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2日後、僕は無事退院した。そして大事を取り1日学校を休んだ。
そして今日やっと学校に来れた。
今月は休み過ぎたな。
「ゆき!」
「蓮、、」
僕の存在に気づくなり蓮がやってきて、後ろから抱きついてきた。
、、そうだった。蓮はくっつき虫だった。
蓮と出会ったのは去年だった。同じクラスで、席が近かった事により仲良くなった。
1年の頃、京介はクラスが別だった。だからか、蓮は暇さえあれば僕にくっついて来ていたのだ。
そして2年になり京介と蓮と僕は同じクラスになった。だが、2年に上がると蓮は何故かあまり学校に来なくなり、それからあの事があり、今に至る。でも、結果として蓮は学校に来るようになった。
「むむ、」
「ん?」
「ちょっと痩せたね」
「、、」
入院して体重は減る一方だ。宣告を受けた時も痩せたのに、体重は増えるどころか減った。正直、あと10キロは増やしたい、。
「、京介は?」
「朝練じゃない?」
「そっか」
「てかゆき俺と京介が仲悪い事くらい知ってるでしょ?」
「あ、ごめん」
、忘れてた。
「話変わるけど、今日俺の家来ない?遊ぼ」
蓮の家、、。、、気が引ける
「、遠慮しときます」
「えーいいじゃん楽しいよ?」
絶対なんかしそうな予感がする。
「及川」
ふいに名前を呼ばれた。見ると、横に木村がいた。
「お前ら教室でイチャイチャするな」
「センセー邪魔しないでよー。いま俺達仲良くしてるのに」
「佐々木、、。」
「蓮、先生が引いてる」
「あははっ」
と言っても、蓮は離れる気は無さそうだ。どうしようか、、。
「おい、蓮」
京介だった。
「げ、来たんだ。ちぇっ」
京介を見た蓮は僕から体を離し、教室を出て行こうとした。が先生に捕まった。
「サボりか、お前は」
「だって、……」
「ゆき」
「ん?」
京介とはあの日から会うのは初めてだった。
「お見舞い、行こうとしたんだが大会が重なって、、」
「大丈夫。大会どうだった?」
「優勝した。来週県大会」
「え、すごい!おめでとう!」
京介は凄い。全国行ったりするレベルだ。多分今回も全国大会に行きそうだ。
「ありがと、」
、、なんか気まずい。京介と気まずくなるなんて、ハルの事件以来だ
何を話そうか迷っているとチャイムが鳴った。
「お前らー席につけー」
皆、そさくさと席についた。
「号令…」
いろいろあったが、何気ない日々が戻ってきた来た気がした。窓の外を見てみると、空は雲1つない、晴天だった。
昨日はあんなに雨が降っていたのに。
自然と気分は晴れやかだった。ーーこんな風に感じるのは久しぶりだ。
窓から覗く太陽の日差しが暖かった。
僕は、ハルが死んでから、ずっと自分を偽っていた。いや、ただ強がっていただけかもしれない。
今はそれが無くなった。
強がる必要はないと、気づく事ができたから。
作り笑いは得意だ。愛想良く笑うのも、いつもしてきたから今更苦でもない。最後。これは僕の最期だ。お別れは言わない。
静かに、消えるんだ。
春になり、溶けていく雪のように、何かを告げる事なく消える。雪は、どう足掻いたって春の訪れには適わない。
昔、頑張って作った雪うさぎも、消えないようにいろいろ工夫しても、結局は溶けてしまった。白い雪が、ただの水になってしまった。
僕も、あの雪うさぎみたいになるのかな。
なんて。