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壱「噂」
この世には呪いや魔法、妖術など様々な伝説がある。それらを使える様な者は一切見聞きしない。それ故信じぬ者も多数いた。その様な力は全て人々による言霊の力により実際にある、作られたとしたら?力により世界の法則が変えられてしまうかもしれない。そのような事により巻き込まれた他人の命が消えてしまうかもしれない。世界の均衡が崩壊して争いにまみれてしまうかも知れないだがそんな力が伝家にのみ伝わり、今も残っているとしたら?最近そんな現実離れした噂が校内で流行っている。僕は何度めかわからぬ程の噂声に欠伸を噛み殺しながら応える。勉学、運動、健康面でも人並みより少々優れている僕はクラスでも注目の存在だった。何度同じ話題について話したのか、それすらも覚えていない程で最初は戸惑いがあったが、もう慣れた。本当はコミュニケーションは苦手で読書が好きだった。取っ換え引っ換えで僕に話しかけるので適当に相槌でも打てば嬉しそうに返してくる。ずっと押し込めてきた苛立ちに家では鬱憤を紙に書き留めゴミ箱に捨てる。そんな毎日だった。いつも通りの帰り道に不思議なクシャクシャになった紙が落ちていた。見つけたのは偶然だったが妙に好奇心を擽る皺くちゃな紙には笑えてくる程の下手な字で、訳の解らぬ言葉がひらがなで綴られていた。そっとポケットに拾った僕は、家に帰って声に出して音読しようと思う。いつもより早めに踏み出す足どりは少し軽いような気がした。
弐「妖術」
自分の部屋で家族に気づかれない程の小声で下手くそな字を丁寧に声に出す。一行目が終わると同時に世間一般で言う魔法陣のような光る円が紙から浮き出た。そんな光る円からは一冊の本が出てきた。漫画で出てくるような茶色いカバーに金の文字で『妖術呪文集』等と巫山戯たタイトルの本だった。怖くなった僕は本棚の空いているスペースに片付けようとしても一頁目が開き、閉じなくなっている為、本棚には入れられなかった。本から浮き出た文字には、《この頁を声に出して読め》等と書いてあり、怖気づいた僕は後ろに後ずさった。それでも付いてくる本に鬱陶しさを覚えながら仕方なく折れ、小声で読む。「ーーーーーーー」読み終わると同時に怨霊魂が僕の周りにゆらゆらと飛び出た。あの噂、こういう事だったのか。と現実逃避気味に切羽詰まって漏れ出しそうな声を押し殺し、ネットでどのような現象なのか調べる。いくら調べたってヒットしない。出てくるのは僕の知らないジャンルの漫画の画像とかだけ。噂自体の信憑性はかなり低かったが可能性は無いわけではない。噂を調べれば?ローマ字を日本語に変換するのも忘れ、半角英字入力で必死に入力する。時間はある、優先順位など考える余裕も不可解な現象の前では微塵もなかった。僕の聴覚が研ぎ澄まされ、部屋の中で鳴り響くのはキーボードのカタカタという打音とキンッとする耳鳴りと一粒の冷や汗の滴る水滴音、早くなってゆく心臓の鼓動音。漸くヒットし、『妖術呪文集』たる物の詳細を見つけた。【妖術呪文集は文字通り古から伝わる妖術に纏わる文を妖術使いにより手書きされた書物で何らかの条件を満たした者のみ読める物。解読不可な為、所持者のもとに返された。○月○日 追伸:光と共に消滅を確認⋯現在原因調査中。】○月○日?今日は⋯▵月▵日だ。最終更新日は数年前で止まっている。これ結構な事件なんじゃね?目立ちたくない僕には通報なんて出来やしない。妖術呪文集からも文字が浮き出て《警告:通報するな》って出てきたし、これ以上注目を浴びでもしたら⋯想像しただけで無理。窶れ死ぬ。。。今後また不可解なことが起きたときのためにスマホのメモアプリに日記をつけよう。今日は⋯拾った謎の紙を音読したら妖術呪文集が出てきた事、妖術は実在した事、妖術を使えた事、妖術呪文集には恐らく何らかの意志がある事。夕飯の匂いがする。カレーかな?怨霊魂って念じただけで消せたり出せたりするっぽい。これからも不可解なことが続くかもしれない。失う物があるかもしれない。かもしれないに囚われて不安に襲われたが食卓に向かう。課題も終わらせなきゃ。カレーの味なんかしなかった。妖術のせいかな。明日はあの紙の二行目、読むとするかな。
参「呪い」
