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次の日、朝1番の診察にガーイル様はいらっしゃった。
「おはよう御座います。
よくお越しくださいました。
それでは、いくつか質問させていただきまする。
まず、アルコールは飲まれますか?」
「あぁ、毎晩結構な量を飲む。」
「なるほど。
辛い物などの刺激物はお好きですか?」
「あぁ、まぁまぁな。」
「胃腸に不具合はございませぬか?」
「いや、特に無いと思うが…」
「お腹を下すことがありまするか?」
「いや、どちらかと言うと出ぬな。」
「なるほど…
おそらく、肝臓か胆嚢に湿熱が溜まっておるかと思われます。」
「湿熱?
何だ、それは?」
「私の祖国の考え方でございますし、少し説明が難しいので御座いますが…
身体を潤す”水”と呼ばれる物と、身体を温める”熱”と呼ばれる物が過剰となり、その二つがくっつき、ドロドロになったものを”湿熱”と呼びまする。
湿熱が臓器に溜まると、その臓器の働きを阻害する事になるのでございます。
ガーイル様の場合はアルコールや刺激物などにより、湿熱が肝臓や胆嚢に溜まっている、と考えまする。」
私は説明する。
「なるほど…
半分ぐらいしか分からぬが、それは治るのか?」
「茵蔯蒿湯というお薬で治るかと思いますが、多少時間がかかりまする。
食生活やアルコールの量なども同時に変えていかなければなりませぬ。
肝臓は特に命に関わる病になる事も考えられます。
それと、お忙しいでしょうが、出来るだけ安静にされてください。」
「分かった…
ひとまずそなたの噂を信じて、薬を飲むことにしよう。」
「ありがとう御座いまする。
では、2週間後にまたお越しください。」
そうして、ガーイル様は帰って行かれた。
私はその後も患者さんを診察し、後宮に帰り着いたのは、19時ごろになった。
そして、10日後、ラヒト様とダーニャ様の結婚パーティーが行われた。
私は朝から赤と青のギンガムチェックのドレスに着替えて、サリー達に手伝ってもらい、化粧して髪を結い上げた。
シャルルダルク様は意地を張っているのか、あのマンゴー酒の飲み会以来会っていなかった。
しかし、今日は結婚パーティーに来るはずだ。
複雑な心境で、身支度を整え、王宮のパーティー会場へ向かった。
「マリーナ!」
パーティー会場で、呼び止められた。
そこには…
「ガーイル様!」
モスグリーンの洋服に正装したガーイル様がいらっしゃった。
「今日は一段と美しいな。」
ガーイル様は私の手を取り挨拶のキスをする。
「…黄疸が消えておりますね!」
「あぁ、そなたのおかげだ。」
ガーイル様はそう言って笑った。