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桜の芽吹く麗らかな春。
じんわり汗をかきそうな暖かさの合間を風が抜けて、制服を揺らした。
高校生最後の春。
その字列がぼんやりと僕の頭を埋め尽くす。
約二年前、受け継がれた力を手に、死に物狂いで雄英高校に入学した。
“架空“みたいな体験をさせてもらった。
それでも確かに身体に残るこの傷と、額から首筋まで流れ落ちる汗は”現実”でしかなく、
それを自覚すればする程にヒーロー候補生として、この力の継承者として、日々研鑽を積んだ。
それも片方は役目を終え、こんな僕にも高校生最後の春がやって来た。
さぁ新学期だ___と、と意気込んでいたのがほんの数十分前。
そして今
「出久」
「緑谷」
左側からはかっちゃんが、右側からは轟くんが、
校舎の壁に追い詰めるように僕を取り囲んだ。
「「好きだ」」
「え、えええ……………っ!?」
緑谷出久、ギャルゲ主人公説の提唱(?)
※↑タイトル