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だてこじ
宮舘side
「っふは、ねえ全部繋がっちゃってるから笑」
『あーれなんでやろ、ちゃんと切った筈やってんに…』
今日は一緒に夜ごはんを作って食べようと約束した日。ローストビーフの仕込みが終わってついでにサラダでも作ろうかと野菜を切ってもらっていると彼の手元に完全には切れず繋がったままのキュウリがどんどん生み出されていくのが見えて吹き出してしまう。びよーんと効果音がつきそうなくらいアコーディオンのように伸びたキュウリを困り眉で持ち上げている彼はとても可愛かった。
「面白いしそれそのまま入れてもいいよ笑」
『えぇこれそのまま入れてええん?笑 明らかに食べにくいやろ』
「いいじゃん別に、食べるのどうせ俺か康二なんだし」
『確かに…ならこのまま入れてもええか笑 ほなこれは大当たり言うことでね、入れとこ』
遊び心のありすぎるサラダが出来てしまった。たまにはこういうご飯も手作りらしくて良いだろう。食卓に沢山の料理を並べて向かい合わせに座り、二人で手を合わせた。
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佐久間side
【ふぁ~~…んね涼太ぁ、翔太が振り向いてくれないどころかぜんっっぜん見向きもしてくんない!】
「まあうん…翔太はねぇ…」
【他に好きな人居んだもんね、だとしてもさぁ!もうちょっと俺のこと見てくれたってよくない?!】
「うーん…思わせ振りなことしたくないっていう翔太なりの優しさなんじゃない?わかんないけどね」
【あー…ね、やーだぁ、涼太はないの?そういうの】
「いや俺は…」
まあ涼太はそんなん無さそうだよなぁ、恋とかされる側だろ絶対。
「…あるにはあるけど」
あるんかよ。えぇ?舘様って色恋沙汰に無縁なのかと思ってたんだけど片思いとかあるの?ほんとに?俺の都合のいい幻影だったりしない?これ。耳の穴かっぽじって聞かなきゃじゃんこんなの。
【具体的にどんななの?】
「全然気づいてくんない…っていうか、どう考えても友達枠っていうか笑」
【あーーー…うーーーん……】
「なんか言えよ笑」
なんも言えねえだろそんなの。俺より重傷じゃん。なんで俺そんな状況の人にこんな相談しちゃったんだろ、申し訳なすぎる。てか誰のこと好きなんだろめっちゃ気になる。え翔太じゃないよね?いや普通に違うよな、そうだったら宣戦布告してくるタイプだもんな多分。じゃあ照であってほしいなぁ、ニコイチ的な目線では照の恋応援してえし。やーなんか俺がドキドキしてきちゃうわ笑 なんか良いようになればいいんだけどなー
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宮舘side
「…そう言えば康二好きな人居たことある?」
『おーん…居らんって言うたら嘘になるわな笑』
「そっか笑 じゃあもし次に恋するとしたらどんな恋にしたい?」
『…そりゃまあ、好きな人と一緒になりたいわな。毎日俺がその人のこと笑かして、笑顔が絶えんような日にしたい…って何言わせてんねん!笑』
彼の言う好きな人に俺はなれないのかと思ってしまう。彼のした話に、どうしても未来を重ねてしまう。これが現実になれば…夢が覚めなければ、現実にすることが出来るのだろうか。いっそのこと多少力ずくでも自分の物に…
「目閉じて?」
口をついて出たのは自分が次にする行動を想像するに容易い言葉だった。なのに疑うことの知らない目を瞑ったままの無垢な顔を此方へ向けられれば無理矢理彼の唇を奪うことなんて、出来なかった。そっと彼の頭に手を伸ばせば軽く撫でるようにしてすぐに手を離す。
「ゴミ、ついてたから笑」
『あぇ、ほんま?ありがとう笑』
あぁ、好きだなぁ。好きって伝えたら。君に伝えたら、何て言うのかな。言葉には出来なくて。口よりも、考えるよりも早く体が動いていて彼を閉じ込めるように抱き締めた。
『…っえ、だて?』
「ごめん、寒かったから笑」
『なるほどなぁ笑 そんなんいつでも暖めたるで?笑』
やめてよ、俺以外にもそんなこと言ってるんでしょ?俺を、俺だけを見ていて。
次の日の朝、彼の鞄に3本の小さな薔薇を忍ばせて送り出した。
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向井side
家に帰って鞄を覗けばおっかなびっくり。なんや、ちっちゃいバラ3つ入っとるやんけ。舘ん家から間違って持ってきてもーたんかな。でもこれ生花やし返したとて舘が困るやんな、貰っとこ。その時玄関のチャイムが音を立てた。え、今昼の11時やけど誰?何?
《…康二?あ、俺。》
『…めめ?』
《うん、メール入れたんだけど気付かなかった?》
『…ほんまや、とりあえず開けるから入って』
嘘やん、メンバーと言えどそんなことある?めめが自分から家来るって何があったんやろ。ほんまかいな。国宝級イケメン、唐突に我が家に降臨。