い足取りで独房に向かう
もう交換条件を出されてから6日が経とうとしている
あと1日でこの変な生活ともお別れになる
考えているうちにymdの独房の前まで来た
今日もいつもと同じように重い独房の扉を開ける
ymd)おい、遅いぞ
そしていつもと同じようにymdが怒るように話しかける
tk)ごめん…
ymd)まあ俺、優しいから許したるわw
いつもと同じようにymdがふざけた声で笑いかける
ymd)で、今日は何の話する?
そしていつもと同じように、2人だけの話を始める
tk)何でも良いけど
いつもと同じ質問にいつもと同じように答えを返す
ymd)お前いっつもそれやな
tk)だって思いつかないし
ymd)じゃあ…
ymdがいつもと同じように俺に話題を振る
けど、この“いつもと同じ”は今日で終わりなんだ
明日にはこいつは俺の隣にいない
俺は明日こいつを殺すから
いつもみたいに悠長に話す彼を横目で眺める
何故か彼といると口が緩むんだよな
そんなことを思っているとymdが黙る
tk)どうした、急に黙って
ymd)…いや、そういや終わりやなって思って
tk)何が?
分かっているのにそう問いかける
ymd)もう今日で話出来ひんやん
明日話せたとしてもちょっとだけやろ?
tk)まあ…
ymd)まともに顔みて話せるのって今日が最後なんかなって
tk)…じゃあ今日はちょっとだけ長く居てやんよ
ymd)なんかありがとな
ymdが嬉しそうに笑う
ymd)せっかくやからなんか雑談しようや
tk)分かった
今日も雑談で時間が過ぎていく
気づけばもう数時間が経とうとしていた
tk)ごめん今日はもう帰るわ
ymd)分かった
今日はいつもみたいに我儘を言う気配もなくやけに素直だった
帰る直前ymdが口を開いた
ymd)なあ、tk
tk)何?
ymd)ありがとな、俺の話聞いてくれて
tk)なんだそんなことかw
ymd)それだけやから
tk)こっちこそありがと…
また明日
そう言い独房を出た
何故か今日は心に黒いモヤがかかったような、
そんな気分だった
アジトに戻り、自分の部屋に入る
ひっそりとした部屋に荷物を投げ入れる
tk)…疲れた
暗闇の中、明日に使うためのナイフを磨く
月明かりだけが照らす中、ひたすら磨き続けた
ymdを殺すのが明日になってしまった
コメント
4件
あと1日か、(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク でもこの話終わっちゃうのも寂しいなー 終わってからも見続けちゃうなw てかよくこんな神作品かけるな!!? 分けてほしい、色々と()