TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

愛してるから、壊れた

一覧ページ

「愛してるから、壊れた」のメインビジュアル

愛してるから、壊れた

2 - 第2話 鍵のかかった部屋で②

♥

62

2025年08月27日

シェアするシェアする
報告する

「……なあ、アル。お前、正気かよ?」
アーサーは乾いた声で言い放った。

睨むように視線を上げるが、アルは微笑みを崩さない。


「正気、だよ。……ずっと昔から、ずっと変わらない。俺が君を、どれだけ好きだったか――知らなかったのは、君だけだ」


「”好き”って……は? お前、勝手に監禁して、それで”好き”? バカじゃねぇの?」


「違う」

アルの声が一瞬だけ低くなった。

「“勝手に”じゃない。君が、俺から逃げようとしたから……だから、ここにいるんだ。

そうしなきゃ、もう君は二度と俺の前に戻ってこなかっただろう?」


アーサーは眉をひそめる。

確かに、昨日までは家にも帰らず、誰とも連絡を取らずに“逃げていた”。けど、それは――


「……俺が、お前の気持ちに応えなかったからって、こんなことしていいわけねぇだろ」


「じゃあ、どうしたらよかったんだ?」

アルの声が、静かに尖る。


「目の前で他の奴と笑って、平気な顔で俺を避けて、それで俺は――何も言わずに笑ってればよかったのか?

違うだろ? 俺の気持ちくらい、少しは気づいてたはずだぞ、アーサー」


「っ……」

図星だった。


無自覚ではなかった。

アルの視線の熱さも、何気ない触れ方に込められた温度も――全部、気づかないフリをしていた。

それでも、こんなやり方はおかしい。


「……お前、最低だな」


アーサーが吐き捨てると、アルの表情が一瞬だけ曇った。だがすぐに、優しく、どこか壊れたような笑みを浮かべる。


「……最低でもいい。嫌われてもいい。

それでも、君がここにいるなら、それでいいんだ。

……俺は、君が笑うたびに壊れそうだったんだぞ。俺以外の奴に、それを見せるな。……お願いだから、俺だけを見て」


「……は……マジで、重てぇよ、お前」


「うん。重いよ。最初から、軽い気持ちで好きになんてなれるわけないだろ。

――俺は、本気なんだぞ。命だって、君のためならどうにでもなる」


アーサーの胸に、ひやりとしたものが這い寄る。

アルの“愛”は、もうすでに愛の形をしていなかった。


だが、それでも――心のどこかで、その歪んだ優しさに揺れている自分がいるのも、確かだった。

愛してるから、壊れた

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

62

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