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東の港の方へ走っていくと、地面が揺れ、町の瓦礫が空中にひとつの塊として浮かぶ。藤虎の能力……だよな?!
「おい! お前ら! どこにいても同じだ、さっさと港へ行って船を出せ!」
「わかった! トラファル……ガー・ロー!? 君らを待っていたんじゃないか! どこにいた?!」
「どこだっていいだろ! 早く船!」
藤虎が見逃してくれることはなさそうだが、ルフィも来て、これで全員集合となる。
わざわざロメオがかわしてこっちに来いと言ったのに、ルフィは藤虎に殴りかかった。もう今更驚かねえけど! だとしてなんで喧嘩売るんだよ!!
「いつか倒すじゃもうだめだ! 大将だからってなんで逃げなきゃいけねえんだ! そういうのは、2年前で終わりだ! 海軍大将だろうが、四皇だろうが、全員ぶっ飛ばしていかなきゃおれは、海賊王にはなれねえんだ!!」
そんなことを叫びながら拳を振り上げてルフィは藤虎に向かっていく。
それはもういいのだが……ルフィは自分が何をするかいってから藤虎に攻撃を仕掛けていた。盲目の彼に配慮している…?
「なんだ? さっきから妙な戦い方しやがって…」
「何やってんだルフィ!」
自分の線源と間違えた行動をしたとき、ルフィは素直に謝った。藤虎は盲目だが、その代わり他の感覚で補っている。だというのにルフィは宣言してから攻撃をしていたのだ。それがおかしいと思ったのかもしれない。同情かと藤虎がルフィに問う。だがルフィは同情だとか、藤虎を怒らせるためにやっているんだとか、そういうのじゃなくて、目の見えない藤虎を無言で殴ることが出来ないと言った。藤虎が嫌いじゃないとか言って。正直者すぎる。
藤虎の能力を纏った斬撃が飛んできて、ルフィはそれを受けて吹っ飛んだ。吹っ飛んだルフィを巨人のハイルディンが掴んで船の方へと運んでいく。
俺たちが乗る船は5キロ先の霧の先にあるあるらしい。船の上に浮かぶ橋を渡っていく。
「まだ藤虎の能力の範囲だよな、ここ!? あんなのが落ちて来たら死体も残らないんじゃねえの!?」
走りながら上空にある巨大な瓦礫を指差す。脱出用の船があるのに逃げ場はねえってなんだよ! 死にたくねえ!!
その瞬間、上空の瓦礫が弾けて広がる。これ、そのまま落ちてきて一網打尽にする気だよな…!?
「……あ?」
「どうした?」
「ドレスローザの民衆が後ろから来てる…っぽい?」
「はぁ?」
「……多分あれ、俺たちを追ってきてるって言うよりは、俺たちの、ルフィの見送りに来てるな。一般市民がこの橋にいるとなれば藤虎は空の瓦礫を落とさないだろうし」
「そういうことか」
ハイルディンの肩に乗っているルフィは、ドレスローザの国民たちに手を振っていた。