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「!!?」
緑色と黄色の光…。
俺は光に包まれ目を閉じた。
光が消えたと思い目を開けると、そこは教室ではない何処かだった。
「ここは?」
薄暗い建物の中にいるようだが、物が多いな。
脚立に工具、ペンキ、カラフルな布、ベニヤ板、何やら組まれた角材…。
倉庫か?
どうやら海のど真ん中ではないみたいだけど、どうやって出ようか。
俺はなるべく音を立てないように物の間を通り、出口と思われる布の前までようやく辿り着いた。
おそらくここは倉庫に使われているテントみたいだ。
となると、ここは移動を繰り返す集団か?
移動する集団ってことは、遊牧民?
いや、今のご時世いないか。
ってことは何かのイベント用の仮設テントか?
俺が出口前で考え事をしていると、誰かがこちらに近付いてくる足音が聞こえてきた。
マズイ、隠れよう!
俺は咄嗟に跳び箱のような台の後ろに隠れた。
「ったくジェニスのヤツ人使いが荒いな。」
テントの中に入ってきたのは、異様な程に顔が小さい大男だった。
シルエットしかわからないが、おそらく外国人だろう。
大男は倉庫の奥に進み、何かを見つけるとそれを何個か取り、テントを出て行った。
音とシルエットからするにペンキ缶だろう。
俺は大男の足音が遠ざかるのを確認してから、跳び箱の物陰から出てそーっと出口に近付いた。
そして、周囲の様子を見るため、ゆっくりテントの出口の布を少しだけ開け、そこから外を覗くと、そこには大きな黒い眼があった。
「うわああああああ!!」
ビックリして俺はつい声を出してしまった。
しかも、身体が間合いを取るために退がってしまっており、物に躓いて尻餅をついた。
ヤバい、体勢が崩れた!!
「これは申し訳ない。大丈夫かね?」
テントの出口の布を大きい手で退け、先程の男が中に入ってきた。
俺はその男の大きさがあまりにも大きく叫ぶことすら忘れ、口をパクパクさせていた。
その男は、さっきの大男よりもはるかに身長が高く、テントの天井に当たる手前で前にかがみ、俺を真上から見下ろしていた。
薄暗くてよく見えないが、目は真っ黒で白い部分が無い。薄い眉、丁寧に整えられた口髭、こけた頬、何を考えているのか分かりにくい顔だ。
男はしゃがれた太い声で口を開いた。
「君は…どこから来た?」