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4件
『クラスの陰キャ男子は”元”不良でした。』
Episode.33
ぷちぷち→👀
ぽん太→🐤
いむ→🐾
ひなこ→🎀
のあ→🍪
るな→❄️
碧→🟢
Mid→” “
7→「 」
lua→《 》
-作者より-
作者も心配になりますが、ちゃんとみんな救われるのでご安心ください!やったね!!
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side:清水月 -shimizu runa
──きっと、はじまりは一瞬のことだった。
❄️『”十年契約”……?』
町の図書館に気分転換に行ってみると、黒色の表紙に金色で縁取られた分厚めの本を見つけた。
すっかり興味を引かれてしまったから、今日からしばらくはこの本を読んでみよう、と思った。
だけど……
❄️『えっ、これ‥ここのじゃないんですか?』
返却した人が間違えて入れたんだろうって言われたけど、正直に言ってこんな奥に手が届くのはるなと同じくらいの読書家しか居ないと言っても過言じゃない。そんな奥深くにわざわざ本を返しに来るような人を見たことなんて無い。
……何か目的があってやったんだ、って。すぐに気づいた。
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side:猫宮七瀬 -seven
『……疲れたぁ。』
“お疲れ~、7。コーヒー飲むか?”
『いらなぁい。ってかオレ飲めないし。』
“相変わらず子供舌だなぁ……”
暇潰し程度に造った、教室を模した狭間。
みっどはここがお気に入りらしく、オレがいるときはいつも此処に居座る。
ずっとここで余生(笑)を過ごす…ってのもつまんないし、たまに窓の外の景色を変えてあげたりしてる。
これでも苦手分野なのだから、ひれ伏す勢いで感謝して欲しいものだ。
《…言っておきますけど、多分余計なお世話ですよ。それ。》
『あれ、姐さんじゃーん。どした?』
この人が此処を訪れるなんて滅多に無いことだ。何故か分からないけど、教室の狭間だけは毛嫌いしているらしい。
《…いつも通り下らないことで安心しました。あと、此処が嫌いなのは貴方もでは?》
『ありゃ、バレちゃったか』
生理的に受け付けられない。
狭間に入るときに開ける教室の扉を、現実にすら存在しない身体が受け付けない。
……だから、ここには滅多に来ないし、入るときにも、窓から這い上がって来るか、入り口を別の場所に造るかくらいで入る。
そもそも、空間に蔓延る学校特有の匂いを吸い込むだけで心底吐き気がするのだ。
どうしてコイツはこんなのが好きなのだろうか、と、時々本能で思ってしまう。
《Midさんは学校が好きなんですよ。あの人、ろくに行けてなかったらしいですし。》
『さっすが情報通だねぇ。あ、それともまた”読んだ”の? 』
魂を現実世界から分離させた「悪魔」は、その年数が長ければ長いほど、特殊な能力が産み出される。
姉さんは相手の考えを読み取る、所謂「読心術」。
みっどのはたまにしか出てこないけど、確か「記憶操作」だったはず。
『ほんっと、二人共便利なモノ持ってるよねぇ。羨まし~。』
《……貴方も大概でしょう。Midさんも私より歴が浅かったはずでし?》
“んぇッ、オレ?!え、あ~…まぁな。姐さんのはマジで嘘吐けねぇからヤベェけど”
それなら、嘘なんて吐かなきゃいいのに…。
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side:──── -lua
「読心術」に、 「記憶操作」。
どれも使い勝手の良い「当たり枠」なモノですが……
彼…「7」の異能は圧倒的に格が違うでしょう。
彼の方が私やMidさんより歴が長いだなんて、中々分かるものではありませんけれど。
『”ナナセ”さん…ですか。』
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“おい姐さん…それはご法度だろ。元の名前なんて皆言われたくねぇよ。”
『あら、ただの独り言ですよ?』
“…食えねぇヤツ~。”
羽の付いたペンの先にインクを付着させて、文字も記号も書かずに、適当にサラサラとペン先を遊ばせる。
……それだけで、簡単に絵なんて描ける。
『…Midさん、知ってますか?』
“ん?何~?”
『…何でもできるって、辛いんですよね。』
“……だな。”
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side:清水琉愛 -shimizu rua
昔から、私は「何だって」出来た。
何の努力もせずに成績はトップになれたし、やろうと思えば大抵のことは得意なレベルで行えた。
できないことなんて無かった。
『お母さん…あの、この前のテスト……』
「満点……それで?当たり前でしょう?」
あの人は、昔から完璧主義だった。
それも、完璧に出来たとしても褒めるなんて一切しないタイプの。
あの人も私と同じように、努力せずに結果を出せるような天才だった。
……いや、私の場合は「天才」なんかじゃないな。
───
毎日毎日、手がシャープペンシルの芯で真っ黒になるまで努力した。
もちろん、あの人にこんなところを見せられる訳がない。
もし見られれば、私はきっとあの人に見放されてしまう。
きっと失望されてしまう。
きっと、軽蔑されてしまう。
それだけは避けたかった。
努力するのは悪いことじゃない。だけど、私は「努力せずとも完璧で居なくちゃいけなかった」。
そうじゃなきゃ、失望されて、あの人の足手まといとして扱われるのが目に見えていたから。
寝る間も惜しんで必死になって努力し続けた。
それを、誰でも良いから…認めて欲しかった。
楽になりたかった。
──────────────
気が付けば、そこは真っ暗闇で。
自分の掌さえ見えないくらいに黒かった。
『…どこ……?』
「……あれ、─た─しい子が来─んだ!」
声に少しだけノイズがかかっていて、聞こえづらい。
『…だ、だれ‥っ…?』
肩までの不揃いな淡い紫色の髪。
どこから差すのかも分からない光が髪に反射して、艶々と輝いていて。
まるでお月様みたいなひとだった。
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Episode.33
「天才と凡才の違い」 終了
Episode.34・・・4/26公開
次回もお楽しみに。