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今回「もうひとり」の続きではなく、別のものです。続きは出来上がり次第投稿しますのでお待ちください。


※ah sbru のストーリーに関するネタバレが含まれます。




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pin視点




俺はみんなが言う『家族』というものがわからない。

だから、さぶ郎にお母さんみたいと言われた時驚いた。

それからもさぶ郎にお母さん呼ばれていたが、その度に否定していた。

家族を知らない、ましてやお母さんというものを全くと言っていいほど知らない俺がそう呼ばれる権利はないと思ったからだ。

それでもさぶ郎は俺をお母さんと呼び続け、とうとう俺が折れた。

その時さぶ郎はとても喜んでおり、なんだか心があたたかくなった。


いつしかミンドリーも『家族ごっこ』のお父さんとして参加していた。

その頃だろうか、周りからも『警察家族』と呼ばれるようになった。

最初はなる資格などないと思っていた俺も、ここでなら『家族』というものを知れるかなと思うほどその関係を楽しんでいた。


だからこそ、さぶ郎から「幼い頃にいなくなった両親を探している」と言われた時は怖くなった。

もし、さぶ郎の両親が見つかったら『この関係は終わってしまうのではないか』。

俺はそう思ってしまった。

そんな自分に気がついた時、自分のことが嫌になった。

両親を見つけた時、素直に喜んであげられないかもしれない。それはあまりにも最低だと思った。

これ以上、離れられなくなる前に二人と距離を置こうと考えた。




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sbru視点




ぺいんさんに距離を置かれている。

そう気がついたのは、最近の行動からだった。

呼んでも聞こえないふりをされたり、用事を作りどこかへ行ってしまう。

3時以降も寝てしまい、話せない日々が続いている。

さぶ郎は何かをしてしまったのだろうか、考えても思い当たる節はなく謎は深まるばかりだった。

だから、聞くしかないと思い担架で拘束し無理矢理でも話を聞くという大分手荒な作戦をたてた。


「ぺいんさん!」


チルタイム中、本署廊下でぺいんさんを見かけ声をかけるもやはり、ぺいんさんは逃げようとした。

もう、するしかない。そう思い担架をし、ぺいんさんを拘束した。


「ぺいんさん、なんでさぶ郎のこと避けるの?」


ぺいんさんはさぶ郎のことを嫌いになってしまったのかもしれない。そう考えてしまい少し声が震えてしまった。


pin「….ってさぶ郎泣いてる!?」


「えっ…」


どうやら泣いてしまっていたようだ。自覚したらどんどん涙が流れてくる。止めなければならないのに、そう思えば思うほど止められなくなる。


pin「…..ごめん、さぶ郎話すから降ろしてもらっていい?」


「….逃げたり…しない?」


pin「うん、もう逃げない」


もう逃げない…そう言われ安心し担架からぺいんさんを降ろす。


pin「…家で話そっか」


「うん..」


ぺいんさんの手を握ると、寂しそうな表情をした後握り返してくれた。

そのままぺいんさんに連れられて最近一緒に買った家へと歩く。

その時にはもう私は落ち着きを取り戻していた。


家につき、ソファに座る。

少しするとぺいんさんが、ポツリポツリと話始めてくれた。


pin「….俺ちゃんとした家族っていうのを知らないんだよ。だからさぶ郎やミンドリーとの家族ごっこで家族ってこんなのかなって思ったりして、すごく楽しかった。」


pin「けどさぶ郎から街に来た目的を聞いた時、俺らの関係は壊れるのかなって怖くなって今のうちから距離をとろうなんて勝手なことした。ごめん。」


「楽しかった」そう聞いたとき、すごく嬉しかった。

私も家族というものをあまり知っておらず、この街にもいなくなった声の大きい両親を探す目的で来たのだ。

そして声の大きいという特徴に合う人、伊藤ペいんと出会った。声が大きく世間一般のお母さんあるあるに当てはまる姿を見て思わず「お母さんみたい」そう言った。彼はそれを否定した。それから私はぺいんさんを『お母さん』という存在に重ね、ぺいんさんをお母さんと呼び続けた。

続けているとぺいんさんが折れ、自らお母さんだと宣言してくれた。

そこから私たちの『家族ごっこ』が始まったのだ。

その後、ミンドリーさんも自らお父さんと宣言してくれた。

そこから私たち『警察家族』と呼ばれるようになったのだ。

ただずっとぺいんさんは優しいから嫌嫌お母さんになってくれたのではないかと。

けれどそうではないのだとわかり本当に嬉しかった。

そして、ぺいんさんが不安に思っていることに驚いた。


「ぺいんさん、確かにさぶ郎は両親を探しにここに来たよ。けどもう私は2人のことを家族って思ってる。だから、そんなこと思わないで。」


ぺいんさんが驚いたような表情をした。


「お母さん!これから避けたりしちゃダメだからね!」


私はお母さんを安心させるように明るく笑顔でそう言った。


pin「….うん!」


「ほら!本署に戻ろう!」


そう手を差し出す。ぺいんさんは優しく笑いながら手を取る。次は私が連れて行く。


本署の駐車場にミンドリーさんを見つけ、手を繋いだままミンドリーさんに駆け寄る。


「お父さ〜ん!」


mndr-「んー?どうしたの2人とも」


ミンドリーさんが愛らしいものを見つめるような表情でこちらに顔を向ける。


「”家族で”写真!撮ろう!」


mndr-「..いいよ」


少し考える素振りをみせ、優しく返事する。

きっと何かあったのだと察してくれたのだろう。


「お母さんも!」


「…うん!撮ろう!」


その時丁度レッサンがパトロールから帰ってきた。


「レッサン!写真撮って〜!」


resn「はい!いいですよー!何かいい事でもあったんですか?」


「へへっ!秘密!」


そして『家族』で写真を撮った。みんなが笑顔な素敵な写真だ。

私はその写真を眺めながら考える。きっと傍から見たら『ほっこり家族』などと言われるかもしれない。けれど私達の関係の深い部分まで知った人なら『共依存』などとも言うかもしれない。

私達がお互いを求め合っているうちはこの『家族ごっこ』は終わらない。


さぁ今日もおはようの挨拶から始めよう。



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最後まで読んで頂きありがとうございます。

あまりsbruさんの性格を掴めておらず皆様の解釈とずれているかも知れません。

このお話はこれで完結です。

「もうひとり」も現在作成中のためお待ちください。


         

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