…第14弾
「夏休み、終了ぉぉ!!」
朝からテンションだけはMAX。
(……あー、終わっちゃった。モヤモヤしたまま。)
駅前で見た“黒瀬と知らない女子”。
あれが頭から離れない。
(気にしてないけど!?してないけど!?)
教室。
「おはよー夏江!」
「おはよっ!テンションだけは高いよ!」
(テンションで誤魔化すタイプ、私。)
ガラッ。
「おはよ。」
来た。黒瀬颯太。
いつも通りの顔。だけど、なんかちょっとかっこいいの腹立つ。
「お、おはよ!」
「……どうした。声裏返ってるぞ。」
「う、うるさいっ!」
(くぅぅ……その落ち着きずるい!)
授業中。
先生「じゃあ水原、次の問題。」
「へっ!?い、今ですか!?」
休み時間。
「宿題、ちゃんと出したか?」
「出したわよ!?」
「おぉ、奇跡。」
「奇跡言うな!!」
「前、寝落ちしてたろ。」
「そ、それはあんたのせいでっ!」
「なんで俺。」
「……知らない!!」
顔が近い。心臓が暴走。
「な、なんでもないから!!」
「別に何も言ってねぇけど。」
(やめてその平然顔!!)
友達がニヤッと笑う。
「ねぇ、水原。あんたらさ、夏休み中になんかあったでしょ?」
「な、なんにもないしっ!!」
「ふーん? 顔、赤いけど?」
「日焼けっっ!!!」
(……違う。日焼けじゃない。)
(あの時からずっと、心のどっかが熱いままなんだ。)
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