(前回の続きです)
「はっ」 っと咲良は息をのんだ。
それは小さいころ、姉と約束した『カット券』だった。
「ねっ? 懐かしいでしょ。あの頃の気持ちを思い出して」
「でも…私っ お姉ちゃんよりずっと下手だし、まだアシスタントだしっ」
「なに言ってるの。咲希は下手なんかじゃない。この仕事に慣れてないだけだから焦らないで。ありのままの咲希でいいの」
「…ありのままの私でいいの?」
「そう!だって、私の自慢で可愛い妹だもの! 失敗するはずがないっ!」
「…ありがとう。咲良お姉ちゃんっ」 っと言って、咲希は涙を拭いた。
…あれから3年が過ぎた。あの夜の姉の言葉は今でも私の支えとなっていて、地道にセンスを磨き、今では咲良お姉ちゃんとプロの美容師になっている。そして明日、新しいアシスタントが入ってくる。その時には優しく教えてあげようと心に誓った。
これで、『カット券』は完結しました!次回作もよろしくお願いします(≧∀≦)
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