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今日はなんだか様子がおかしかった。
撮影中も、たっつんさんはいつもみたいに元気に見える。
でも。
「……疲れてる?」
休憩中、そう聞くと。
「んー、まぁちょっと?」
笑って答えるけど、どこか無理してる感じ。
結局そのまま撮影は終わって、夜。
帰ろうとした時だった。
「……なあ」
後ろから服の袖を軽く掴まれる。
振り向くと、たっつんさん。
「今日もう帰る?」
「え?うん、その予定だけど……」
すると少し迷うみたいに目を逸らして、
「……もうちょい一緒おって」
って、小さく言った。
珍しい。
普段なら絶対こんな言い方しない。
「たっつんさん?」
「今日なんか無理やねん」
ぽつり。
「無性に会いたかったし」
「っ……」
「今も帰ってほしくない」
その声が思ったより弱くて、胸がきゅっとなる。
結局そのまま二人でソファへ。
すると。
ぽす。
「わっ」
たっつんさんがそのまま肩に寄りかかってきた。
「……充電」
「ふふ、スマホみたい」
「今バッテリー3%くらい」
400
くすみ✘kusuminn
くすっと笑うと、たっつんさんはさらに近づく。
今日は本当に距離感がおかしい。
「たっつんさん甘えすぎじゃない?」
「今日だけ許して」
即答。
しかも珍しく素直。
「……だめ?」
少し見上げるみたいに聞かれて、断れるわけがない。
「だめじゃないよ」
そう言った瞬間。
ぎゅっ。
急に抱きつかれる。
「うわ!?」
「……落ち着く」
耳元で小さく呟く声。
いつもの余裕ある感じはどこにもなくて、ただ“好きな人に甘えたい”って空気が伝わってくる。
「今日ほんとにどうしたの?」
そう聞くと、たっつんさんは少し黙ってから、
「……たまに余裕なくなる」
ぽつり。
「いつもはかっこつけとるけど」
「…今日は無理」
その言葉と一緒に、さらにぎゅっと抱きしめられる。
「だからいっぱい甘やかして」
「そんな可愛いこと言う?」
「自分でもびっくりしとる」
思わず笑うと、たっつんさんもつられて笑った。
でも次の瞬間。
「……好き」
不意打ちみたいに落ちてきた声。
「え」
「今日めっちゃ言いたなる」
耳まで赤くしながらそんなことを言う。
ずるい。
かっこいいのに、こんな日は反則すぎる。
「……もうちょい、このまま」
たっつんさんは安心したみたいに目を閉じて、あなたの肩に額を預けた。
その姿は、いつもの“余裕な人”じゃなくて。
好きな人にだけ甘える、特別な顔だった。