テラーノベル
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「予約はしてないんだが、こちらの僕の婚約者に似合う上質なリングはあるかな?」
キザと言える自分の言葉に内心ジンはおかしくなったが、かまうものかと続けた
「お美しいお嬢様にご婚約指輪ですね、かしこまりました、差し支えなければ、ご予算のご希望を賜りますが・・・」
ジンがスマートにポケットからスマホを取り出して電卓アプリを開き、数字を叩いた
「これぐらいかな?・・・」
その数字を見た美しいマネキンの様な店員の右眉がピクリと上にあがった
「・・・どうぞごゆるりと吟味なされて下さいますように・・・二階のプライベートブースにご案内いたします、こちらでございます」
「うん」
店員の笑顔のギアと声のトーンが一段上がった、彼女の誘導の元、黄金で出来た店内中央の螺旋階段を上る、続いてジンが階段を上がろうとする・・・そこで入口に呆然としている桜に振り返った
「桜!」
ジンはまっすぐ桜を見ながら手を差し出している、店員はワイヤレスマイクで誰かに慌ただしく指示を飛ばしている とまどいながらも桜はジンの手を取り、まるでシンデレラの様に、一歩、一歩・・・黄金の螺旋階段を上った
二人は真っ青なティファニーブルーに彩られた「プライベートブース」へ案内された
吹き抜けの二階からは一階の店舗が隅々まで見下ろせる、桜の胸は初めての体験に終始胸が騒がしく高鳴っている
生まれて初めての高級ブランド店にこんな形で入るなんて思いもよらなかった、VIP対応の二階は天井から吊り下げられているシャンデリアでさらに眩しく、あきらかに一階の一般売り場とは違う
ここは特別な客が出入りする空間だ、彼はいったい、いくらの金額を提示したのだろう? 贅沢に不慣れな桜は、豪華な店内の内装を楽しむどころか、今では圧倒されてビクついていた
通販サイト「SHEIN」で買ったペラペラの生地のスーツを着た自分が場違いに感じられてしかたがなかった、自分はセレブでもなんでもない、こんなもてなしを受けるなんていいのだろうか
ジンは、そんな桜を横目で見ながら、革張りのソファーに優雅に座り、ウェイターが運んできたシャンパンを手に取った
カチン・・・ 「偽装に乾杯」
二人はグラスを突き合わせた、ジンは一気にクイッと飲んだけど、桜はモジモジとグラスをいじっている、グラスの細い脚の部分にさえティファニーのクリスタルが輝いている、落として割ったりしたら大変だ
「しゃちょ・・いえ、ジ・・・ジンさん・・・いくら偽装とはいえ・・・やりすぎではないでしょうか?」
しばらく考えてジンが口を開いた
「普段の僕は富をひけらかすのは好きじゃないんだが・・・」
まっすぐ桜を見つめて続ける
「君はこれから僕の妻として大株主や入国管理局と渡り合ってもらうことになる、周りの人間は僕が君に最高のモノを与えていると期待する、そんな君に僕が安物の指輪をはめさせているとしたらそれこそ、偽装を疑われるのではないか?」
そう言われると、たしかにそうかもしれない・・・
桜はまだ彼の「妻」であるということが、どういうことかよくわからない、彼は長い脚を組みなおして言った
「やるなら僕は本気でいくよ」
.:・.。. .。.:・
コメント
2件
憧れのティファニーでVIP対応⸜(> <⑉))⸝キャッ♡ ジンさんに納得!!偽装とバレない為にも、高級な物を付けるべきですね!
きゅぅん😍名前呼び〜💕 ジンさんフルスロットルでどうぞ🫱