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2話❀.*・゚
突然、白西が痙攣を起こし緊急手術を行うことになった。
俺は怖かった。白西が死ぬ…そう思った。
手術の間、祈っていた。ひたすら、、
(白西を殺さないで、助けてやってください)
何度も願った。
「死なないけどね」
白西の手術は終わり無事に戻ってきた。
危なかったらしい。
危なかったくせに何言ってんだ
「白西さ、夢ある?」
「夢?」
「ほら俺ら高3じゃん?」
「あー、私はね無事に3ヶ月すぎて生きてたら看護師になりたい」
「看護師?」
「うん、ほら私長い間病院にいたから憧れ初めて来てさ笑」
「いいじゃん 」
「颯馬は?」
「俺は長生きすること」
「へー」
「あと…」白西が俺より長生きすること、そう言おうとしたけどやめた。
何でかわかんない。
「あと5年だっけ、長生きしてよねあんたは」
「お前にあげたいわ笑」
「あんたの1部とか吐き気」
「おい笑」
俺の体も言うことをきかなくなってきた。
歩けない。思うように動かない。
それは1番ストレスだった。
くやしい
車椅子になった
「顔がイケメンだから似合ってんね笑」
気を使ってんのか白西はからかった。
すごいよお前は
だって車椅子も俺よりももっとちっさい時からで、体もひたすら痛そうにしていた。強がってたけど。
俺よりも痛い、苦しい、辛い、地獄だったのはわかってる
俺よりも辛い病気と戦ってる
俺も苦しいし辛いけど、 お前がいちばん辛い
だってお前はあともう2ヶ月だ。2ヶ月で死ぬかもしれない。いや、それより前に死ぬかもしれない。
そんな状況と戦ってる。
それから、白西との日々は、いつも以上に貴重に感じるようになった。1日1日が、大切な時間だった。
ある日、夕方の病院の庭で、白西と一緒にベンチに座っていた。ほんの少しだけど、空の色がオレンジに染まってて、なんか温かかった。
「今日も生きてやった」
そう言って、白西は得意げに笑った。強がってんのが分かるから、なんも言えない。代わりに俺も小さく笑った。
「まだ死んでほしくないな」
小さな声でつぶやいたら、白西はびっくりしたように俺を見た。
「なんでよ笑みんないつかは死ぬじゃん」
「そんな簡単に言うなよ」
「簡単じゃないよ、でもさ、怖くはないんだ」
そう言う白西の目はまっすぐで、迷いがなかった。俺はその強さにびびった。
「颯馬がいるから大丈夫。今はそれだけで、毎日が楽しい」
そんなことを言われて、胸がぎゅっと締めつけられる。でも、嬉しかった。俺は何も言えないまま、ただ空を見上げた。
「俺も、お前がいるから大丈夫なんだよ」
白西がそっぽ向けた。なぜかそれがまた、たまらなかった。