「……ったるさん、ぃたるさん……!」
あぁ、万里か。
「何よそ見してんすか?」
『別に。そういえば、もうすぐイベ走らないといけないからさ、クリスマスの予定なしにできない?』
「は?」
最近、万里がきつい。
ずっとつきまとってくるし、ひっつき虫か?
「至さん、何かしましたか?」
『別に』
「また“別に”って言うんすね。なら、俺も別に用はないんで帰ります」
やけにすんなりだったな。
さすがに飽きたか。
「チュッチュッ」
『は、ちょっ、何して、ッ!?』
万里がついにおかしくなったわ。
「別に」
『ひッ!?!?///』
指、ナカにいれて……!?
「至さ……至」
『ッ、』
目つき変わった?
「黙って喰わせろ。全部」
『ぇ……』
く、われ…る……。
翌朝。
うわぁ、歯型くっきりついてる。
腰痛いし、最悪。
今回のイベント、走るのやめるか。
万里の必死な姿見てると、可愛くて申し訳なくなるし。
「至さん……痛みます?」
『うわっ、いつからいたの?』
「たった今です」
『ねぇ、俺イベント走らない』
「え?」
『クリスマスは予定通り万里とデートする。その代わり、また俺のこと食べてよ?今度は一滴残さずに、ね♡』
「〜〜〜っ///////」
よっしゃ、俺の勝ち。
『ははっ、乙〜』
次は万里の番だよ。