「きらり〜 !! 遅れてごめん 」
毎朝ヘアセットに30分もかけるサラサラストレートの黒髪に、小さな顔に良く似合う大きめの黒縁メガネを掛け、ほんのりとシャンプーの匂いが香るこの子の名前は有栖。
有栖は小柄で目がくりくりしていてまるで子犬。お菓子も作れて女子力の高い有栖の事が私は大好きだ
有栖と出会ったのは高校の入学式。
「あのっ!同じクラスですよね?私、有栖って言います。よろしくお願いします!」
「あぁ、うん……私はきらりだよ。こちらこそよろしく……」
人見知りな私は友達作りに苦戦していた。勇気を出して声をかけようと心の中でセリフを考えていた時
「良かったらお昼一緒に食べませんか?」
と言ってくれたのが有栖だった。
それからというもの、いつも2人で行動し、毎日楽しく過ごしていた。そんな日々の中で私の気持ちは大きく変化していった。有栖と一緒にいるとドキドキして落ち着かないのだ。
「今日から夏休みだね〜」
「そうだね〜あっ!海とか行きたいかも……」
「いいじゃん!行こうよ!日焼け止め塗ったげようか?」
「えぇ〜自分で出来るよぉ〜」
なんて他愛もない会話をしていた。この時までは……。
あれは確か8月に入った頃だったと思う。有栖は部活があるからと言うことで、1人で帰っていた時の事だ。
「ねぇ、君かわいいね。俺らと遊ばない?」
「結構です!急いでるんで失礼しまーす」
そう言って走って逃げようとしたけど男3人組に囲まれてしまった。怖くて泣きそうになるのを必死に堪えていたその時、後ろから誰かに手を引かれた。
「その手離してもらえる?嫌がってんじゃん」
そこには見たこともないくらい怒った表情をした有栖がいた。
「んだよお前。こいつ誰だよ」
「…ただの友達だけど
なんか文句ある?」
「うぜぇ。女だからって手加減しねぇからな。邪魔だから消えろや」
そう言うと男は有栖に向かって殴りかかってきた。しかし、有栖はそれをひらりとかわすと男の足を勢いよく踏んづけた。
「ぐわっ!!痛てぇじゃねえかこの野郎!!」
今度はもう一人の男が殴りかかろうとした瞬間、有栖はその腕を掴み背負い投げを決めた。地面に叩きつけられた男は気絶してしまったようでピクリとも動かない。
残った最後の一人は逃げようとしたが、有栖に股間を蹴られその場に倒れ込んだ。
そして、気がついた時には全員居なくなっていた。
「大丈夫?怪我はない?」
「う、うん……ありがとう……」
「間に合ってよかったよ……それじゃあまた明日学校で会おうね」
そう言って帰って行く彼女の背中を見ながら私は思った。
(有栖に思っていた気持ちは友達に対しての好きじゃないのかもしれない)
次の日から私は積極的に話しかけるようになった。自分の中でまだ曖昧なこの気持ちの答えを探すかのように。その曖昧な気持ちについて有栖に話すと
最初は戸惑っていたが徐々に打ち解けてくれていった。
そんなある日のこと、私が掃除当番で遅くなった日に事件は起こった。下駄箱を開けると中から手紙が出てきたのだ。恐る恐る開けてみると中には
『放課後体育館裏に来てください』
という内容の文字が書かれていた。これはきっと告白というやつだろう。人生初の経験に心臓が激しく鼓動する。
緊張しながら教室に戻ると机の中にも同じ様な紙が入っていた。とりあえず無視しようと思ったのだが、授業中に何度もチラチラと見てしまって先生に注意されてしまった。
(どうすれば良いんだろう……)
有栖に相談したいところだが、もしこれが告白だとしたら余計なお世話になってしまうのではないかと思い相談出来ずにいた。
(まぁいいか。明日には分かることだもんね)
そう思いながら私は眠りについた。
〜〜〜〜〜〜 翌日、私は朝早くに学校へ向かった。
昨日の夜考えた結果、やっぱり自分の気持ちを伝えようと思い立ったからだ。
体育館裏に着くとそこにはすでに女の子の姿があった。その子を見た途端、私は思わず息を飲んだ。そこにいたのは私を呼び出した張本人である有栖だったのだ。
「おはよう。わざわざこんな所まで来てもらってごめんね。どうしても伝えたいことがあってさ……」
有栖の真剣な眼差しに私は少しドキッとした。「あ、あのね!私も話があるんだけど……」
「そっか、じゃあ先に聞かせてくれるかな?」
「うん。分かった……」
私は深呼吸をして気持ちを整えてから口を開いた。
「私ね、有栖の事が好きみたい。友達としてじゃなくて恋愛対象として好きなの……」
「えっ!?」
有栖は驚きの声を上げたが、すぐに冷静になって私の目をじっと見つめてきた。
「本気なんだね?」
私は力強くうなずいて返事をした。すると有栖は嬉しそうな顔をして言った。
「実はね、きらりが私の事を好きだっていうことは前から分かってたの。でもなかなか言い出せなくって……」
「えぇっ!知ってたならもっと早く教えてよ〜」
「ふふっ、ごめんね。それでね、私からも言わせて……」
「うん……」
有栖は照れ臭そうにしてから意を決したように大きく深呼吸をしてから話しはじめた。
「私もずっと前から好きでした!付き合って下さい!」
「えぇーーーーーーーーーーーー!!!!」
こうして私たちは晴れて恋人同士になった。それからというもの、毎日幸せいっぱいの生活を送っている。
「ねぇねぇ、今日のお弁当は何が良い?」
「ん〜ハンバーグ!」
「了解!」
私たちはまだ高校生。これから色んなことが起きると思うけど、2人一緒なら乗り越えられる気がする。
だって有栖は世界で1番大切で大好きだから……。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
初めて書いたもので起承転結が下手くそというか…あまり面白みが足りないのですが暖かい目で読んでくださればなぁ。と思いますアドバイスは常に受け付けておりますのでコメントお待ちしております。⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
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