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「シュドに聞きたい事があって…」
「どうせ体重のことだろ」
この質問をされることがわかっていたかのように言う
「うん…」
「一応言っておくが能力の副作用だからな」
「えっ!?あっ、そうなの?良かった~」
アストの顔が安堵に変わる
「俺の能力は魂と肉体の複製&再構築だ、今回みたく急いで構築したら細部まで造りきれないからな」
「そうなんだ…」
少し考えてアストが口を開く
「もう、死なないでね」
「嫌だね」
「なんで!だって複製なんでしょ!シュドがシュドに似た何かになるなんて嫌だ!」
「もうその段階はとっくに過ぎてるっての 他に何か聞きたいこととかあるんじゃないのか?」
「あっ!そうそう、さっきの戦いの時に蝶みたいなのが見えて…その時に周りが凄く遅くなって」
「切り替え早ぇな〜…」
シュドはリボルバーの分解をしながら「恐らく…」と話し始める
「恐らく高出力の魔力を浴びたことによる一時的な覚醒だと思う」
「じゃあ蝶みたいなのは…」
「自身の潜在意識の魔力の造形、そういうもんだと思うが」
「ん?じゃあもしかして僕も魔法が使えるってこと!?」
「まぁ、訓練次第では」
「じゃあ僕の親って貴族ってことだよね!」
「その線は薄いだろ」
即答されたので少し驚く
「なんで?」
「魔力の変換器官は性能の差はあれど全員が持ってるもんだぞ、選民思想的なプロパガンダの影響で大抵は使えないと思ってるだけでな」
「なんか…嫌な感じ」
「誰もが自分は特別、他人より優位に立ち回れるって思いたいのさ」
「なんかだんだん人間が醜く思えてきた…」
「一部の連中と自分とを一緒にすんなよ」
「お嬢様方は何故このような場所まで?旅行…となる見どころも無いに等しい土地ですが」
「実は…逃げて来たんです、父…いや、公爵家から」
「一体何故?」
重い雰囲気で話し始める
「私は父の道具に過ぎなかったのです。知っての通りグラディエール家は代々魔術の研究を家業としています、しかし父の代になり研究が停滞し始めてしまい思うような結果が出せずにいました。そんなある日、家にとある女性が訪問されました、そこから父は変わってしまった。父は姉と比べ魔術の才の無かった私を研究材料にしようと…うっ…」
慌ててガイルが立ち上がる
「それ以上は大丈夫ですので」
「いえ、話させてください…良いですかね」
「貴女が良いのであれば」
そうして再び話し始める
「父のその行動に否定的だったお母様やお姉様、家の者共も次第に賛同し始め、命の危機を感じた私は私を慕ってくれていた者共とともに逃げようとしていたら先程の状況に」
「なるほど…これから行く当ては」
「とにかく遠くにとだけ考えていたので…」
「ではラタールに行ってはいかがでしょうか?我々が来た街なのですがここから半日ほどで着きますし治安も王都ほどではありませんが良好です」
アリアの顔が明るくなる
「では、当分はそちらを拠点にしていきましょう。ガイルさん…ありがとう!」