学校帰り、自室で紙の二行目を読む。「ーーーーーーー」魔法陣のような光の円盤からは一冊の本。茶色のカバーに金の文字で『呪術呪文集』が出てきた。一頁目を読むと異世界物の漫画に出てきそうなスライムのようなものが視界いっぱいに映し出された。家族を見てみるとオーラのような光が見える。逆光の写真と似たような感じでそれよりも後光が強くて、この謎な既視感は一体なんだろうと思ったら夜中に再起動したスマホの眩しさだった。またもや妖術と同様オーラも切り替えの出来るといった謎な便利性。妖術呪文集と似たような詳細だろう。関係のない事だけど呪術呪文集って言いにくいなって。呪術呪文集って間だけでも三回も呪って言ってるし、、、ネーミングセンス重要。またじゅって言っちゃった。僕を鏡で見たらどうなるのだろう。反映されるのかな。なんて馬鹿なことを考える僕がいました。見ることの出来ぬ程の光が差し込む。鏡の反射で太陽を直視したみたいに目が痛い。こりゃあ視力落ちたな。そうだ忘れてた。日記をつけなきゃ。今日は、紙の二行目を読んだ。呪術関連書物、『呪術呪文集』を見つけた。っと。あ、課題がまだだった。世間的に優等生と分類される僕が課題を忘れる等してはならない。僕はみんなのお手本として大事なんだ。呪術といえば主人公が怪物と戦う映画化までされた有名な漫画⋯アニメが真っ先に浮かぶだろう。でもよくよく考えると呪術にまつわる話って大体こんなじゃね?こんな失礼極まりないことを考えつつも着々と課題を勧めていく僕⋯かっけー!はぁ。何僕ナルシストにでもなったのか?課題の終わりが見えてきた。勉強楽しいお☆って言って皆を引っ張る義務があるのだ。無言の圧力に耐えるんだ。。。滑ったときとかの周りの真顔とかの圧力にも⋯!頑張れ伊藤葉瑠記。はぁるぅきぃ頑張レッグバンドぉぉ!リ○グフィットアドベンチャー楽しいじゃん!!!ネタ伝われよクソがぁぁぁぁ( ´◜ᾥ◝` )ゴゴゴ誰に話してんだよチッキショー!コ○メ太夫だよ古くてわりぃな!!!エンガチョォォォォォ三└(┐卍^o^)卍ドゥルルルル葉瑠記ぃぃぃ何言ってんだお前ぇぇぇぇぇぇぇ!!!(某麦わら帽子のゴム人間感)ってツッコんでくれる誰かっちください。(パーフェクトコピーなワンコ感)この流れからして次は魔法っしょ!え?フラグ?なにそれぼくわかんないだってPerfect humanですから!スポーツマンですから!!!(スラムデュンク)読み上げてみますかぁぁぁぁぁぁ!テ↑ン↓ショ↑ン↓上がってきた!今なら阿波踊りできるよ。
あ、作者さんいいところに来た。『こんな失礼極まりないことを考えつつも着々と課題を進めていく僕⋯かっけー!』からカットで。⸺カット⋯できない?なんでだよ「ずんちゃずんちゃうぃぃぃ↑↑↑」
肆『霊術』と『相棒』
気を取り直してシリアス?に戻ります。『こんな失礼極まりないことを考えつつも着々と課題を進めていく僕⋯かっけー!』から『⸺カット⋯できない?なんでだよ「ずんちゃずんちゃうぃぃぃ↑↑↑」』まで忘れてください。
次は⋯『ーーーーー』霊術かよ。魔法かと思ってた。噂とちゃうやん。使うとするか。「ふぇ!?えっえと、、、こん、、、ばんは」なんか出てきた。ショタだ。それも二次元系の。蒼の混じった白髪に吸い込まれそうな程の深い青の瞳。極めつけに萌え袖の右肩出しだとぉ!?何この子可愛っっっってかマジで誰?「だ、誰?」この質問だよなぁ。何だこの普通な質問。ドストレートisドストレート。「は、はる、はるのみず⋯みずき。は、春野水樹、です。」滅茶噛むやん。泣きそうな顔やめて。目尻に涙ためてる。溢れる前にハンカチを献上しよう。養いたい!うちの子になろう!尊いマジ無理( * ˘ཀ˘🙏ニヤける融通の効かない顔をいつも通りにする。「春野水樹君か。霊術の本から出てきたけどなんか特殊な力とか持ってたりするかな?」重要なのはそこ。どんな力持ってんの?どちらにしろうちの子になって貰うけど。一応気になるし。一応。でもまあ水樹君にしか興味ないし力は二の次だけど。「霊子を操れます。ふぇえっと⋯具体的には⋯物質を創ったり消したり別のものに創り変えたりとかです。」今までのクソみたいな能力達と違ってチートじゃねえか。可愛い見た目して⋯!なんて凶悪なショタなんだ!そりゃ神様もこの子に力与えたくなるよ。護身用としても必要だね。「凄い!僕の名前は伊藤葉瑠記。はるき とか はる って呼んでね。敬称とか敬語とかなしで!タメでいこ!」勢い強すぎたかな。ごめん怖がらせたのかな。「は、はる、君?」「尊いっっっっっっ_:(´ཀ`」 ∠):」「とうと?大丈夫?主様⋯じゃない。はる君!回復術発動」「何が起きたんだ!?僕誰ここどこ?」思い出せない。記憶喪失か。倒れてたってことは頭でもぶつけたんだろう。「はる君ちょっと待っててください。復元術!これでしばらくすれば起きるでしょう。僕の前の主様が喜んでた膝枕でもしますかね。」枕があったかい。ま、枕があったかい????今これどういう状況?水樹くんに膝枕⋯されとる。起きたくない⋯起きたくないけど頼めばまたしてくれると信じて起きるかもう!!!!