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「 実夢 」
雨が煩く鳴く日、今宵もまた普段通り簡単の取引をして簡単に報告書纏めてUSBと共に本部に送り帰路に着く。それだけだ、それだけなのに何故か違和感を覚える自身がいる。何故だろうか…自身にも分からなかったが何時もより警戒したが特に何も無かった、あぁ…俺の勘違いだ…それだけだとそう思って少し油断した隙に自身の身体に何かが突き刺さった
「ぐ………誰だ…てめぇ…」
「死にゆく奴に教える名前なんざねぇよ」
脳内に響く鐘の音
ふらっとして霞む目に映る金色の長髪
顔は見えずとも自身と同じ口調をしている
更に片手に持っている酒を見た
「GIN」
目が覚める
なんだ、夢か…本当最近はこういう夢が多くて面倒だ。最悪な目覚めだな
と独り言を呟くと隣ですやすや寝ていた弟分の目が覚めた。起こしちまったか?と思っていると
「兄貴、おはようございやす。具合とか怪我大丈夫ですかい?昨夜…中々帰って来ないもんで探したら路地裏で倒れていてとりあえず俺のヤサに連れてきてしまったんですが…」
昨日の悪夢は…どうやら実際にあったことらしい
弟分に回収されなければそのまま殺されていたら自嘲していただろう
「問題ない」
そう短く返しリビングの方へ行くとソファに寝転がっている誰かが居た。ソファの端から金色の長髪が垂れている。ベルモットかと思ったがこんな場所に来るはずもこんな場所で寝るはずもなくウォッカに
「あれはなんだ」
「あれ……あぁ…、兄貴の隣に倒れてたんでさぁ〜…兄貴に似ていたのと隣にGINってラベルの着いた酒が落ちていて…とりあえず何か知ってるんじゃと思い回収しておきやした」
「そうか… 」
俺は金髪に声をかけた
「起きろ」
「…なんだ」
「何故ここにいる」
「言わなくても同じなら分かってるだろう、なァジン」
…嗚呼…矢張り組織の薬で分裂したのか
「わざわざ俺を気絶させて演技で倒れたフリなんざ馬鹿馬鹿しい事せずともウォッカに説明すりゃあ良かっただろうが」
「慌てるアイツの反応が見たくてな」
「チッ」
この会話についていけず困惑するウォッカ
「どういうことですかい…?」
金髪の俺が反応した
「順を追って説明してやる」
数週間前
お前と任務後あの方の命令によりラボへ行く。すると1人の研究員がとある薬を銀髪の俺に差し出した。薬の内容は肉体分裂という巫山戯たものであり信憑性が無いものだがあの方が俺に飲むよう命じたらしい、それを研究員から聞き飲んだとこだろう。数日経っても何も起こらず症状も何もない、その為やはり嘘だと思っていたようだがさらに数日して俺が生まれた、俺は此奴の記憶もあるが此奴は俺の時の記憶はさっぱりない、同じ俺だが対象的な面もあるし俺が持ち合わせてないものは此奴が持っていてこいつが持っていないものを自分が持ってることがあるということだ。これを戻す術は無いから永遠にジンは二人いる事になるというとこか?
「はぁ…成程」
「知るのはあの方とラム、そして俺達3名でいいだろう。研究員には失敗と伝えておく。この研究が進められればメリットはあってもデメリットの方が大きい場合があるからなァ」
「嗚呼、そうだな…場合によっては自身の人格を壊しかねない。他にも副作用がヒドイ可能性もあるからな」
と軽く金髪の兄貴が話すと銀髪の兄貴は報告連絡をしに別部屋へ。そしてソファいっぱいに座り足を組み煙草にライターで火をつけ吸い煙を吐き出す
「でもどうせ折角分裂したからにはこの状況利用してこれからは過ごすしかねぇな、ククク」
喉を鳴らしそう話す金髪兄貴の視線の先には報告連絡しに行った銀髪兄貴のいる部屋で
「(嫌な予感しかしないでさぁ…)」
これからどうなってしまうのやら…と内心苦笑いするウォッカさんでした。
end
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